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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第374号】~監視カメラで変わる中国ドライブマナー~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2019年6月26日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第374号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 今月21日に中国全土で劇場公開されたアニメ映画「千と千尋の神隠し」を観に行きました。18年越しのリバイバル上映で、初日の興行収入が「トイ・ストーリー4」を上回ったもよう。中国での宮崎駿アニメの根強い人気が見て取れます。

 実は私にとっては初めての鑑賞。日本映画史上トップの興行成績を誇る同映画ですが、これまでテレビでの放送含め観たことがありませんでした。台湾の九份の街並みを参考にしたという話も聞き、ずっと気にはなっていました。また中国でも、重慶の人気観光スポット「洪崖洞」の建物が“クリソツ”だとも…。

 いずれも行ったことがあったので、実際に映画の中でどのように描写されているのか興味津々でした。確かに温泉宿の前に広がる街並みや食べ物は九份そのもの。また建物の造りや豪壮さなども重慶の洪崖洞に似ており、かつ館内の壺などの調度品が中国のものばかりでした。

 折しもG20サミットが大阪で開催され、日中間のトップ同士の往来が今後本格化しそうです。最近、日本からの高齢者のツアー客も頻繁に中国の空港で見かけるようになりました。2012年の尖閣問題を経験した身としては、両国間の交流がもっともっと深まってほしいと心より願うばかりです。

 今週のコラムは中国の路上で目を光らせる監視カメラについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第374号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第374回)
     ~監視カメラで変わる中国ドライブマナー~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第374回)
 ~監視カメラで変わる中国ドライブマナー~

 百度と高徳を筆頭に、約7億人が利用するスマートフォン(スマホ)の地図(ナビ)アプリ。急ブレーキや急カーブ、急加速など毎回の走行状況が高精度に把握され、ビッグデータ化されているわけですが、実はこうしたスマホ経由の情報データ吸い上げのほかに、最近、普段の運転で常に意識することがあります。それは「監視カメラ」の存在です。

 上海市内の主要道路では、交差点ごとに数台の監視カメラが路上に設置されています。以前からスピード違反の監視カメラは到るところに設置されていました。主要幹線道路の延安高架路で、スピード違反車のナンバープレートが“見せしめ”のごとく表示されていて驚いたことがありますが、それ以外の用途はそれほど気にはなりませんでした。

 ところが2017年頃から、駐車・停車禁止の路肩に設置されるようになり、少々の時間ならという甘い考えで気軽に停車できなくなりました。最近はタクシーの運転手ですら、停車禁止の黄色の路肩に車を寄せることを拒み、すでに目的地に到着していながら、少し離れた場所に停車するケースも多々あります。

 これ以外にも、信号無視や車線変更も常に監視カメラの視線を意識するようになりました。中国では「実線」は車線変更禁止なので、環状線などで出口に向かう際、車線が「点線」に変わるまで車を寄せることに躊躇してしまうこともざらにあります。

 このように監視カメラを意識しながらの運転により、私自身もさることながら、上海のドライバーの多くが交通ルールを厳格に遵守するようになり、運転マナーも格段によくなった気がします。また特に上海ではクラクションを鳴らすことも禁止されていることから、よっぽどの危険な状態でなければクラクションの音を聞くこともほぼ皆無です。

 こうした監視カメラも、現状は違反取り締まり用途がメインのようです。中国では、違反対象は原則ナンバープレート(所有者)に対してなので、違反の特定も比較的容易です。しかし今後は、収集した膨大なデータを活用し、スマートシティやITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)化にも応用されていくだろうと推測しています。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆2018年中国消費トレンド番付 (21)
 ~【技能賞】米中貿易摩擦

 18年の春先や夏にかけて始まったこの両国間のせめぎ合い。当初は、中国からの貿易赤字減少にすぐには繋がらなかったが、この影響は徐々に中国経済にも浸透しはじめている。特に18年末に向け、経済指標にもその下押し圧力が鮮明となり、人々の生活にもじわじわと影響が現れ始めている。この米中貿易摩擦が中国経済や消費に与えた最も大きなインパクトは、先行き不透明感だろう......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (20)
 ~【敢闘賞】旅かえる(仏系)

 「旅かえる」の人気の背景には、現代社会のライフスタイルの変化があるとされている。単独行動を好む現代人にとって、緊張感もなく、時間に追われることもないこのゲームは、安らぎを与えてくれるもので、カエルとの交流からリラックス感を得ている。「仏系」ゲームとも呼ばれる由来はここにあり、「仏系」と称される若年層から多くの支持を集めた......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (19)
 ~【殊勲賞】W杯サッカーロシア大会

 2018年、ロシアで開催されたワールドカップサッカー。中国代表チームの本戦参加は叶わなかったにもかかわらず、中国国内で多くの注目を集めた。ネット上では、「除了中国男足、全中国都去了世界杯(代表チームのみ不参加で、中国の全国民がワールドカップに参加した)」と揶揄されたほどだ。今回のワールドカップでは、中国企業がスポンサーとして大きな存在感を示し、世界中から注目を集めた。今回、トップスポンサー14社のうち、4社が中国企業で、数でアメリカと肩を並べた......

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◆2018年中国消費トレンド番付 (18)
 ~幸運のシンボル「錦鯉」 18年には“人間版”が話題に

 インターネットが普及し始めた頃から、ネットユーザーたちは「グッドラック(好運)!」と家族や友人に伝える際に、錦鯉の写真やイラストを転送し合った。こうした習慣を利用して、転送すると抽選で賞品がもらえるなどのイベントに活用する企業も現れ、当選者をラッキーな「錦鯉」と称するようになった。 特に2018年に入り、“人間”版の錦鯉が登場し、彼女たち本人の写真を転送して楽しむ一種のブームとなった......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行

 会報誌2019年5月号(vol.64)では、巻頭特集にネットスーパーの新業態である生鮮EC(電子商取引)アプリ「叮咚買菜」と「美団買菜」を取り上げました。アリババ傘下の「新小売」スーパー「盒馬鮮生」(以下、盒馬)の登場以来、日常の買物はネットスーパーを利用するのが“当たり前”になった上海での生活。実際に盒馬のネット(アプリ)経由の注文が、売上全体の6割を占めるほど、ネットスーパーが人々のライフスタイルに定着しています。

 いつでもどこでも欲しい時に欲しいモノを注文できる。ネットスーパーは多くの人々から支持され、ブームと言っても過言ではない状況を呈している中、近頃、上海では「叮咚買菜」(以下、叮咚)という生鮮ECアプリが話題を呼んでいます。

 上海の自宅マンションのエレベーターで何度も目にする叮咚の広告。「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内に配送、ネギ1本でもOK」というキャッチフレーズが、強烈な印象を与えています。これまで盒馬の熱烈なファンで、ロイヤルカスターの一人だった私も、この広告を見て興味をそそられ、野菜を注文してみることにしました。

 配達された野菜は盒馬よりも鮮度が良いくらいで、値段も安い。配送にかかった時間も宣伝通り30分以内で、盒馬よりさらに早い印象でした。伝統的な市場(いちば)で買い物した際のように、無料でネギなどがついてくるのも、人情味が感じられて面白い…。

 海鮮や高級ステーキ肉などハイエンド向けの品揃えは盒馬に及びませんが、野菜の新鮮さと安さ、そして配達の速さで人々の心を掴み、早くも上海では定着しつつあるようです。まさに盒馬にとっては、手ごわいライバルの登場といえるでしょう。

 この叮咚。街中で広告や配達バイクはよく目にしますが、店舗はどこにも見当たりません。店舗と倉庫(配送センター)を併用する盒馬とは異なり、単に中国語で「前置倉庫」と称される中・小型の倉庫のみを各地に点在させるモデルです。他の都市でも叮咚に類似したアプリが次々と登場。福建省・福州市の朴朴超市や安徽省・合肥の誼品生鮮はその一例で、大手もこの生鮮EC市場に熱い視線を注いでいます。

 2019年1月には中国最大のネット出前アプリ「美団」も、前置倉庫モデルの「美団買菜」の運営をスタート。「餓了麽」も、3月に「叮咚買菜」と戦略提携し、全国200超の都市で生鮮宅配業務を開始しました。

 盒馬も上海で「盒馬菜市」という生鮮ECモデル店をオープン。伝統市場のような「量り売り」で野菜や果物の販売サービスを提供。家電量販大手の蘇寧も、傘下のコンビニミニスーパー「蘇寧小店」アプリ上で野菜市場「蘇寧菜場」の運営と生鮮食品の予約販売をスタート。生鮮ECは瞬く間に「新小売」の新たなトレンドとなっています。

 そこで、今号ではこの「前置倉庫」モデルの代表格とも言える「叮咚買菜」と「美団買菜」の2社について徹底的に調査・分析しています。

 次に業界研究として中国ビール業界、特に人気上昇中のクラフトビールにスポットライトを当てました。一人当たりのビール消費は36リットルで、ビール消費大国のチェコやドイツには遠く及ばないですが、ビール生産と消費量全体では世界一を誇る中国。

 ここ数年、中国人の消費性向や観念が成熟し、また少々値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドなどに伴い、中国のビール市場も大きく変化。低価格帯ビールの市場シェアが年々減少する一方、中高級ビールのシェアは急成長しています。市場調査機関ユーロモニターの統計によると、中国の中高級ビール(ユーロモニターの定義:末端価格7元/リットル以上)のシェアが2011年の38.4%から、17年には60.9%と大きく成長しているとのこと。

 またクラフトビールも15年から急成長しています。16年には中国クラフトビールのトップブランド「Panda Brew(熊猫精醸・パンダブリュー)」や「Master Gao(高大師・マスターガオ)」などが相次いでベンチャー投資の対象となりました。

 17年には「酒花児」が数千万元のベンチャーキャピタル(A+ラウンド)で資本を調達。「開巴」や「Boxing Cat(拳撃猫・ボクシングキャット)」はビールメーカー大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(中国名:百威英博)に買収。現在、中国のクラフトビール消費は市場全体の1%程度に過ぎませんが、その発展動向に多くの注目が集まっています。

 そこで中国ビール市場全体の状況を踏まえながら、輸入ビールや上位5社(華潤雪花、インベブ、青島、燕京、カールスバーグ)の動向、そしてクラフトビールの実態について、代表的なブランドであるマスターガオ(高大師)、パンダブリュー(熊猫精醸)、酒花児の3社について調査・分析。またアリババや京東(JDドットコム)の取り組みや、消費昇級トレンドを背景としたクラフトビール人気の理由と今後についてまとめています。

 もう一つの業界研究として、中国小売・流通業界を取り上げました。19年5月に中国チェーン経営協会が発表した「2018年中国チェーン店ランキングトップ100」。トップ100企業の売上総額は2.4兆元で前年比7.7%の成長を記録。社会消費品小売総額(小売全体)に占める割合も6.3%と、17年比で0.3%増となっています。

 家電量販大手の蘇寧易購と国美が1位と2位を占め、総合スーパーの華潤万家が3位にランクインする中、注目に値するのがアリババ傘下でOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)概念の「新小売」を推進する生鮮スーパーの「盒馬鮮生」。売上140億元で47位に急上昇、成長率は300%超えの大躍進です。トップ100社で成長率が三桁を記録した唯一の企業となっています。

 その他に苦戦を強いられている総合スーパーや百貨店を尻目に成長を続けるコンビニ、さらには成長の原動力となっているオンライン販売や「新小売」の導入など、中国小売・流通業の現況について、ランキングを参考にしながら考察しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年5月号(vol.64)  もくじ
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【巻頭特集】
『ネットスーパーの新業態〜生鮮ECアプリ』
 盒馬に挑む「叮咚買菜」と「美団買菜」

【業界研究】中国ビール業界
『高級化が進む中国ビール市場』
 クラフトビールの人気が急上昇

【業界研究】中国小売・流通業界
『2018年中国チェーン店トップ100』
 蘇寧がトップ、盒馬もランクイン

【都市別調査】
フリマと動画のロンド①
『不用品を商品に プロ級動画を手軽に』

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