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【中国消費洞察メルマガ 第438号】~中国ソーシャルECが盛んになった理由とは??~

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2020年9月23日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第438号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 中国で最近話題にのぼるようになった「M型消費」。M型とはつまり、低価格のコスパ(コストパフォーマンス)重視型商品と、高価な高級品の消費が突出して伸びている現象を指しています。

 実はこのM型というキーワード。最初に言い出したのは、経営コンサルタントの大前研一氏です。2006年に発行した書籍「ロウアーミドルの衝撃」で、所得階層の2極化によって総中流社会が崩壊したと指摘。年収600万円以下のロウアーミドルクラスが8割を占める構造変化が起きていると。

 中国ではここ数年、より良いモノやサービスを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドが続いていますが、米中貿易摩擦を発端とする将来不安から「消費降級」も指摘されるようになりました。また若者を中心に自分だけのユニークなモノを求める傾向も強まり、ますます消費のメリハリをつけた「消費分級」が浸透しています。

 M型消費は消費分級の現れともいえるでしょう。「ニッチ」と「コスパ」。中国でも景気先行きの不透明感が増す中、M型消費・社会を見据えた戦略と商品・サービス開発を模索した企業が生き延びていけるのでしょう。

 今週のコラムは中国でソーシャルECが盛んになった理由についてです。では、中国消費洞察メルマガ第438号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第438回)
   ◆第二子出産の「宝媽(ママ層)」がフリーター化!!
    ~中国ソーシャルECが盛んになった理由とは??~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2020年7&8月合併号(vol.76)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第438回)
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【第438回】 第二子出産の「宝媽(ママ層)」がフリーター化!!
 ~中国ソーシャルECが盛んになった理由とは??~

 中国でソーシャルECが盛んになっている理由は何でしょう。

 まずはやはりスマートフォン(スマホ)の普及とともに、スマホを使ったネット通販の成長でしょう。中国互聯網信息中心(CNNIC)の統計によると、2020年3月時点の中国ネットユーザー数は9.04億人。そのうちスマホからの数は8.97億人で、ほぼ全員といってもいいでしょう。

 ネット通販ユーザー数は7.10億人。こちらもスマホ経由が7.07億人でほぼ全員。なんと18年末比で1.16億人も増えたようです。職業別では学生が最も多く、また個人経営者と自由業(フリーター)、無職を合わせると全体の58.1%を占めています。

 なかでも第二子の出産が許可されたこともあり、多くの「宝媽(ママ層)」がフリーター化。SNSに費やす時間が長く、ネットコミュニティ(社群)への帰属意識も強い。スキマ時間にちょっとした小遣い稼ぎをしたいと考える人も少なくないようで、この宝媽たちが、ソーシャルECにも大きな影響力を有しているともいわれています。

 次の要因としては、顧客獲得コストの上昇です。アリババが2018年に306元、京東は14年の82元から18年には1,503元にまで上昇しています。資金力の乏しい中小企業やブランドにとっては、ソーシャルECに頼らざるをえないのが現実でしょう。

 そして最後にSNSアプリの普及です。19年末時点で月間アクティブユーザー12億人を誇る微信(ウィーチャット)は言わずもがな。ミニブログの微博(ウェイボ)も5.16億人で、3万人近い芸能人や40万人以上のKOL(キーオピニオンリーダー)がアカウントを運営。このほか、動画投稿アプリの抖音(ドウイン・TikTok)がデイリーアクティブユーザー4億人超。快手(クアイショウ)も同じく1.6億人と、存在感を高めつつあります。

 このほかにも「下沈市場」と称される地方都市や農村地区でのECの盛り上がりも、SNSでの情報拡散が大きく影響しています。「M型消費」という高級品とコスパ品の二極化が進む中国消費において、格安品の共同購入で一気にブレークした拼多多(ピンドウドウ)や、S2b2cモデルの雲集(Yunji)などが今後も躍進しそうな理由も、上記の考察から理解できます。

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■新着コンテンツ一覧
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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(9)
 ~自宅待機で改装需要アップ? 住環境のアップグレード需要

 長期の自宅待機期間を経て、人々は自宅の快適さや機能性、安全性などをより意識するようになっている。中国建築装飾協会住宅装飾装修和部品産業分会が公表したレポート「新型コロナウイルス危機後の家・装消費意向調査」によると、回答者の56%近くが自宅の内装を新しくしたいと考えているようだ......

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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(8)
 ~心身のバランスを追求 リアルの交流や帰属感も

 コロナ危機後に、一線・新一線級都市の事務・管理職など長時間座って仕事をする人の約70%が、スキマ時間を使ってトレーニングをしたいと考えるようになったという。彼らは忙しい仕事と「半健康」状態の改善の間でバランスを取りたいと考えている......

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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(7)
 ~「初体験」から“当たり前”に オンライン教育とテレワーク

 新型コロナウイルス危機をきっかけとして、消費者は多くのことを「初体験」した。オンライン教育やテレワークはその代表格といえる。調査対象者の21.1%が、コロナ危機の期間中にオンライン教育を初めて体験したと回答。もてあました余暇は学習意欲を呼び起こし、多くの人がオンラインで実行に移した......

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◆コロナ後の中国消費者の意識&行動を調査・予測(6)
 ~健康関連消費が増加 スポーツと学習意欲も向上

 「外出して美味しいものを食べたい」、「ダイエット」、「旅行」、「ショッピング」、「友達や家族との食事」などは、アフターコロナ期に消費者がしたいと考える行為の代表格といえる。これらの業界では今後、大きな消費増が見込まれるだろう。 「スポーツ」と「学び」は、アフターコロナに人々が特に積極的に再開したいと考えているジャンルだ......

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■新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆【統計データ】中国“白髪”世代のスマホ利用状況大調査
 ~ミドルシニア層の好むソーシャルアプリトップ5 (2019年7月)

 微信(ウィーチャット)は、ミドルシニア層が最も好むSNS(ソーシャルサイト)アプリだ。家族や友人との連絡のみならず、投稿された文章を閲覧したり、写真や動画を視聴して知人にシェアすることも楽しんでいる。他のSNSアプリのQQ、微博(ウェイボ)、陌陌(Momo)、OPPO社区などの使用率も比較的高い......

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統計データ一覧はこちら >> 
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2020年7&8月合併号(vol.76)発行

 会報誌2020年7&8月合併号(vol.76)では、巻頭特集で中国版「D2C」の「私域」について調査・研究しました。

 日本でも最近話題の「D2C」。D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、「消費者に対して商品を直接的に販売する」というビジネスモデルのことです。B2BやB2C、C2Cなどは企業や消費者など「誰と誰の取引であるか」を表した取引形態ですが、D2Cはどちらかというと「どのように取引をするか」によりフォーカスしているのが特徴です。

 ダイレクトという文言の通り、既存の小売・流通店やECプラットフォームなどを介さず、自社で企画・製造した商品を、自社のチャネルで直接販売する業態ですが、注目されるようになったのは、2010年頃でアメリカから。ブログやSNS(ソーシャルサイト)などを駆使して成功を収めたスタートアップ企業が始まりで、ビジネスモデルとしても十分に成り立つことを証明し、最近では大企業やメーカーもD2Cの展開に乗り出しています。

 D2Cが流行りだした背景には「デジタルシフト」があります。かつてテレビCMや新聞、雑誌などから各種情報を取得していた消費者は、インターネットの普及でウェブサイトへ移行。さらにはスマートフォン(スマホ)の登場で、SNSが重要な情報収集手段となりました。

 スマホで得た情報から直接EC(電子商取引)サイトへアクセスし、注文、デリバリーが一般化した昨今、消費者だけでなく企業のほうも、こうしたデジタルシフトに対応しているかどうかが至上命題となりました。

 また新しい消費者層として存在感を高めつつある1995年以降生まれの「Z世代」の存在も欠かせません。先月号(20年6月号)でも特集したZ世代。デジタルどころかソーシャルネイティブとも称される若者たちは、自分だけのユニークな商品を好みます。

 スマホ・SNSで商品だけでなくブランドストーリーや信念、こだわりなどの情報も発信。 “スモールマス”(ニッチな市場ニーズ)ながらもロイヤルティ(忠誠心)の高いファンに支えられ、存在感を高めつつあるD2C。では中国でのD2Cはどのような状況なのでしょうか。

 中国ではブランドではなく、より「売り方」のほうに着目して語られることのほうが多いようです。つまり既存の大手メーカーや著名ブランドを含め、自ら構築したネットワーク・コミュニケーション網をいかに活用して、商品を直接消費者に購入してもらうかという手法のほう。

 それが、中国で「私域」と称されるネットワーク網のこと。「私的」な「網域」の略で、「プライベート・ネットワーク・ドメイン」という直訳になりますでしょうか。

 一方、淘宝(タオバオ)や天猫(Tモール)、京東(JDドットコム)、百度(バイドゥ)など既存のネット・EC大手は、「公衆(パブリック)」ということで「公域」となります。まさにこうした公域に依存しない独立した情報網、つまり顧客との接点をいかに自社ネットワーク化するかが、中国でも注目されているのです。

 今号では、このD2Cが中国でどのように展開・運営されているのかについて、公域と私域の違いから、私域の強み、運営主体、構築・運営方法、ビジネス生態系(エコシステム)、消費者の反応、微信や企業微信の活用事例のほか、新興コスメブランド「完美日記(パーフェクトダイアリー)」など成功事例4社のケーススタディも交えながら、詳しく調査レポートしています。

 次に中国ECの“影の主役”として、ますます存在感を増す「社交電商」業界を調査・分析しました。

 社交電商の「社交」とは、中国語でソーシャルという意味で、つまりソーシャルネットワークサービス(SNS)のこと。「電商」は電子商務(電子商取引)なのでEC。つまり社交電商は「ソーシャルEC」となります。SNSなど社交の場から商品ページに誘導し、販売転換(コンバージョン)するシステムを備えたEコマースのことです。

 アリババの淘宝網(タオバオ)が誕生した2003年以降、中国の消費者向けネット通販(Eコマース)市場は順調に成長を持続させてきました。しかし近年は成長速度も鈍化。市場の飽和感も否めません。顧客獲得コストが高騰し続ける中、それを打破する新たな“ブルーオーシャン”として期待を集めているのがソーシャルECです。

 中国のソーシャルECとは、チャットアプリの微信(ウィーチャット)、ミニブログの微博(ウェイボ)、動画投稿の抖音(ドウイン・TikTok)や快手(クアイショウ)といったSNSのツール上で、ユーザーのネットワークや彼らが発信するコンテンツを利用して、ブランドや商品の情報を拡散し、販売へと落とし込む手法となります。

 もちろんユーザーに商品を購入させることが最終目標ですが、単に情報をフォロー・シェアしてもらうことで、効果的な販売促進を展開することが可能となるため、ネット上の人間関係を利用した新たなEコマースモデルの発展形ともいえるでしょう。

 なんとなく概念はイメージできるかもしれませんが、具体的にどのような仕組みやビジネスモデルになっているのか。すべてが微信を中心としたスマホのSNSアプリ内で繰り広げられているため、実態がわかりにくいのも事実です。そこで今号では詳しく調査・分析した上で、極力わかりやすく解説しています。

 淘宝や天猫、京東など従来型ECとの違いから、ソーシャルEC成長の要因、市場規模や従事者数の推移、ユーザー層、ASP・SaaS(Software as a Service)ベンダーの実態を調査・分析。またソーシャルECの4大モデルである①共同購入型、②会員アフィリエイト(分銷)型、③コンテンツシェア型、④社区・社群コミュニティ共同購入型について、それぞれ詳しく説明しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2020年7&8月合併号(vol.76)  もくじ
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【巻頭特集】中国版D2C「私域」調査研究レポート
中国版D2Cはいかに微信を活用するか!!
SNS時代の王道マーケティング「私域」徹底研究
 ~コロナでにわかに注目を集めている「D2C」。消費者に直接販売する新しい“売り方”だが、中国の状況はどうなのか?スマホ依存がますます強まる中国で「私域」と呼ばれる概念がD2Cに該当するようだが、その実態とは??? 

【業界研究】中国ソーシャルEC市場調査レポート
中国ECの“影の主役”として急成長
存在感増す「社交電商(ソーシャルEC)」徹底調査
 ~双11や618などビッグセールに目を奪われがちな中国ECだが、実際には網の目のごとく深く浸透するSNSの影。このSNSをベースとした新たなECであるソーシャルECが今後の勢力図を変えていくかもしれない!!!

【マーケティングレポート】セルフィの鮮度③&完
突然現れる店、群がる消費者たち
 ~フィットネス、コスメと、なぜ今、“自分をより良く見せたい”との願望が強まっているのか。背景を読み解く手掛かりは、ポップアップストアだ・・・

自分が変われば、世界が変わる
 ~“期間限定のレア感”こそ、若年層の間に“自分をより良く見せたい”需要が高まってきた背景があるのだが、その背景とは、端的に言えば「変身願望」だ・・・

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