中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!

【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第347号】 ~「口碑」と「餓了麼」が統合~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティングEC会員コース
http://www.cast-marketing.com/

===============================
2018年12月5日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第347号】
===============================

 こんにちは。キャストの大亀です。

 気付いたらもう師走。2018年も残すところ、あと1ヶ月未満となりました。日本では忘年会など、年末に向けてソワソワしだす頃でしょうか。中国の年明けはあくまでも春節(旧正月)なので、12月もクリスマスツリーなどの飾り付けがあるだけで、通常通りの時が流れています。

 一方で、今年は特におかしな感覚を覚えます。それは一向に寒くならないこと。先週末は最高気温が20℃を超え、薄手のジャケットで外を歩くと汗ばむほど。本日から冷え込みがようやく本格化するようですが、今年の冬は、まだダウンコートの出番が来ていません。

 フェイスブックでは過去のこの時期に投稿した写真が表示されますが、確かに昨年はしっかりとダウンコートを着て、寒そうな格好。その中に昨年のサンクスギビングデー(感謝祭)のホームパーティの写真もありました。

 感謝祭といえば、その後に続く「ブラックフライデー」。中国では金曜日の「周五」をもじって「黒五」と称され、主に越境ECの一大セール日となっています。昨年は大々的に盛り上がっていたのですが、今年は「あ、そういえば」と後になって気づく程度。独身の日の「双11」セールが終わったばかりで、とてもそれどころではないといった感じでしょうか。

 今週のコラムは双12セールとアリババの新たな試みについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第347号をお送りいたします。

◆◇競合他社のベンチマーク調査のご案内◇◆
================================================================
最近弊社では競合社のベンチマーク調査の依頼が増えております。中国での更なる業務拡大を行ううえで、競合他社の組織や運営体制、戦略、KPIなどを調査・分析しています。
<<お気軽にお問い合わせください!!>> http://www.cast-marketing.com/inquiry/
================================================================

【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第347回)
     ~「口碑」と「餓了麼」が統合~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年10月号(vol.58)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
コラム
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第347回)
 ~「口碑」と「餓了麼」が統合~

 あっという間に2018年も12月となりました。中国では日本ほど“師走”感はないのですが、それでも街中やレストランなどでクリスマスツリーなどを目にすると、もうすぐ年の瀬だと感じます。

 今年の11月はどこか慌ただしかった気がします。特に上海は輸入国際博覧会が開催されたこともあるでしょう。また、もちろん11日(独身の日)のアリババ・天猫「双11」セールもあり、その後の荷物がひっきりなしに届くからか、とにかくバタバタと1ヶ月が過ぎました。

 本来であれば、これにさらに「黒五(ブラックフライデー)」の越境ECセールもあったはず。今年は暦の関係で23日となり、双11とあまりに近すぎたせいか、ほとんど盛り上がることなく過ぎ去ってしまいました。

 最近、エレベーターやスマートフォン(スマホ)でよく目にするのが「1212」。12月12日の「双12」イベントの広告です。まだ熱気冷めやらぬ状況下で「またセール?」といった感じですが、こちらはどちらかというとオフライン、つまり実店舗をメインとしたセールとなっています。

 双12が始まった当初は、双11で売れ残った在庫を処分するためといったイメージがありましたが、その後、アリババは見事に“イメチェン”に成功。その主役となったのが「口碑(コウベイ)」という「食べログ」のようなクチコミアプリです。

 中国では「大衆点評」が圧倒的なシェアを占めていたクチコミ市場。そこに割って入るべく、15年6月に口碑をスタート。口碑は初耳の人も多いかもしれませんが、お使いのスマホ決済「支付宝(アリペイ)」を開くとその中に組み込まれています。つまり、「支付宝=口碑」の会員に自動的になっているのです。

 この口碑。今年10月に同じくアリババ傘下となったネット出前(フードデリバリー)の「餓了麼」と統合し、「阿里本地生活服務公司」という新会社を設立したとのこと。客を店に誘導する「口碑」と、店から食事を客の元に届ける「餓了麼」の合体。つまり各地の「生活サービス」をワンストップで提供する会社の誕生というわけです。

 双12イベントを目前に控え、彼らはこの合併を通して何を仕掛けようとしているのか。詳細はまた次週のメルマガで紹介することにしましょう。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

★Facebookのアカウントをお持ちでしたら、ぜひ「いいね!」をお願いします
================================================================
キャスト中国マーケティング・ECサイトの公式Facebookページ
■□■大亀浩介の『チャイナ・マーケット・インサイト』■□■
http://www.facebook.com/chinamarketinsight/
<<中国各地の素顔を、写真とミニレポートでリアルタイムにお伝えします>>
================================================================

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
新着コンテンツ一覧
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

※下記コンテンツの全文を閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要です(一部お試し閲覧除外記事あり)。「フル/法令/Q&A会員」のログインIDとパスワードではログインできません。(お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/)

◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (2)
 ~「網易厳選」がノンブランドブームの火付け役に

 中国ビッグデータサービスの極光大数据の統計によると、17年10月末時点で、厳選型ECサイトの浸透率はすでに0.58%に達し、ユーザー数は前年比169.7%増の600万人近くに到達。なかでも人気が高いのは中国ネット大手の網易(ネットイース)が運営する「網易厳選」で、その浸透率は0.29%、1日の新規ユーザー数は1.3万人を超えるという......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2521

◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (1)
 ~「網易厳選」が生んだ中国ECの新潮流

 中国の電子商取引(EC)業界に、「ノンブランド(ノーブランド)」ブームが起こっている。 「網易厳選」に代表される厳選のセレクト商品を扱うECショップが高い売上を記録。 「必要」、「小米有品」、「淘宝心選」、「京東京選」など、EC業界大手が運営する類似のサイトも続々登場。 その勢いたるや、淘宝網(タオバオ)と天猫(Tモール)を擁するアリババと京東(JDドットコム)がほぼ牛耳る中国EC市場において、 “ニュートレンド(新潮流)”と言っても過言ではない......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2520

◆大手が続々と参入、中国スマートスピーカー業界 (9)
 ~18年に入り、さらに活況の中国スマートスピーカー市場

 2018 年に入り、中国のスマートスピーカー市場は、より活況を呈している。18年3月、小米(シャオミ)が「小愛 mini」を発売。当初価格は169元に設定されていたが、その後99元に調整され、低価格が実現した。同年 3月、百度(バイドゥ)と小魚在家が共同で、スクリーン搭載型のスマートスピーカーを599 元で発売。4月には、騰訊(テンセント)が「騰訊聴聴」(699 元)を発売......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2519

◆大手が続々と参入、中国スマートスピーカー業界 (8)
 ~アリババ、開発段階で関与するが生産は各社に委託

 アリババもIoT領域に進出して久しい。アリババグループ傘下で、クラウドサービスを手掛ける阿里雲(アリババクラウド)。企業価値100億米ドル超の「スーパーユニコーン」企業でもある。アリババの「達摩院人工智能実験室(DAMOアカデミー)」が開発したスマートスピーカー「天猫精霊」は、18年7月5日時点での累計販売台数は500万を突破。 これは中国でトップ、世界でも第3位の実績で、すでに4500万台の各種家電・IT機器との接続を実現している......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2518

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
お知らせ
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年10月号(vol.58)発行

 会報誌2018年10月号(vol.58)は、急成長する中国コーヒー市場にスポットライトを当てました。

 上海に初めて移り住み始めた2004年ごろには、まだ市内にも数えるくらいしかなかったカフェ。「中国は茶文化の世界だからコーヒーなんて…」と言われていた当時から10数年経った今、まさかここまで中国全土にカフェが広がり、かつ中国の人たちが日頃からコーヒーを楽しむようになるとは想像できませんでした。

 グルメ生活関連クチコミアプリの「美団点評」研究院が公表した飲料業界の報告によると、16年に中国のカフェ数は10万店を突破したとのこと。そのうち、店舗数で中国カフェチェーンのトップに君臨するのが、米スターバックスコーヒーです。1999年に北京で第一号店をオープンして以来、19年間で中国141都市、3300店近くを運営しています。

 市場シェアでも、ユーロモニターと中商産業研究所が共同で発表した「2017年中国カフェチェーン市場シェアランキング」で、スターバックスが51%と堂々のトップ。2位以下の台湾系上島珈琲(12.8%)、マックカフェ(6.2%)、英コスタコーヒー(5.7%)を圧倒しています。

 スターバックスは2018年5月に中国で開催された投資者向け会議で、今後5年間に中国で毎年600店以上をオープン。22年末までに店舗数を230都市6000店にまで増やすと宣言。もはや「向かうところ敵なし」の様相で、トップの座を盤石にする計画を華々しく発表したかと思った矢先、同年第2四半期の財務報告で、中国及びアジア太平洋地区のオペレーション利益が7.6%減、同一店舗の業績も前年比平均2%程度減だったとのこと。中国進出以来19年間で初の利益減となりました。

 この利益減の背景として、景気減速による消費者の節約志向や他チェーン店との競争激化、コンビニコーヒーの普及など挙げられますが、一番の原因は「新小売(新しい小売)」カフェの台頭でしょう。

 新小売とは、16年にアリババ会長のジャック・マー(馬雲)氏が提唱。ネットとリアルの垣根をなくし、ビッグデータと物流を高度に融合させるオムニチャネル概念のことですが、まさにこのコンセプトを体現させた新しいタイプのカフェチェーンが、今、怒涛の勢いで一気に勢力を拡大しています。

 スマートフォン(スマホ)のアプリから注文、決済を終えると、後は配送されるのを待つのみという至ってシンプルなモデル。もちろんお店に行ってピックアップすることも可能なのですが、そこでゆっくりと友達や同僚とおしゃべりしながらコーヒーを楽しむための席はほとんど用意されていません。つまり、近年中国で普及する「餓了麼」や「美団外売」などネット出前(フードデリバリー)に特化したカフェ形態が、今やスターバックスを脅かす存在にまでなっているのです。

 その代表格が「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee・瑞幸咖啡)」。2018年1月にテスト営業を開始、その後5月8日に正式オープン。現在、北京、上海、広州、西安、青島など全国21都市に1400店あまりを展開、瞬く間に中国国内第2位のカフェチェーンに成長しました。

 エレベーターやチャットアプリの微信(ウィーチャット)内で大量の広告を流し、一気に知名度をアップ。一杯目無料のキャンペーンで、まずはお試しをさせながら、その後ひっきりなしに割引のクーポンがショートメッセージに届きます。「2杯買えば、もう1杯無料」、「5杯買えば、もう5杯無料」など同僚を集めて買うといったニーズも見事に掘り起こしています。

 厳選したコーヒー豆のほか、WBC(世界バリスタ選手権)の優勝者を監修役として招聘。コーヒーマシンやミルクなども欧米のトップブランドを採用するなど、昨今のより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドも強く意識。さらにはアプリ上で、コーヒーの制作過程や調理場の衛生状況をボタン一つで「ライブ中継」させるほどの徹底ぶり。

 合理的な価格、コストパフォーマンス、スターバックスにも劣らぬ品質で、多くの消費者層の心を掴むことに成功したラッキンコーヒー。同社の統計によると、オープンから3ヶ月以上を経た店舗でのリピート率は80%超とのことで、まさにスターバックスも「寝耳に水」状態だったでしょう。

 そうした中、スターバックスは18年8月にアリババとの戦略提携を発表。アリババ傘下のネット出前プラットフォーム「餓了麽」を活用したネット出前サービス「専星送」をスタート。世界初の試みとなったスターバックスのネット出前サービスは、同年9月に北京と上海の主要エリアからスタート。その後、広州、深圳、成都、杭州、天津、南京、武漢、寧波、蘇州の9都市にも進出済み。18年末には、全国30都市2000店以上で、ネット出前サービスの提供を実現させる予定とのこと。

 スターバックスのほか、コスタ、マックカフェ、香港系パシフィックコーヒー(太平洋珈琲)など大手カフェチェーンも続々と、この「ネット出前」市場に参入。新興のネット出前専門カフェチェーンも多く誕生し、まさに「群雄割拠」の時代を迎えようとしています。

 サードウェーブコーヒーブームを牽引している米ブルーボトルコーヒーも、中国はまだ未進出ながら、微信(ウィーチャット)の朋友圏(モーメンツ)では、日本やアメリカで同店を訪れた消費者が写真を多数アップしており、知名度はうなぎのぼり。上海に進出した米ピーツコーヒー(Peet’s Coffee)や最近人気の上海発高級コーヒーブランド「Seesaw」など個性的なカフェも、SNS(社交サイト)上で高い人気を誇っています。

 このように、今後もさらなる急成長が見込める中国コーヒー市場について、巻頭特集で市場全般を、トレンドウォッチではコーヒー出前(デリバリー)市場を、そして企業研究でラッキンコーヒーをそれぞれ取り上げました。18年8月に上海に初上陸した我が日本のドトールコーヒーですが、果たして勝機はいかに。同社はじめ、日本の飲食業全般にとって参考となるよう、調査・分析しました。

 このほかに、都市研究として中国主要都市の「商業魅力ランキング」を紹介。中国で特定の都市を話題にする際、その経済発展力や位置づけを「級」によりランク付けします。例えば上海は一線級都市であり、福建省の厦門(アモイ)は二線級都市のようにです。

 実は、この級によるランク付けは正式な基準があるわけではありません。一線級都市の北京、上海、広州、深センは揺るぎないのですが、それ以降の二線級、三線級、四線級となると、どんな基準が適用されているのか曖昧です。

 そうした中、2013年から中国経済専門メディア大手の第一財経の新一線都市研究所が公表している「中国都市商業魅力ランキング」は、最も権威あるランク付けの基準として注目に値します。よって、今号ではこの最新のランキングについて詳しく説明しています。

 特に注目なのが、二線級の中でも特に際立った実力を兼ね備え、一線級にもほぼ匹敵するほどの魅力を持つ「新一線級」の15都市について。今回はトップから成都、杭州、重慶、武漢、蘇州、西安、天津、南京、鄭州、長沙、瀋陽、青島、寧波、東莞、そして無錫の順。大連が21位で新一線級都市リストから外れるなど、中国の都市像もこれまでとは違った見方をする必要がありそうです。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2018年10月号(vol.58)  もくじ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

【巻頭特集】
『地方都市まで広がる中国コーヒー市場』
 ネット出前コーヒー店がスタバの脅威に

【トレンドウォッチ】
『中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪』
 コーヒーにもネット出前旋風?

【企業研究】
『驚異的スピードで店舗網を拡大「ラッキンコーヒー」』
 18年中国消費シーンの新星現る

【都市研究】
『“新一線級”トップは消費の都「成都」』
 中国都市商業魅力ランキング発表

【都市別調査】
茶館と網紅のマジック ~その③
『シルバーライフと若者消費に手がかり』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

────────────────────────────
【中国マーケティング・EC会員コース クイックリンク】
────────────────────────────
■サービス詳細 >> http://www.cast-marketing.com/service/
■お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/
■お問い合わせ >> http://www.cast-marketing.com/inquiry/

pageTop