中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティングEC会員コース
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2017年11月29日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第298号】
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こんにちは。キャストの大亀です。
先週末に日本からの来客で、蘇州呉江区にある江南水郷の古鎮「同里」に行きました。上海から西に約80km、車で1時間強。高速道路が近くまで整備されているので、快適なドライブであっという間に到着します。
同里への訪問は今回で2回目。このメルマガでも紹介している通り、今年の3月に初めて訪れました。
【第263回】 上海から1時間で行ける世界遺産
水郷「同里」は穴場の観光スポット
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1909
水郷の町としては、周庄や朱家角、烏鎮のほうが有名で、同里と聞いてもパッと来ない人は多いのではないでしょうか。しかし蘇州の拙政園や留園とともに「蘇州古典園林」として世界遺産に登録されている「退思園」もあり、どうしてメジャーにならないのか不思議でもあります。
今回特に驚いたのが、水郷の水がきれいに浄化され、水底が透けて見えるほどきれいになっていたことです。江南の情緒溢れる水郷の脇に出されたテーブルで食事やお茶を楽しむのが好きなのですが、いつも濁った水と悪臭に、折角の雰囲気も台無しになっていました。
12年から地元政府主導で水質改善計画を実施、超伝導磁気分離水処理の技術を導入して、ようやく近頃本格稼働が始まったようです。まだ完全に浄化されているわけではありませんが、元の灰色から太陽に照らされてエメラルドグリーンに光る水面は、まるで遊園地にいるかのような感覚にもなりました。
まだそれほど観光地化もされておらず、全体にこぢんまりとした同里。水郷の町に行くなら、ぜひとも、おすすめです。
今週のコラムは今年の夏に訪れた黒竜江省の省都・ハルビンについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第298号をお送りいたします。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第298回)
~ハルビンのモール施設、冬場も人気?~
2. 新着コンテンツ一覧
3. お知らせ
1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2017年10月号(vol.48)発行
(詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
「小米、リアルの総合家電で反撃」(2017年11月17日付)
(詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/
3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
「Shanghai spots get hot thanks to word-of-mouth advertising(SNS人気店の秘訣)」
(詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/
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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第298回)
~ハルビンのモール施設、冬場も人気?~
今年の7月末に訪れた黒竜江省の省都・ハルビン。ハルビンは2年前の夏に訪れて以来2度目。今回は特に6月末にオープンした「万達(ワンダ)文化旅遊城」の視察がメインでした。
万達へは市中心部から東に約13km、車で30分程度です。「松北新区」と呼ばれる新興都市区で、シャングリラやケンピンスキーなどの5つ星ホテルのほか、高層マンションが数多く建設されています。
そうしたマンション群の一角に巨大な敷地スペースで存在感を示す万達。特に万達茂(モール)の横にそびえ立つ、巨大ピアノのような建造物が目を引きます。この正体は世界最大規模を誇る室内スキー場。ちょうど90年代に幕張にあった「ららぽーとスキードームSSAWS(ザウス)」を彷彿とさせます。
また、近くにはロシアの街並みをモチーフにしたテーマパークもあります。敷地中央の人工池を取り囲むように、キッズ向けから絶叫系のジェットコースター、フリーフォールなど数多くのマシンが設置され、束の間の夏を楽しむハルビンっ子や観光客で賑わっていました。
しかし、そこでふと思ったのが、「ここは極寒の冬が1年の半分以上も続くハルビン。今はいいが、冬になるとこうしたアトラクションもすべて“氷漬け”になってしまうはず。経営的には大丈夫なのだろうか……」と。
一方、遼寧省・大連との間で11年に開通した高速鉄道の終着駅「ハルビン西站」。駅前の新興住宅エリアに位置する万達広場を中心に、新たな商圏が形成されています。その万達広場のすぐそばに、17年1月に「西城紅場」がオープン。地場系不動産デベロッパーの紅博集団が手がけるモールで、無印良品も出店しています。
そのモールに隣接する「芸術港」。以前機械工場だった跡地をリノベーション。外壁をガラス張りにし、高い天井の開放的な巨大スペースに、美術館や書店、キッズ向けの遊戯施設が入居しています。明らかに冬季の営業を意識した環境で、多くの家族客で賑わうことが容易に想像できました。
こうして比較すると、前述の万達テーマパークも、規模を小さくしてでも屋内施設とし、冬でも営業できるようにしたほうがよかったのではないかと思えてなりまん。本格的な冬を迎え、あの室内スキー場の客の入りは如何に……。
文責:コンサルタント 大亀浩介
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新着コンテンツ一覧
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◆「消費のアップグレード」が牽引、新・中国風茶飲料業界が爆発的成長(1)
~各種テーマやジャンルで続々誕生する“網紅”茶飲料店
広東省・広州の天河地区にある高級ショッピングモール「太古滙」に、「恋暖の初茶」という名の茶飲料スタンドがある。 店舗のデザインは「かわいい和風」路線と言ったところだろうか。柔らかなライティングが心地よく、都会の若いプチブル層にぴったりの雰囲気だ。メニューも一般的なミルクティーの他、マシュマロチョコレート、パイナップルカルピスなど可愛らしいものばかりが並ぶ......
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◆シェアエコノミーの新業態「ミニKTV(カラオケボックス)」(5)
~新たなシェアエコノミーの新鋭としてベンチャー投資が活発に
ofoやモバイク(mobike)がシェア自転車の人気に火を付けた後、カーシェアリングやモバイルバッテリーなどシェアエコノミーの派生商品が次々と生まれている。 今回のミニカラオケボックスも、このシェアエコノミーのニュートレンドと言えるだろう。咪噠miniKや友唱M-Barは、ミニカラオケボックス業界のofoやモバイク的存在であり、市場の先駆者だ。どちらも数千万元レベルの高額融資を獲得し、市場シェアでも他のブランドに差をつけている......
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◆シェアエコノミーの新業態「ミニKTV(カラオケボックス)」(4)
~フランチャイズ方式で市場シェアを急拡大
ミニカラオケボックスは、一般に「直営+フランチャイズ」のモデルを採用している。ボックス設備の販売価格は、2〜3万元/台が相場。フランチャイズの場合、製造元は機械を代理店に販売した後は、メンテナンスとアップグレードを担当するのみ。それ以外のコミッション等は徴収せず、運営は全て代理店の責任となる......
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◆シェアエコノミーの新業態「ミニKTV(カラオケボックス)」(3)
~拡大するミニカラオケボックスの市場規模
中国のモバイル及びネット専門の調査会社である艾媒諮詢(iiMedia Research)のデータによると、16年の中国ミニカラオケボックスの市場規模はすでに16億元超、17年には92.7%増の31.8億元、18年にはさらに120.4%増の70.1億元に達すると見込んでいる。 17年第1四半期における中国ミニカラオケボックスの影響力ランキングのうち、1位から5位を占めたのは、「友唱M-Bar」、「咪噠miniK」、「雷石WOW屋」、「愛唱love singing」、「聆噠」の5社......
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2017年10月号(vol.48)発行
会報誌2017年10月号(vol.48)では、巻頭特集に中国越境EC業界で突如として頭角を現した「網易考拉海購(Kaola.com)」(以下、網易考拉)を取り上げました。
90年代の中国インターネット創成期に、雅虎(Yahoo)や新浪(Sina)、捜狐(Soufu)等と並び大手ポータルサイトの一角を担った「網易(NetEase)」。無料メールサービスの「163.com」が全土に広く普及しながら、どこか“二・三番手”のイメージが拭いきれませんでした。
検索エンジンの百度(Baidu)やネット通販のアリババ系淘宝網(Taobao)、さらにはテンセントのQQなど「BAT」が中国ネット業界を牛耳るようになるとともに、「ポータルサイト」が時代遅れになるにつれ、網易の存在感も日増しに薄れていきました。もはや忘却の彼方へ葬り去られた感のあった「網易」ですが、久しぶりに再登場したのが越境EC。なおかつ、ネット通販の両雄である天猫と京東を凌ぐ勢いがあるとのこと。
市場調査コンサルのiiMedia Research(艾媒諮詢)が公表した「2016-17中国越境EC市場研究報告」によると、16年の越境EC輸入小売業の売上シェアにおいて、網易考拉が全体の21.6%を占めトップに。(天猫国際と唯品国際が、それぞれ18.5%と16.3%で続く)また、ユーザー満足度とスマホ海外通販ユーザーの正規品保証信頼度でも第1位に選ばれたそうです。
同じくiiMedia Researchの「2017上半期中国EC全体ランキング」でも、網易考拉は、業績、ユーザー体験、満足度、メディア影響力等の各方面で、傑出した評価を獲得、「中国越境EC総合競争力ランキング」で第一位に選ばれています。
このように突如としてまた““復活”を遂げた網易の越境EC部門。その復活を実現せしめた戦略や秘訣、方法は何だったのでしょうか。彼らの斬新的な商品調達から価格設定、プロモーション、配送網に至る創意工夫について、調査・分析しました。
次に、業界研究で中国スマートフォン(スマホ)端末市場をピックアップしました。15年以降、急成長を続ける中国国産スマホメーカー。小米(シャオミ)を皮切りに、華為(ファーウェイ)、OPPO、vivoなどが頭角を現し、世界のスマホ市場を圧倒的にリードしていたアップルとサムスンを脅かす存在になりました。
実際にアイフォーンの中国での販売台数は6四半期連続で減少、サムスンは更に低迷。調査会社Canalysの報告によると、17年第2四半期の中国スマホ出荷台数は1.13億台。そのうち、華為が2300万台で最も多く、OPPOが2100万台で第2位、vivoが1600万台で第3位、小米が1500万台で第4位だったとのこと。アイフォーンの中国での市場シェアはすでに第5位にまで後退。国内スマホ市場での中国国産ブランドのシェアは87%にまで高まっているそうです。
そうした中、16年以降、特に「OPPO」の躍進が際立っています。OPPOはここ2年間、中国のほとんど全ての人気テレビ番組にスポンサーとして名を連ね、駅やバス停、空港なども同社の広告で溢れるほどです。
2001年設立の同社が、携帯電話端末に参入したのは08年。スマホ販売台数は12年の890万台から、13年1300万台、14年3000万台、15年5000万台、そして16年に7840万台と着実に成長。16年第3四半期に中国スマホ市場の出荷台数で初のトップに。17年第2四半期の全世界での売上も第4位に入るなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しています。
競争が熾烈な中国スマホ端末市場で、OPPOがいかに生き馬の目を抜く成長を遂げたのか。その原動力について、ターゲット都市や客層の選定、製品、販売(代理店)網、プロモーションなどを含むマーケティング戦略について洞察しました。
今号では業界研究として、中国オンライン旅行市場も取り上げました。中国経済の発展に伴う国民の可処分所得上昇により、高まり続ける旅行ニーズ。16年の中国国内旅行者数は、前年比11%増で44.4億人に。また海外旅行に出かける人の数も、前年比4.3%増の1.22億人に達したもよう。海外旅行による消費も5.1%伸び、1098億米ドルとなりました。
そうした中、最も成長に勢いがあるのがオンライン旅行市場です。旅行や航空券、ホテルの予約から、春節や国慶節など大型連休の移動の手配に至るまで、スマホの旅行アプリを利用するユーザー数は着実に増加中。IT及びネット分野の研究機関である速途研究院の統計によると、16年の中国オンライン旅行取引の規模は6342.5億元に達し、前年比37%の成長を記録したそうです。
スマホを介したビジネスが活況を見せる中国。その先達として、早くから普及が進み成熟した感すら帯びるオンライン旅行市場。その実態と今後の動向について、統計データをもとに解説しています。
中国コンビニ最前線レポートは、中国チェーン経営協会と米系ボストンコンサルティングが共同で17年5月に公表した「2017中国コンビニエンスストア発展報告」について。
15年に9万1000店だった中国のコンビニ店舗数は、16年に前年比9%増の9万8000店に拡大。また業界全体の売上も、15年の1181億元から13%増の1334億元を記録。チェーン経営のコンビニブランド数は260超。そのうち、メジャーとされるブランドが62を数え、それら主要ブランドの店舗数は合計で8万5748店を数えているようです。
日系では、全家(ファミリーマート)が1810店で第7位。セブン-イレブンが1371店で第11位、羅森(ローソン)が1003店で第14位とトップ20にそれぞれランクイン。特に注目すべきは、いずれも店舗数の伸びがそれぞれ20.6%、242.8%、79.5%と他チェーン店と比べて突出している点。中国でのコンビニ展開を積極化している日系3社ですが、この成長市場を虎視眈々と狙っている地場系ブランドの存在も侮れません。
そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。
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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.48(2017年10月号) もくじ
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【巻頭特集】
『網易考拉海購(Kaola.com)が中国越境ECのトップに』
「正規品・低価格・サービス・斬新さ」で人気爆発
【業界研究】中国スマホ端末市場
『チャネルの優位性と強気のマーケティングでOPPOが市場を牽引』
中国国産スマホが大躍進、アップル・サムスンは時代遅れ?
【業界研究】中国オンライン旅行市場
『レジャーと農村旅行者がブルーオーションに』
急成長を遂げる中国のオンライン旅行市場
【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『市場が拡大する中で日系3社の店舗数が突出した伸長率示す』
「2017中国コンビニエンスストア発展報告」公表
【都市別調査】
高まる健康志向 〜その①
『「天然」「健康」トレンド 関連産業の成長にも波及』
※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
第116回「小米、リアルの総合家電で反撃」(2017年11月17日付)
日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
第116回は「小米、リアルの総合家電で反撃」(2017年11月17日付)。中国国産スマートフォン(スマホ)メーカーの代表的存在だった「小米(シャオミ)」。中国スマホ出荷台数で一時トップに上り詰めたが、最近では他の国産メーカーのOPPOやvivo、華為(ファーウェイ)の後じんを拝している。
アップルのiPhoneによく似たデザインで高性能ながら値段が半額以下というのが売りだったが、他社もほぼ同レベルの機種を続々とリリース。そうした優位性が生かせなくなったのも失速の原因の一つだろう。
このまま一時のブームで消えるのかと思っていた矢先、たまたま訪れたモールで目にしたのが「小米之家」。シャオミの体験型専門店だ。店内の中央スペースには中型から大型画面タイプの各種スマホが展示され、多くの客が手にとって試している。すぐそばでシャオミのシャツを着たスタッフが丁寧に説明している姿は、まさにアップルストアと“ウリふたつ”。しかし、その周りで驚きの光景が広がっていた…。
次回の掲載は2017年12月1日を予定しています。
※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
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3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。
「Shanghai spots get hot thanks to word-of-mouth advertising(SNS人気店の秘訣)」
https://asia.nikkei.com/Business/Trends/Shanghai-spots-get-hot-thanks-to-word-of-mouth-advertising
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