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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第373号】~地図アプリ2強、百度 vs 高徳~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2019年6月19日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第373号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 昨日は6月18日。中国では「618」と呼ばれる1年に2度のネットでのビッグセール日。もちろん、もう1度はアリババの「独身の日(11月11日)」です。

 地下鉄やバス停、エレベーターで何度も目にした「618」の広告。元々は中国ECプラットフォーム2番手の京東(JDドットコム)が自らの誕生日(設立日)を祝うために始めたキャンペーン。それが今やアリババ(天猫)や蘇寧易購なども便乗し、値引き合戦が繰り広げられています。

 ただ値引きといってもどれだけ安くなっているのか正直わかりません。普段から食品や日用品、衣類など必要なときにスマホ(アプリ)で購入。毎回何らかのクーポンやポイントなどで割引されています。あえて618だからといって特別に買うものもなく…。

 結局買ったのは大量のビール。「300減30」(総額300元購入で30元割引)クーポンに惹かれ、ついつい数ケース箱買いしましたが、実際にどれほど安くなったのか。こうしたビッグセールのありがたみがますます薄れていく中、今年の618の戦績はいかに!!!

 今週のコラムは今や中国での運転で“マスト”になった地図アプリについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第373号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第373回)
     ~地図アプリ2強、百度 vs 高徳~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第373回)
 ~地図アプリ2強、百度 vs 高徳~

 車を運転する時はいつも、まずスマートフォン(スマホ)を取り出し、地図アプリを開くのが“当たり前(習慣)”になっています。どんなに近場でよく知ったルートでも、渋滞状況を確認するために行き先を入力。最近はマイクボタンを押して、中国語でスマホに話しかけて音声認識させることもあります。

 AI(人工知能)が渋滞状況や距離などを判断し、最適なルートをいくつか提示。走行中ももっと早く到着するルートがあれば随時推薦してくれます。スピード違反のレーダーやカメラの位置、速度オーバーなども通知してくれ、ナンバープレートを登録しておけば通行規制区域まで回避してくれます。

 目的地に近づくと、付近の空き駐車場を推薦し、選択するとそこまで誘導。もちろん、周辺のガソリンスタンドや飲食店、観光地、ホテル、映画館など各種生活情報も検索でき、地図上に表示。タップするだけでナビしてくれ、予約やチケット購入なども可能です。

 こうした中国の地図アプリは現在、百度(バイドゥ)系の「百度地図」とアリババ系の「高徳地図」がそれぞれ3億人強のユーザーを抱え、ほぼ市場を二分している状態です。私は2013年頃に初めて使って以来、一貫して百度派だったのですが、多くの人から上海では高徳の方が精度が高くて使い勝手がいいと何度も薦められました。

 ルート表示や音声など慣れ親しんだ百度ですが、物は試しと思い高徳を使ってみることに。正直、機能的には甲乙つけがたいと思ったのですが、ナビが終わると画面に「97点」と表示されます。今回の運転の総合スコアなのですが、スピード違反、急カーブ、急ブレーキ、急加速のいずれかで減点されていく仕組みです。

 自分の運転には一応自信を持っていたのですが、どこで「マイナス3点」されたのか納得いきません。よく見ると、自宅マンション区内の駐車スペースの手前で急カーブしていたからとのこと。このスコアシステムもさることながら、こんな一般道でもない場所での走行でも高精度に把握されることにびっくり。

 その後、何度か検証した結果、私は急加速する傾向にあることが判明。今後、こうしたスコアが保険料の査定などにつながるかもと思い、高徳の虜になりました。毎回「100点」を目指し、慎重に安全運転を心がけています。

 ちなみに、この高徳の音声ガイダンスで使われているのが、先日EXILEのAKIRAさんとの結婚を発表された台湾女優の林志玲(リン・チーリン)さんの声。ショックで多くの中国人男性が音声を切り替えたという嘘か本当かわからない噂がネットで流れていましたが、私は毎回彼女の聞き心地のいい声に癒されながら運転しています。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆2018年中国消費トレンド番付 (17)
 ~ヒップホップ音楽人気が継続 18年は「skr」がブレイク

 ここ数年、ネットのバラエティ番組が高い支持を得ている。2017年には「中国有嘻哈」の再生回数が20億回を突破。中国のヒップホップブームの立役者となり、「你有Freestyle嗎?(君、フリースタイルできる?)」というネット流行語も生み出した。18年も、これに続く人気番組が登場。「偶像練習生」、「創造101」などのオーディション番組が、若者ユーザーを中心に高い注目を集めた......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (16)
 ~アリババがモールをオープン 「新小売」実践の場に

 2018年、中国小売業界の最大の話題と言えば、アリババが浙江省杭州市にオープンしたショッピングモール「親橙里」だろう。親橙里はアリババが提唱するネットとリアルを融合したオムニチャネル概念「新小売」の実践場だ。ショッピングモールという形態に、様々な新小売のコンセプトやテクノロジーを試験的に導入。将来的には成功したものを、他社や提携パートナーにも推奨しながら、同時に他のショッピングモールへも導入を進めていく予定だ......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (15)
 ~日本アニメから生まれた黒科技 新しモノ好きの間で神聖化

 中国では、黒科技が現代最高の技術やそれにより産み出される製品のことを指すようになった。人々が感動するほど優れたハードウェアやソフトウェア、技術、素材などが含まれる。中国消費者はこのブラックテクノロジーをことさら崇拝する傾向がある。このため、新たに発売される電子製品の多くには、消費者の興味を引く目的で「黒科技」と形容することが多い......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (14)
 ~世界最大の新エネ車市場に 自動運転の普及も目論む

 中国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)の統計によると、2018年の乗用車の販売台数は2235万562台で、前年比5.8%減少した。市場が低迷するなか、活況を呈しているのが新エネルギー車だ。18年の販売台数は100.8万台で、前年比88.5%増と成長。17年の成長幅を上回った......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行

 会報誌2019年5月号(vol.64)では、巻頭特集にネットスーパーの新業態である生鮮EC(電子商取引)アプリ「叮咚買菜」と「美団買菜」を取り上げました。アリババ傘下の「新小売」スーパー「盒馬鮮生」(以下、盒馬)の登場以来、日常の買物はネットスーパーを利用するのが“当たり前”になった上海での生活。実際に盒馬のネット(アプリ)経由の注文が、売上全体の6割を占めるほど、ネットスーパーが人々のライフスタイルに定着しています。

 いつでもどこでも欲しい時に欲しいモノを注文できる。ネットスーパーは多くの人々から支持され、ブームと言っても過言ではない状況を呈している中、近頃、上海では「叮咚買菜」(以下、叮咚)という生鮮ECアプリが話題を呼んでいます。

 上海の自宅マンションのエレベーターで何度も目にする叮咚の広告。「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内に配送、ネギ1本でもOK」というキャッチフレーズが、強烈な印象を与えています。これまで盒馬の熱烈なファンで、ロイヤルカスターの一人だった私も、この広告を見て興味をそそられ、野菜を注文してみることにしました。

 配達された野菜は盒馬よりも鮮度が良いくらいで、値段も安い。配送にかかった時間も宣伝通り30分以内で、盒馬よりさらに早い印象でした。伝統的な市場(いちば)で買い物した際のように、無料でネギなどがついてくるのも、人情味が感じられて面白い…。

 海鮮や高級ステーキ肉などハイエンド向けの品揃えは盒馬に及びませんが、野菜の新鮮さと安さ、そして配達の速さで人々の心を掴み、早くも上海では定着しつつあるようです。まさに盒馬にとっては、手ごわいライバルの登場といえるでしょう。

 この叮咚。街中で広告や配達バイクはよく目にしますが、店舗はどこにも見当たりません。店舗と倉庫(配送センター)を併用する盒馬とは異なり、単に中国語で「前置倉庫」と称される中・小型の倉庫のみを各地に点在させるモデルです。他の都市でも叮咚に類似したアプリが次々と登場。福建省・福州市の朴朴超市や安徽省・合肥の誼品生鮮はその一例で、大手もこの生鮮EC市場に熱い視線を注いでいます。

 2019年1月には中国最大のネット出前アプリ「美団」も、前置倉庫モデルの「美団買菜」の運営をスタート。「餓了麽」も、3月に「叮咚買菜」と戦略提携し、全国200超の都市で生鮮宅配業務を開始しました。

 盒馬も上海で「盒馬菜市」という生鮮ECモデル店をオープン。伝統市場のような「量り売り」で野菜や果物の販売サービスを提供。家電量販大手の蘇寧も、傘下のコンビニミニスーパー「蘇寧小店」アプリ上で野菜市場「蘇寧菜場」の運営と生鮮食品の予約販売をスタート。生鮮ECは瞬く間に「新小売」の新たなトレンドとなっています。

 そこで、今号ではこの「前置倉庫」モデルの代表格とも言える「叮咚買菜」と「美団買菜」の2社について徹底的に調査・分析しています。

 次に業界研究として中国ビール業界、特に人気上昇中のクラフトビールにスポットライトを当てました。一人当たりのビール消費は36リットルで、ビール消費大国のチェコやドイツには遠く及ばないですが、ビール生産と消費量全体では世界一を誇る中国。

 ここ数年、中国人の消費性向や観念が成熟し、また少々値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドなどに伴い、中国のビール市場も大きく変化。低価格帯ビールの市場シェアが年々減少する一方、中高級ビールのシェアは急成長しています。市場調査機関ユーロモニターの統計によると、中国の中高級ビール(ユーロモニターの定義:末端価格7元/リットル以上)のシェアが2011年の38.4%から、17年には60.9%と大きく成長しているとのこと。

 またクラフトビールも15年から急成長しています。16年には中国クラフトビールのトップブランド「Panda Brew(熊猫精醸・パンダブリュー)」や「Master Gao(高大師・マスターガオ)」などが相次いでベンチャー投資の対象となりました。

 17年には「酒花児」が数千万元のベンチャーキャピタル(A+ラウンド)で資本を調達。「開巴」や「Boxing Cat(拳撃猫・ボクシングキャット)」はビールメーカー大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(中国名:百威英博)に買収。現在、中国のクラフトビール消費は市場全体の1%程度に過ぎませんが、その発展動向に多くの注目が集まっています。

 そこで中国ビール市場全体の状況を踏まえながら、輸入ビールや上位5社(華潤雪花、インベブ、青島、燕京、カールスバーグ)の動向、そしてクラフトビールの実態について、代表的なブランドであるマスターガオ(高大師)、パンダブリュー(熊猫精醸)、酒花児の3社について調査・分析。またアリババや京東(JDドットコム)の取り組みや、消費昇級トレンドを背景としたクラフトビール人気の理由と今後についてまとめています。

 もう一つの業界研究として、中国小売・流通業界を取り上げました。19年5月に中国チェーン経営協会が発表した「2018年中国チェーン店ランキングトップ100」。トップ100企業の売上総額は2.4兆元で前年比7.7%の成長を記録。社会消費品小売総額(小売全体)に占める割合も6.3%と、17年比で0.3%増となっています。

 家電量販大手の蘇寧易購と国美が1位と2位を占め、総合スーパーの華潤万家が3位にランクインする中、注目に値するのがアリババ傘下でOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)概念の「新小売」を推進する生鮮スーパーの「盒馬鮮生」。売上140億元で47位に急上昇、成長率は300%超えの大躍進です。トップ100社で成長率が三桁を記録した唯一の企業となっています。

 その他に苦戦を強いられている総合スーパーや百貨店を尻目に成長を続けるコンビニ、さらには成長の原動力となっているオンライン販売や「新小売」の導入など、中国小売・流通業の現況について、ランキングを参考にしながら考察しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年5月号(vol.64)  もくじ
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【巻頭特集】
『ネットスーパーの新業態〜生鮮ECアプリ』
 盒馬に挑む「叮咚買菜」と「美団買菜」

【業界研究】中国ビール業界
『高級化が進む中国ビール市場』
 クラフトビールの人気が急上昇

【業界研究】中国小売・流通業界
『2018年中国チェーン店トップ100』
 蘇寧がトップ、盒馬もランクイン

【都市別調査】
フリマと動画のロンド①
『不用品を商品に プロ級動画を手軽に』

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