中国ビジネスをマーケティング視点から再構築しよう!
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティング&データ会員コース
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2020年9月16日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第437号】
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こんにちは。キャストの大亀です。
中国のソーシャルECに欠かせないツールの一つが「小程序」。直訳するとミニプログラムですが、日本では「ミニアプリ」といわれています。ミニアプリとはつまり「アプリの中のアプリ」のことで、微信(ウィーチャット)や支付宝(アリペイ)などの“親”アプリ上で動く“子”アプリとなります。
中国ではテンセントがいち早くこの流れを先読みし、2018年にミニアプリ機能の提供をスタート。微信ユーザーは、チャットやモーメンツでのやり取りで派生した買い物やチケット等の予約、ゲームなど、他のアプリをダウンロードすることなく利用できるようになりました。
実際にEC関連のミニアプリから、ユーザーの88%が毎月最低1回、49.4%が毎週最低1回は商品を購入。またリピート率でも従来型のECアプリを大きく上回っているというデータもあります。ユーザーからもシンプルな操作性やスマホのメモリ容量を心配しなくてよいといった理由で好意的に見られているようです。
スマホ利用時間のほとんどを占めている微信。ソーシャルECに限らず、微信のミニアプリの活用を真剣に考察する必要がありますね。
今週のコラムはソーシャルECと従来型ECの違いについてです。では、中国消費洞察メルマガ第436号をお送りいたします。
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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第437回)
◆ソーシャルECと従来型ECとの違いは??
~中国人の“商魂”をくすぐるソーシャルEC!!~
2. 新着コンテンツ一覧
3. 新着統計データ一覧
4. お知らせ
会報誌「中国消費洞察」2020年7&8月合併号(vol.76)発行
(詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第437回)
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【第437回】ソーシャルECと従来型ECとの違いは??
~中国人の“商魂”をくすぐるソーシャルEC!!~
ソーシャルECと、いわゆる従来型のECとは何が違うのでしょう。例えば私自身、ECでよく買うものはお酒、特にウィスキーですが、普段は日本に帰国した際にアマゾンで注文したものを持ち帰っています。
アマゾンではウィスキーのカテゴリから順に見ていくこともありますが、大体商品名をキーワード検索してピンポイントで購入します。この場合、事前にウィスキーのことについてある程度知識を蓄積していたり、別のサイトで調べていたりしているからこそ可能ともいえるでしょう。
一方、日本酒となると話が変わってきます。海外に暮らしていると、日本酒を口にする機会はそれほど多くありません。関税や流通などの問題もあり、中国では日本の倍以上の値段で売られており、なかなか手を出せません。
そうは言っても、和食には日本酒が合いますし、日本に帰国した際には日本酒でもと思うのですが、あまりの種類の多さにどこから手を付けていいのかわかりません。地域によっても特徴が違うでしょうし、銘柄、純米、吟醸、山廃、無濾過など違いが区別できるようになるには遠い道のりのように感じてしまいます。
そこでいつも思うのですが、誰か詳しい人が説明付きで紹介してくれたらいいのにと。私の味の好みにも合い、料理との組み合わせなどもアドバイスしてくれたらなおベターでしょう。
こういう人がいわゆる「KOL(キーオピニオンリーダー)」となります。仮にKOLが私の微信(ウィーチャット)に情報をシェアしてくれ、ECショップにつながれば、購入する確率もかなり高まるでしょう。これがソーシャルECのエッセンスです。
よく従来型ECを「検索型」、ソーシャルECを「発見型」と称します。SNS上でシェアされた情報やコンテンツから、目にとまり、気に入った商品を購入するので、消費行動は受動的ですが、同時に衝動的ともいえます。
KOLとの信頼関係やコンテンツから商品を選び、気に入れば、またそれを友人や知人にも紹介したいという欲が生まれます。さらに、紹介して売れたらバックマージンをあげますよとなれば、よりその欲は強まるでしょう。
この流れを一つの販売システムにしているのが中国のソーシャルECです。微信の普及とともに、中国人の持って生まれた“商売人”魂をくすぐる仕掛けが、中国でソーシャルECが急成長している背景の一つかもしれません。
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■新着コンテンツ一覧
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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(5)
~巣ごもり自炊が大人気 ホームトレーニングも普及
日常行為の時間配分について見ると、在宅時間の増加に伴い、自炊をする人が急増。また回答者の49.3%が、今後もこの習慣を継続すると答えている。自宅待機期間中に、スポーツ・トレーニング全般に費やす時間と費用は減少したが、一方で自宅用のトレーニング器材の売上は増加した。ホームトレーニング関連の支出はコロナ危機後も継続している......
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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(4)
~ポイント、共同購入、有料会員 体験とクーボンがより重要に
新型コロナウイルスは多くの新業態も生みだした。室内トレーニングやネット動画視聴の時間が増加。アプリで食材を購入して自炊に挑む人、オンライン教育やAR(拡張現実)賃貸サービスなどを初めて利用した人も多かった。ポイント交換(41.6%)、共同購入(35.6%)、会員加入(33.4%)なども、節約だけでなく「体験」的な楽しみも得られるとして若者から新たに高い支持を得た......
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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(3)
~理性的な消費意識と行動 ローンの利用も計画的に
コロナウイルス危機の後、若年層の消費がより理性的になっていることも明らかになった。良い物を少しだけ買う」とした人が40.2%に達し、39.6%が買物に「以前より慎重になった」と回答している。さらに25.5%が「(ローンやカードを)使いすぎていないか気になる」とした。「品質」、「慎重」、「金額抑制」など、若者の消費がより理性的になっている傾向が読み取れる......
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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(2)
~コロナ後に“リベンジ”消費?将来不安で貯蓄増?
ウイルス危機が収まった後、長期にわたり自宅待機を余儀なくされた消費者の“報復性(リベンジ)”や“補償性(取り戻す)”消費が起こると言われてきた。一方で、今後の景気の不確実性から、消費者の危機意識が高まることも予想された......
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■新着統計データ一覧
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◆【統計データ】中国“白髪”世代のスマホ利用状況大調査
~ミドルシニア層の好むソーシャルアプリトップ5 (2019年7月)
微信(ウィーチャット)は、ミドルシニア層が最も好むSNS(ソーシャルサイト)アプリだ。家族や友人との連絡のみならず、投稿された文章を閲覧したり、写真や動画を視聴して知人にシェアすることも楽しんでいる。他のSNSアプリのQQ、微博(ウェイボ)、陌陌(Momo)、OPPO社区などの使用率も比較的高い......
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統計データ一覧はこちら >>
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2020年7&8月合併号(vol.76)発行
会報誌2020年7&8月合併号(vol.76)では、巻頭特集で中国版「D2C」の「私域」について調査・研究しました。
日本でも最近話題の「D2C」。D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、「消費者に対して商品を直接的に販売する」というビジネスモデルのことです。B2BやB2C、C2Cなどは企業や消費者など「誰と誰の取引であるか」を表した取引形態ですが、D2Cはどちらかというと「どのように取引をするか」によりフォーカスしているのが特徴です。
ダイレクトという文言の通り、既存の小売・流通店やECプラットフォームなどを介さず、自社で企画・製造した商品を、自社のチャネルで直接販売する業態ですが、注目されるようになったのは、2010年頃でアメリカから。ブログやSNS(ソーシャルサイト)などを駆使して成功を収めたスタートアップ企業が始まりで、ビジネスモデルとしても十分に成り立つことを証明し、最近では大企業やメーカーもD2Cの展開に乗り出しています。
D2Cが流行りだした背景には「デジタルシフト」があります。かつてテレビCMや新聞、雑誌などから各種情報を取得していた消費者は、インターネットの普及でウェブサイトへ移行。さらにはスマートフォン(スマホ)の登場で、SNSが重要な情報収集手段となりました。
スマホで得た情報から直接EC(電子商取引)サイトへアクセスし、注文、デリバリーが一般化した昨今、消費者だけでなく企業のほうも、こうしたデジタルシフトに対応しているかどうかが至上命題となりました。
また新しい消費者層として存在感を高めつつある1995年以降生まれの「Z世代」の存在も欠かせません。先月号(20年6月号)でも特集したZ世代。デジタルどころかソーシャルネイティブとも称される若者たちは、自分だけのユニークな商品を好みます。
スマホ・SNSで商品だけでなくブランドストーリーや信念、こだわりなどの情報も発信。 “スモールマス”(ニッチな市場ニーズ)ながらもロイヤルティ(忠誠心)の高いファンに支えられ、存在感を高めつつあるD2C。では中国でのD2Cはどのような状況なのでしょうか。
中国ではブランドではなく、より「売り方」のほうに着目して語られることのほうが多いようです。つまり既存の大手メーカーや著名ブランドを含め、自ら構築したネットワーク・コミュニケーション網をいかに活用して、商品を直接消費者に購入してもらうかという手法のほう。
それが、中国で「私域」と称されるネットワーク網のこと。「私的」な「網域」の略で、「プライベート・ネットワーク・ドメイン」という直訳になりますでしょうか。
一方、淘宝(タオバオ)や天猫(Tモール)、京東(JDドットコム)、百度(バイドゥ)など既存のネット・EC大手は、「公衆(パブリック)」ということで「公域」となります。まさにこうした公域に依存しない独立した情報網、つまり顧客との接点をいかに自社ネットワーク化するかが、中国でも注目されているのです。
今号では、このD2Cが中国でどのように展開・運営されているのかについて、公域と私域の違いから、私域の強み、運営主体、構築・運営方法、ビジネス生態系(エコシステム)、消費者の反応、微信や企業微信の活用事例のほか、新興コスメブランド「完美日記(パーフェクトダイアリー)」など成功事例4社のケーススタディも交えながら、詳しく調査レポートしています。
次に中国ECの“影の主役”として、ますます存在感を増す「社交電商」業界を調査・分析しました。
社交電商の「社交」とは、中国語でソーシャルという意味で、つまりソーシャルネットワークサービス(SNS)のこと。「電商」は電子商務(電子商取引)なのでEC。つまり社交電商は「ソーシャルEC」となります。SNSなど社交の場から商品ページに誘導し、販売転換(コンバージョン)するシステムを備えたEコマースのことです。
アリババの淘宝網(タオバオ)が誕生した2003年以降、中国の消費者向けネット通販(Eコマース)市場は順調に成長を持続させてきました。しかし近年は成長速度も鈍化。市場の飽和感も否めません。顧客獲得コストが高騰し続ける中、それを打破する新たな“ブルーオーシャン”として期待を集めているのがソーシャルECです。
中国のソーシャルECとは、チャットアプリの微信(ウィーチャット)、ミニブログの微博(ウェイボ)、動画投稿の抖音(ドウイン・TikTok)や快手(クアイショウ)といったSNSのツール上で、ユーザーのネットワークや彼らが発信するコンテンツを利用して、ブランドや商品の情報を拡散し、販売へと落とし込む手法となります。
もちろんユーザーに商品を購入させることが最終目標ですが、単に情報をフォロー・シェアしてもらうことで、効果的な販売促進を展開することが可能となるため、ネット上の人間関係を利用した新たなEコマースモデルの発展形ともいえるでしょう。
なんとなく概念はイメージできるかもしれませんが、具体的にどのような仕組みやビジネスモデルになっているのか。すべてが微信を中心としたスマホのSNSアプリ内で繰り広げられているため、実態がわかりにくいのも事実です。そこで今号では詳しく調査・分析した上で、極力わかりやすく解説しています。
淘宝や天猫、京東など従来型ECとの違いから、ソーシャルEC成長の要因、市場規模や従事者数の推移、ユーザー層、ASP・SaaS(Software as a Service)ベンダーの実態を調査・分析。またソーシャルECの4大モデルである①共同購入型、②会員アフィリエイト(分銷)型、③コンテンツシェア型、④社区・社群コミュニティ共同購入型について、それぞれ詳しく説明しています。
そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2020年7&8月合併号(vol.76) もくじ
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【巻頭特集】中国版D2C「私域」調査研究レポート
中国版D2Cはいかに微信を活用するか!!
SNS時代の王道マーケティング「私域」徹底研究
~コロナでにわかに注目を集めている「D2C」。消費者に直接販売する新しい“売り方”だが、中国の状況はどうなのか?スマホ依存がますます強まる中国で「私域」と呼ばれる概念がD2Cに該当するようだが、その実態とは???
【業界研究】中国ソーシャルEC市場調査レポート
中国ECの“影の主役”として急成長
存在感増す「社交電商(ソーシャルEC)」徹底調査
~双11や618などビッグセールに目を奪われがちな中国ECだが、実際には網の目のごとく深く浸透するSNSの影。このSNSをベースとした新たなECであるソーシャルECが今後の勢力図を変えていくかもしれない!!!
【マーケティングレポート】セルフィの鮮度③&完
突然現れる店、群がる消費者たち
~フィットネス、コスメと、なぜ今、“自分をより良く見せたい”との願望が強まっているのか。背景を読み解く手掛かりは、ポップアップストアだ・・・
自分が変われば、世界が変わる
~“期間限定のレア感”こそ、若年層の間に“自分をより良く見せたい”需要が高まってきた背景があるのだが、その背景とは、端的に言えば「変身願望」だ・・・
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