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【中国消費洞察メルマガ 第403号】~中国でスーパーの「店舗」はもう不要??~

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2020年1月22日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第403号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 普段何気なく使っているスマホ決済で、最近あることに気づきました。きっかけはネット出前(外売)の「餓了幺」から届いた春節(旧正月)のクーポンです。たくさん並べられた各種レストランの割引券の中に、「通常価格24元のところ8.88元で提供!」となっています。

 中国人は「発財」の意味を込めて数字の「8」が大好きなのはご存知の通りですが、それよりも気になったのが小数点以下2桁目の「8」って一体??今やほとんど使わなくなった現金を持ち歩いていた頃は、「角(毛)」の紙幣や硬貨をかろじて手にした記憶がありますが、「分」は見たことがありません。

 ふと振り返ると、確かにこれまでも微信(ウィーチャット)の紅包(ギフト)機能で、8.88元と、友人に送り合ったりしていました。現金時代なら8元で済むところ、余計に0.88元もあまり意識せずに支払わされているとは…、まさにこれこそがキャッシュレスの妙です。

 こうした余分の出費がどれほど消費全体に影響するのかわかりませんが、6億人を超える中国のスマホ決済ユーザーですから、「塵も積もれば山となる」となっているでしょう。恐るべしキャッシュレス…。

 今週のコラムは食品流通の新形態として話題の「前置倉庫」についてです。では、中国消費洞察メルマガ第403号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第403回)
   ◆食品流通の新形態「前置倉庫」とは??
    ~中国でスーパーの「店舗」はもう不要??~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2019年12月号(vol.70)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第403回)

◆食品流通の新形態「前置倉庫」とは??
 ~中国でスーパーの「店舗」はもう不要??~

 「前置倉庫」とは何かご存知でしょうか?スラスラと答えられるようなら、仮に中国小売流通検定なるものがあれば、「上級」に分類されるでしょう。

 一方で、上海在住の方なら「叮咚買菜」を知っている人は多いのではないでしょうか。まさにこの叮咚(ディンドン)が前置倉庫型ネットスーパーの代表格なのです。

 昨年の叮咚人気とともに、中国の小売流通業界やメディアで何度も取り上げられている前置倉庫。大体200~300平米の小規模で簡易な生鮮品倉庫で、なるべく消費者の“近く(前)に置いた”倉庫という意味合いでしょうか。マンションや雑居ビルの1階に入居し、必ずしも道路に面しているわけではありません。

 単なる倉庫なのでひっそりとした佇まいながら、入り口の前には企業カラーの緑色で統一されたバイクと配達員が待機しています。倉庫の中から複数のビニール袋を抱えてバイクに乗り込み、配達へと出発する姿から、多くの注文が殺到している様子が伺い知れます。

 店舗ではないので、内装費も不要。立地も空いている人気のない物件でOK。前置倉庫の設置は、叮咚の場合、居住エリア1km内を商圏とし、1日の受注件数が1,500件を超えたら倉庫を2つに分けることで、スピーディな配送を実現しているとのこと。

 叮咚だけでなく、ネット出前の「美団買菜」、家電量販の「蘇寧小店」、総合スーパーの「永輝生活」などもこの分野に参入。ネットスーパーの本家である「盒馬鮮生」とともに、熾烈な競争が繰り広げられています。

 既存のスーパーやコンビニ、薬局ですら、京東到家や餓了幺など宅配プラットフォームと提携してデリバリー対応するのが当たり前の時代。消費者もわざわざ店舗に出向き、重い荷物を抱えて持ち帰っていた記憶は、すでに遠く彼方に消え去っています。

 こうした状況の中、日本の食品や日用品メーカーはどうやって中国で売上を伸ばしていくか。これまでの問屋任せや実店舗での販売ありきのやり方では、今後先細りであることは明らかでしょう。

 日本ではまだネットスーパーが成功しているといえる企業はごくわずかだそうです。日本では想像できない消費形態が、もはや当たり前になっている上海。ぜひ日本の本社からも一度その実態を目の当たりにして、改めて中国戦略を練りなおしてほしいと思います。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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◆中国ウィンタースポーツ市場&産業の発展状況 (8)
 ~注目が高まるアイスホッケー

 アイスホッケーは、冬季オリンピックで最も人気の高い団体競技の一つだ。勝敗を賭けた緊張感のある試合運びに多くの観戦者が熱中し、高い視聴率を誇る。
2022年の冬季オリンピック誘致が成功した後、中国アイスホッケーも急発展をはじめた。子供にアイスホッケーを習わせたいと考

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◆中国ウィンタースポーツ市場&産業の発展状況 (7)
 ~商業施設で集客力を発揮 アイススケートリンク

 著名調査機関IDGが華騰氷雪産業機構と共同で公表した「中国氷雪産業発展研究報告(2018)」の統計によると、2018年の中国国内のアイススケート場の数は334件で、17年の259件に比べ29%増加。なかでも多くが華東、華北地区に集中しているという......

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◆中国ウィンタースポーツ市場&産業の発展状況 (6)
 ~成長するスキー用品市場 スノーボードの売上1.5万枚超

 中国スキー協会及び中商産業研究院の統計によると、2017年の中国スキー産業の市場規模は約136.5億元。 うち、スキーウェアが約23.7億元、スキー板などのギアが約14.3億元、スキー場収入は96.8億元となっている。全体規模はここ数年20%以上の伸びを保っている......

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◆中国ウィンタースポーツ市場&産業の発展状況 (5)
 ~高価格のスキー関連消費

 2015年に北京・張家口(河北省)が冬季オリンピック誘致に成功し、中国の冬季旅行市場の規模は前年比27%と大きな成長を遂げた 。これは中国の旅行業の平均成長率15%を大きく上回る数字だ。一人当たりの可処分所得も上昇を続けており、ウィンタースポーツ普及のための社会及び経済の基盤は徐々に整いつつある......

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◆2018年 コーヒーの主要製品の市場シェア

 2018年、中国で販売されたコーヒー製品のうち、最も人気が高かったのはインスタントコーヒー類だった......

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◆中国コーヒー業界の市場規模(2013-2018年)

 中国の消費昇級(アップグレード)に伴い、コーヒーの消費も急増している......

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お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2019年12月号(vol.70)発行

 会報誌12月号(vol.70)では、巻頭特集で2019年の中国消費トレンド番付を発表しました。2016年から毎年12月号の好例となった「中国消費トレンド番付」。今年も中国の消費現場やトレンド、流行、話題、ニュース、ライフスタイル、価値観など、特に顕著で注目すべき事柄について番付表にまとめました。

 今年は米中貿易摩擦などの影響で景気減速がメディア等で騒がれる中、ここ数年見られたように斬新的なビジネスモデルや新サービスの勃興には乏しかった感が否めません。一方で、着実に消費が質的にも量的にも力強く成長している姿が垣間見れました。

 中国人としてのアイデンティティの高まりから、「国潮(国産愛)」ブームが各界に波及。一方で、ごみ分別の施行による環境意識の高まりや、室内スキー教室、スマホベースの簡易ジムなど、健康やスポーツ熱の高まりも、モノからコト、さらにはスローライフを求める消費性向の変化が顕著になっています。

 スマホエコノミー(経済)の深化も見逃せません。大都市だけでなく、中国全土隅々にまで普及したモバイル通信網と物流網により、「下沈」と称される地方の中小都市や農村部に住むスマホユーザー層が、ついに消費の表舞台に登場。ネット業界をはじめ、大きな注目を集めました。

 従来型産業のネット(スマート)化も目立ちました。家事代行からオーダースーツ、さらにはテレビショッピングならぬライブコマースなど、色んなビジネス形態がスマホの画面内に集約。もちろん、広告宣伝の機能として「網紅(ワンホン)」の影響力もさらにパワーアップした感もありました。

 このように一見あまり目立ったトピックが少ない中、特に注目すべきトレンドや事柄について、弊社の独断と偏見で番付しています。今後の中国消費の未来を占う上でも、ぜひ参考にしていただければと思います。

 次に、取り上げたのが1年に1度、11月11日に開催されるEC(電子商取引)ビッグセール「双11(独身の日)」についてです。

 アリババ系の天猫(Tモール)と淘宝網(タオバオ)の取引額は、今年も最高記録を更新。合計で2,684億元に達し、昨年の2,135億元を26%上回りました。1日の取引額がすでに楽天の1年の取引額を上回るのですから、中国の消費力のすごさを思い知らされます。

 双11セールを2008年に始めた天猫と淘宝だけでなく、京東(JDドットコム)、拼多多(ピンドウドウ)、蘇寧(スニン)など他のECサイト各社も高い取引額を記録し、これまでの記録を更新。双11セール期間中のネット全体の取引額は4,101億元に達し、前年比30.5%増の成長でした。

 今年の双11セールの成長は、主に中国で「下沈市場」と呼ばれる三線級以下の地方都市と農村地区の市場開拓に依るところが大きかったと多くのメディアで分析されています。中国の地方都市・農村の市場成長が、中国ECの新たな牽引役として登場した「元年」とも言えるでしょう。

 ECサイト各社が地方都市や農村地区への進出を積極化しながらも、客単価は穏やかな上昇傾向を保っているのは注目に値します。消費は地方へと広がりつつある中、消費レベルは全体的に落ちていないことは、中国人の消費意欲が依然旺盛だと見て取れます。

 今号では、今年の双11セールの各サイトの販売状況について分析しながら、売れ筋の商品やブランド、そこから垣間見れる消費トレンドについて解説しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2019年12月号(vol.70)  もくじ
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【巻頭特集】2019年中国消費トレンド番付
「国潮(中国愛)」ブームが広く波及
地方と農村市場がいよいよ表舞台に登場
 ~2019年中国消費トレンド番付を発表。景気減速感が強まる中、今年最も注目すべき消費トピックは???

【業界研究】天猫「双11(独身の日)」セール
新記録更新の双11セールを徹底解剖
地方・農村とライブコマースの勃興に着目
 ~今年も1日の取引額が2,684億元で最高記録を更新したアリババ「双11(独身の日)」セールを徹底解説!!!

【マーケティングレポート】ナマケモノたちの家③
「宅配」という名のスマートホーム
 ~宅配サービスは「モノ消費」なのか?AI機器とスマートスピーカーとペット。一見無関係な3分野の流行に共通の背景を追う…

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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