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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


現地視察レポート ~武漢大学
桜の名所、鑑賞するにはスマホが必須
2016年5月26日
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 重慶、南京と並び中国三大火爐として夏の暑さの厳しさが有名な湖北省の省都・武漢。東西南北へと広がる交通網の要所として内陸流通のハブ地となる。また日産やホンダの合弁先である東風集団をはじめとする中国有数の工業都市でもある。武漢は長江を挟んだ漢口、武昌、漢陽の三市が1927年に統合され、人口1033.8萬人(2014年末時点)を有する巨大都市となった。市全体の総面積も8494㎡で上海(6340㎡)と比べてもその広大さが際立つ。

  武漢有数の観光スポットであり市民の憩いの場でもある東湖。その湖畔にある武漢大学は中国で最も美しいキャンパスのトップ10に名を連ねる。1893年設立で、総数5万名を超える学生が在籍する。普段は静かな雰囲気だが、毎年3月頃には中国全土から多くの人が押し寄せる。お目当ては「桜」だ。

  中国国内でも鑑賞スポットとして有名な武漢大学の桜。1972年の日中国交正常化を祝い、田中角栄首相が周恩来首相に贈呈した苗木の一部が植えられたもの。その後、武漢大学が増殖を繰り返し、現在キャンパス内の桜は1000株を超える。

  毎年、満開を迎える3月中旬には「桜花季(祭り)」が催され、入場料20元で部外者にも開放。昨年は入場者が1日に10万人を超すほどの大盛況ぶりだった。今年、ちょうど3月16日にクライアントの案件で現地での消費者グループインタビューを行うことになり、長年一度は訪れて鑑賞したかった夢がかなった。大勢の客が殺到すると思い、あらかじめネットでチケット予約購入できないかと思い、調べていたところ、今年は入場は無料とのこと。しかし、平日は1万人、週末は2万人に入場が制限されている。9月が新学期の中国では、3月はちょうど学期のまっさなか。騒々しい鑑賞客の歓声が、学生の授業や休み時間の活動に悪影響を与えていると指摘されるようになったかららしい。

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  スマートフォン(スマホ)アプリの微信(ウィーチャット)上で事前登録が可能だ。登録受付は入場日の3日前の午後8時からスタート。受付開始直前からスマホを手にしてスタンバイしていたが、訪問日が平日の水曜日だったためか、何とかスムーズに無事に登録が完了。一方、週末の予約状況を確認したところ、午後10時には満席で受付終了になるほどの混雑だった。

  登録はまず身分証(パスポート番号)や携帯電話番号など必要事項を記入。すぐさま受付完了のSMS(ショートメッセージ)が届いた。そのメッセージに記載されたリンクをクリックすると、QRコード付きの入場証が取得できる。入場門で、学生ボランティアがそのQRコードをスマホで読み取り入場が許可されるという仕組みだ。入場門の前では「登録済ませた?」と聞くダフ屋も登場。「スマホを持たない人はどうするんだろう」という心配もよそに皆何事もなく入場を許可されていた様子に、改めて中国でのスマホ普及度合いに驚愕した。

  今回この仕組みを提供したのは「活動行」という台湾発のアプリ開発会社。スマホを使った各種サービス需要が高まると判断し、2012年に北京中関村に現地法人を設立。各種イベントのリリースとともに、宣伝からチケット購入、決済、入退場管理など一連の作業をオールインワンで解決できるプラットフォームを提供している。

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キャンパス内では地場系ベーカリーチェーンの「仟吉」と共同開発した桜のカステラやゼリーが、また付近のケンタッキーフライドチキンでも桜花季限定セットを販売。校内に設置された「桜花郵局」では桜の絵葉書やしおりなどの販売とともに投函も可能。無料のスタンプ台も設置され、多くの客で賑わっていた。

  今年は武漢大学で最も有名な鑑賞スポットの「桜花大道」が、沿道にある桜園学生寮の改修工事のために閉鎖となった。全長200メートルの緩やかな傾斜の小道に1000本の桜が並ぶ様子を目にできなかったのが唯一の心残りだが、ちょうどタイミングよく満開を迎えた数々の桜に感無量だった。また中国各地の方言や発音が入り混じった歓声を耳にしながら、内陸都市・武漢で“日中友好”のシンボル「桜」が国境を越えて慕われている光景に、心から嬉しく思った。

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