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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第371号】~中国でスマホカーナビが人気のワケ~

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2019年6月5日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第371号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 「なるようになる」という言葉。皆さんもよく使っていると思います。特に中国など海外でビジネスをしていると、日本とは異なる環境や商習慣でどうしようもできない場面に何度も出くわすことでしょう。

 先日クライアントとの会食時にこの話になり、私はどちらかというと「なるようにしかならない」を使うほうが多いと。そこで指摘されたのが、「なるようになる」と比べて、他力本願で若干あきらめの気持ちが入っていないか。まだ頑張ってなんとかしようという気持ちをもっと持つべきではと。

 確かに改めて見直すと、「なるようにしかならない」からあまりくよくよ考えるのはよそうと投げやりな印象もあります。ほんのちょっとした表現の違いで、ここまで与える印象に違いが出るのかと改めて実感しました。

 ちなみに中国語で「なるようになる」は「順其自然」とよく耳にします。日本語だと「ケセラセラ」の意味ですが、それよりは「船到橋頭自然直(船が橋に近づけば自ずとまっすぐに進む)」ということわざのほうがより相応しいようです。いつか部下から報告を受けた際に使ってみてはいかがでしょう?

 今週のコラムは中国カーナビ事情についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第371号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第371回)
     ~中国でスマホカーナビが人気のワケ~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年4月号(vol.63)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第371回)
 ~中国でスマホカーナビが人気のワケ~

 中国では、いわゆる「車載カーナビ」が全くと言っていいほど普及しませんでした。以前から高級車を中心に標準装備されていながらも、です。私が運転免許証を取得した2009年頃は、カーナビなしが当たり前。何年前に発行(更新)されたかもわからない古い地図とにらめっこしながら悪戦苦闘でした。

 目的地までのルートを携帯電話の音声とショートメッセージで送ってくれる通信会社のサービスもありましたが、地方都市では高速道路から下りると決まって出口周辺に「帯路」(※道案内)という看板を持った地元民がオートバイで待ち構えていました。

 そうした中、スマートフォン(スマホ)の地図(カーナビ)アプリを使いはじめたのが2013年頃。地図アプリ2強の百度(バイドゥ)系「百度地図」が13年に、アリババ系「高徳地図」が14年にそれぞれ運営を開始。ちょうど中国で3G通信網が普及しはじめた頃でもあります。

 当初は安徽省の省都・合肥など地方都市で運転していた際に、不安定な通信環境により、肝心の車線変更時にフリーズして通り過ぎてしまうといった苦い経験もありますが、中国では今やほとんど全てのドライバーがスマホの地図アプリを利用していると言っても過言ではないでしょう。

 なぜスマホのカーナビアプリだったのか。その理由として、当時、中国全土到るところで新しい道路が続々と誕生(変更)し、常に最新の情報へのアップデートが必要だったことが挙げられます。高速道路も四方八方に延び、主要都市の市中心部は地下鉄工事などによる通行止めが日常茶飯事です。このほか、通勤ピーク時の渋滞が著しい大都市などで、通信網に常時接続されたスマホならではのリアルタイム通知と回避ルートの提示が重宝されたこともあり、スマホ版のカーナビが多くのドライバーの心を鷲掴みにしました。

 今や上海でも、タクシーのベテラン運転手でさえ、乗車すると「導航(ナビ)でOKか」と聞かれるほど。渋滞回避だけでなく、遠回りして不当請求だとのクレーム防止も目的としているのでしょう。私自身も行き先へのルートは完全に頭に入っていても、渋滞などの情報を得るために毎回地図アプリを利用。こうして多くの交通情報やデータが百度とアリババに収集・蓄積されているのです。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆2018年中国消費トレンド番付 (9)
 ~出不精?引きこもり?アプリから家電や食品にまで

 中国では、経済発展に伴い生活リズムが慌ただしくなり、人々は仕事や通勤、社交に多くの時間を費やすようになっている。残されたわずかな余暇を、生活必需品の購入や家事に費やしたくないと考え、自由と余裕を渇望している。ここから生まれたのが「ナマケモノ経済」というトレンドだ。ネット通販、ネット出前、そしてスマホのアプリを介したO2Oの訪問型サービスなどの普及は、この「ナマケモノ経済」の成長に一役買っている......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (8)
 ~18年中国消費の“顔”に 出前専用ラッキンコーヒー

 2018年は、ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)が一線・二線級都市のホワイトカラー層の仕事・生活環境で、絶大なる存在感を示した一年だった。大量のエレベーター広告、長期に及ぶディスカウントクーポン配布に加え、毎月300店という驚愕的な出店ペースにより、瞬く間にターゲット客と市場を包囲した......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (7)
 ~大手各社AIスピーカーに着目 米国に次ぐ世界2位に急成長

 2017年下半期以降、天猫(アリババ)、小米(シャオミ)、騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)、聯想(レノボ)などネット・IT大手各社が相次いで参入。AIスピーカー市場の成長を大きく後押しした。世界の五大市場調査企業の一つであるGfKの統計によると、15年の中国のAIスピーカーの販売台数は1万台に過ぎなかった。続く16年も6万台に留まっていたが、17年には165万台と激増...... 

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◆2018年中国消費トレンド番付 (6)
 ~格安品グループ販売の拼多多 地方や農村ユーザーを虜に

 グループ購入アプリ「拼多多(ピンドウドウ)」は、地方都市や農村市場を主戦場としている。設立は2015年。わずか3年という短い期間で、年アクティブユーザー数3.8億人超、年間売上3000億元に成長。アリババと京東(JDドットコム)の中国ネット通販2強に次ぐ、第三のECプラットフォームに躍り出た......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年4月号(vol.63)発行

 会報誌2019年4月号(vol.63)では、巻頭特集に経済成長著しい中国内陸都市の貴州省・貴陽を取り上げました。昨年40周年を迎えた改革開放政策による経済急成長からは取り残され、長らく「最も貧しい省」とされてきた貴州省。

 その省都である貴陽が、2013年から6年連続、省都の成長率ランキングでトップに君臨。貴陽の18年のGDPは3798億元で、前年比9.9%増。貴州省も、18年のGDPは1万4806億元で、前年比9.1%成長。中国全土で経済成長率の最も高い省となりました。

 フォーブス中国が公表した「2018中国大陸の最良商業都市ランキング」においても、貴陽は全国で第27位にランクイン。17年比で38位もランクを上げ、西南地区では重慶、成都、西安に次ぐ第4位となっています。アメリカのシンクタンク「ミルケン研究所」が公表した「2018中国優秀都市ランキング」でも貴陽は深圳、重慶、天津、鄭州に次ぐ第5位。3年連続のランクインとなりました。

 こうした急成長を可能にしている背景は何なのでしょう。内陸経済を発展させるという中央政府の「西部大開発」などの政策もあるでしょうし、経済発展が一段落した沿岸部の都市から新たなフロンティアとして投資が集中しているとも言えるでしょう。もちろんこのようなマクロ的環境が作用しているのは否定できませんが、それ以上に実は明確な戦略で以って、貴州省の経済発展が図られているのです。

 つまり、貴州省の強み(メリット)を最大限活かしながら、弱み(デメリット)をなるべく軽減するよう各種施策を採用。つまり明確なSWOT分析による経済発展が試みられていたわけですが、それが「観光」と「ビッグデータ」産業の振興でした。

 標高1000メートルの高地にある貴陽。夏の平均気温が22.4度と涼しく、中国内では避暑地として有名で、4年連続で中国の「最優秀避暑観光都市」に選ばれたほか、18年には世界避暑地ランキングでも9位にランクイン。アジア最大級の「黄果樹瀑布」など世界自然遺産も多く、風光明媚な数々のスポットを「観光地化」していきました。

 一方、夏にはクーラーが不要な気候条件に目をつけ、膨大な数のサーバーを動かすのに電気代が必要とされるビッグデータ産業の中心地とします。アップルやアリババをはじめ、国内外の主要IT及びネット各社がデーターセンターをこぞって設置。18年には、貴陽のビッグデータ企業数は5000社を超え、主要営業収入は前年比22.4%増の1000億元を突破しました。

 一方で、貴州省の発展の大きな障害になっていたのが“陸の孤島”、つまり省全体の面積の9割以上が山岳地帯という悪条件です。これに対して、中央政府は高速道路だけでなく、高速鉄道(新幹線)や空港も整備。「一帯一路」の重要な交通ハブとして、インフラ整備に着手しています。

 このようにいよいよ経済発展の飛躍を始めた貴陽に、「ヒト・モノ・カネ」が集まっている中、現地の消費現場にも大きな動きが現れています。地下鉄も開通、これまで他都市で蓄積してきた都市開発の経験とノウハウが凝縮されているような新都市、商圏、商業施設が各地で誕生。新旧の商圏から強力な地場系商業集団(グループ)、コンビニやオムニチャネル概念「新小売」の取り組みなどについて、現地視察を踏まえてまとめています。

 次にトレンドウォッチとして、中国電子商取引(EC)大手の物流の発展状況と動向についてです。中国の「物流テクノロジー発展元年」とも言われる2018年。業界内外から「スマート物流」が幅広く注目を集めました。

 スマート物流システムは物流全体のコントロールセンター(※中国では「物流大脳」と称される)、情報伝達システム、実地作業に分けられます。現在、物流大脳はデジタル化の発展段階にあり、プログラム制御化とスマート化が進行中。情報伝達システムは「インターネット+(プラス)」の段階にあり、IoT(モノのインターネット)やサイバーフィジカルシステム(CPS)の方向に進化。

 実地作業面では自動化とロボット化が進み、現在はフレキシブルオートメーション技術や無人設備、スマートハードウェアシステムの導入が進んでいます。(※フレキシブルオートメーション技術は、AI(人工知能)テクノロジーを利用し、大量のロボットに倉庫内で共同作業をさせ、部署化、拡大、効率化を図る全方位型倉庫自動化ソリューションのこと。)

 こうしたスマート物流の応用を発展させる上で、大きな役割を担っているのが中国ECです。EC大手各社はここ数年、物流部門への投資を増やし続けている中、特にアリババ、京東(JDドットコム)、蘇寧(スニン)、唯品会の4社をピックアップし、各社のスマート物流の発展状況と今後の動向について調査・分析しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年4月号(vol.63)  もくじ
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【巻頭特集】
『二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」』
 “最貧の省都”が中国ビッグデータ基地へ華麗なる転身

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『急速成長の貴州省で地場系と全国系が最新技術を用い激突』
 貴州省の省都・貴陽のコンビニ事情

【トレンドウォッチ】
『スマート物流の発展を牽引する中国eコマース』
 EC大手4社のスマート物流発展状況

【都市別調査】
下剋上の方程式〜フィナーレ
『自社所有という戦い方 持たざるものの戦い方』

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