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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第372号】~中国ネットスーパーは戦国時代~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2019年6月12日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第372号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 大連から上海の自宅に「生うに」が届きました。発泡スチロールの箱で、中には保冷パック2個で挟まれています。日本のように木箱ではなく、専用の白いプラスチック容器にパックされています。

 これ、実はアリババ系生鮮スーパー「盒馬鮮生」からで、予約販売のみの受付。80グラム定価99元ですが、初売りのプロモーションで89元(約1500円)でした。早朝に加工して冷蔵のまま空輸便で届いたもので、今が旬のバフンウニです。

 夏になると、わざわざこのバフンウニを食べに何とか大連出張を企てるほどの大好物。潮の香りがまだ残る新鮮さで、濃厚かつトロッとした食感とほのかに甘い味わいが、大連で食べる殻付きのウニとほとんど変わりありませんでした。

 ウニのほかにロシア産キャビアやカナダ産ボタン海老も予約販売されています。日本からは金目鯛がありましたが、なんと一匹1キロ程度で569元(約1万円)。さすがにこれは無理と思って日本のサイトを見ると、確かにほぼ同じ値段で販売されています。一方、ウニは日本で5~6000円くらい。本当に“盒馬様様”です。

 今週のコラムは盒馬の牙城を切り崩すネットスーパーの新たな刺客についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第371号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第372回)
     ~中国ネットスーパーは戦国時代~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第372回)
 ~中国ネットスーパーは戦国時代~

 会報誌5月号では、新たな動きが顕在化している中国ネットスーパー業界を取り上げました。店舗を倉庫としても併用する斬新なモデルで颯爽と登場し、一気に市場を席巻したアリババ系生鮮スーパーの「盒馬鮮生」。ネットスーパーとグローサラント(グローサリーとレストランを合わせた造語)を同時に実現した盒馬が、上海を中心に中国各地で買い物の手段として定着するのにそれほど長い時間は必要ありませんでした。

 かくいう我が家も盒馬のロイヤルカスタマーの一人で、ほぼ毎日野菜や果物から肉類や海鮮、さらにはビールや飲料水まで、ほとんど必要なモノをスマホから注文し、届けてもらっています。実際に盒馬の売上全体のうち6割がスマホからの注文だそうで、上海市の新米販売の実に68%が盒馬によるものというデータもあるほどです。

 バックにはアリババがついているし、もはや向かうところ敵なしと思っていたところ、今年に入って自宅マンションのエレベーター広告で頻繁に目にするようになったのが「叮咚買菜」というアプリ。注文した野菜を盒馬よりも1分速い「29分」で届けるとのことです。

 中国ではスーパーだけでなく、いわゆる昔ながらの市場(いちば)で日々の食材などを買い物する消費者が一定数存在します。これまでもネット出前アプリの「餓了么」などがそうした市場と提携して届けてくれるサービスがありましたが、当初はそれをもう少し組織だってやっているのかくらいのイメージでした。

 実際に試しに注文したところ、意外と新鮮な野菜がちゃんとパックに入っており、さらに「叮咚」のロゴ付き。単に市場からピックアップしたものではないのが明らかで、なおかつ宅配時間が確かに速い。ちょうど盒馬の宅配が遅くなっていた頃だったので、その速さが際立ちました。

 つい気になったので色々と調べたところ、どうも盒馬とは似ても似つかぬ新しいビジネスモデルに基づくネットスーパーになっているようです。盒馬の実情を綿密に研究・分析し、その上である部分に特化して一気に店舗網と勢力を拡大する。最近では盒馬も後追いで参入するなど、まさに“戦国時代”とも言える中国ネットスーパーの現在(いま)について調査・分析しました。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆2018年中国消費トレンド番付 (13)
 ~中古車市場が堅調に拡大 大手アプリの広告合戦が過熱

 販売台数の伸びが鈍化する一方、保有台数は堅調に拡大している中国自動車市場。その背景には、中古車市場の大きな発展が挙げられる。2017年、中国全土で取引された中古車の台数は1240.09万台で、前年比19.33%増加した。18年1~10月期は1132.9万台で、前年比13%増と好調を維持。中古車市場は、16年に1千万の大台に乗って以降、連続3年間記録を更新し続けている...... 

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◆2018年中国消費トレンド番付 (12)
 ~中国もペットの家族化が浸透 ヒト同等の周辺サービス充実

 2017年に、中国でペットを飼う世帯数は5912万に達した。ペットを飼う人の数は年々増え続け、ペットの“地位”も上昇中だ。ペットの「家族化」が進み、実際の子供と同様の扱いを受けるペットも当たり前になりつつある。ペットの社会的地位の上昇は、現代人の精神的ニーズの変化の現れともいえる......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (11)
 ~eスポーツ人気も規模も急拡大 大手各社も宣伝効果に注目

 インターネットの普及とともにゲーム産業が著しく発展した中国で、ゲーム対戦競技の「eスポーツ」が若者を中心にファン層を拡大している。なかでも、2018年8月にインドネシアのジャカルタで開催されたアジア大会で、eスポーツが初めてデモンストレーション競技に加えられ、中国は金メダル2つと銀メダル1つを獲得。18年には「英雄聯盟(リーグ・オブ・レジェンド)」の世界トップトーナメントである「S8」の決勝で、中国のIG(Invictus Gaming)チームが優勝した......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (10)
 ~中国で独身者が急増 家電や飲食店にも波及

 米戦略系コンサル大手のボストンコンサルティング(BCG)とアリババが共同で発表した「2017 中国消費トレンド報告」によると、中国の社会は今、有史以来最大の「おひとり様」ブームを迎えているという。現在、中国の独身人口はすでに2億人近くに達し、誰も待っていない家に帰る「空巣青年」など一人暮らし人口は10年前の6%から16%に増加。35歳以上の独身人口は10年前の4倍以上で、全体の21%に達している......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行

 会報誌2019年5月号(vol.64)では、巻頭特集にネットスーパーの新業態である生鮮EC(電子商取引)アプリ「叮咚買菜」と「美団買菜」を取り上げました。アリババ傘下の「新小売」スーパー「盒馬鮮生」(以下、盒馬)の登場以来、日常の買物はネットスーパーを利用するのが“当たり前”になった上海での生活。実際に盒馬のネット(アプリ)経由の注文が、売上全体の6割を占めるほど、ネットスーパーが人々のライフスタイルに定着しています。

 いつでもどこでも欲しい時に欲しいモノを注文できる。ネットスーパーは多くの人々から支持され、ブームと言っても過言ではない状況を呈している中、近頃、上海では「叮咚買菜」(以下、叮咚)という生鮮ECアプリが話題を呼んでいます。

 上海の自宅マンションのエレベーターで何度も目にする叮咚の広告。「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内に配送、ネギ1本でもOK」というキャッチフレーズが、強烈な印象を与えています。これまで盒馬の熱烈なファンで、ロイヤルカスターの一人だった私も、この広告を見て興味をそそられ、野菜を注文してみることにしました。

 配達された野菜は盒馬よりも鮮度が良いくらいで、値段も安い。配送にかかった時間も宣伝通り30分以内で、盒馬よりさらに早い印象でした。伝統的な市場(いちば)で買い物した際のように、無料でネギなどがついてくるのも、人情味が感じられて面白い…。

 海鮮や高級ステーキ肉などハイエンド向けの品揃えは盒馬に及びませんが、野菜の新鮮さと安さ、そして配達の速さで人々の心を掴み、早くも上海では定着しつつあるようです。まさに盒馬にとっては、手ごわいライバルの登場といえるでしょう。

 この叮咚。街中で広告や配達バイクはよく目にしますが、店舗はどこにも見当たりません。店舗と倉庫(配送センター)を併用する盒馬とは異なり、単に中国語で「前置倉庫」と称される中・小型の倉庫のみを各地に点在させるモデルです。他の都市でも叮咚に類似したアプリが次々と登場。福建省・福州市の朴朴超市や安徽省・合肥の誼品生鮮はその一例で、大手もこの生鮮EC市場に熱い視線を注いでいます。

 2019年1月には中国最大のネット出前アプリ「美団」も、前置倉庫モデルの「美団買菜」の運営をスタート。「餓了麽」も、3月に「叮咚買菜」と戦略提携し、全国200超の都市で生鮮宅配業務を開始しました。

 盒馬も上海で「盒馬菜市」という生鮮ECモデル店をオープン。伝統市場のような「量り売り」で野菜や果物の販売サービスを提供。家電量販大手の蘇寧も、傘下のコンビニミニスーパー「蘇寧小店」アプリ上で野菜市場「蘇寧菜場」の運営と生鮮食品の予約販売をスタート。生鮮ECは瞬く間に「新小売」の新たなトレンドとなっています。

 そこで、今号ではこの「前置倉庫」モデルの代表格とも言える「叮咚買菜」と「美団買菜」の2社について徹底的に調査・分析しています。

 次に業界研究として中国ビール業界、特に人気上昇中のクラフトビールにスポットライトを当てました。一人当たりのビール消費は36リットルで、ビール消費大国のチェコやドイツには遠く及ばないですが、ビール生産と消費量全体では世界一を誇る中国。

 ここ数年、中国人の消費性向や観念が成熟し、また少々値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドなどに伴い、中国のビール市場も大きく変化。低価格帯ビールの市場シェアが年々減少する一方、中高級ビールのシェアは急成長しています。市場調査機関ユーロモニターの統計によると、中国の中高級ビール(ユーロモニターの定義:末端価格7元/リットル以上)のシェアが2011年の38.4%から、17年には60.9%と大きく成長しているとのこと。

 またクラフトビールも15年から急成長しています。16年には中国クラフトビールのトップブランド「Panda Brew(熊猫精醸・パンダブリュー)」や「Master Gao(高大師・マスターガオ)」などが相次いでベンチャー投資の対象となりました。

 17年には「酒花児」が数千万元のベンチャーキャピタル(A+ラウンド)で資本を調達。「開巴」や「Boxing Cat(拳撃猫・ボクシングキャット)」はビールメーカー大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(中国名:百威英博)に買収。現在、中国のクラフトビール消費は市場全体の1%程度に過ぎませんが、その発展動向に多くの注目が集まっています。

 そこで中国ビール市場全体の状況を踏まえながら、輸入ビールや上位5社(華潤雪花、インベブ、青島、燕京、カールスバーグ)の動向、そしてクラフトビールの実態について、代表的なブランドであるマスターガオ(高大師)、パンダブリュー(熊猫精醸)、酒花児の3社について調査・分析。またアリババや京東(JDドットコム)の取り組みや、消費昇級トレンドを背景としたクラフトビール人気の理由と今後についてまとめています。

 もう一つの業界研究として、中国小売・流通業界を取り上げました。19年5月に中国チェーン経営協会が発表した「2018年中国チェーン店ランキングトップ100」。トップ100企業の売上総額は2.4兆元で前年比7.7%の成長を記録。社会消費品小売総額(小売全体)に占める割合も6.3%と、17年比で0.3%増となっています。

 家電量販大手の蘇寧易購と国美が1位と2位を占め、総合スーパーの華潤万家が3位にランクインする中、注目に値するのがアリババ傘下でOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)概念の「新小売」を推進する生鮮スーパーの「盒馬鮮生」。売上140億元で47位に急上昇、成長率は300%超えの大躍進です。トップ100社で成長率が三桁を記録した唯一の企業となっています。

 その他に苦戦を強いられている総合スーパーや百貨店を尻目に成長を続けるコンビニ、さらには成長の原動力となっているオンライン販売や「新小売」の導入など、中国小売・流通業の現況について、ランキングを参考にしながら考察しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年5月号(vol.64)  もくじ
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【巻頭特集】
『ネットスーパーの新業態〜生鮮ECアプリ』
 盒馬に挑む「叮咚買菜」と「美団買菜」

【業界研究】中国ビール業界
『高級化が進む中国ビール市場』
 クラフトビールの人気が急上昇

【業界研究】中国小売・流通業界
『2018年中国チェーン店トップ100』
 蘇寧がトップ、盒馬もランクイン

【都市別調査】
フリマと動画のロンド①
『不用品を商品に プロ級動画を手軽に』

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