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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第241回】 上海の秋の風物詩といえばカニ
旬の上海蟹は紹興酒と共に
2016年10月19日
 「咸亨酒店」は、魯迅の有名な小説「孔乙己」の舞台
「咸亨酒店」は、魯迅の有名な小説「孔乙己」の舞台
 朝夕めっきり涼しくなり、すっかり秋の到来を感じます。上海の秋といえば「大闸蟹(上海蟹)」。通りにはこの季節の風物詩ともいえる特設の専門店が出始め、いまから本格的な解禁が待ち遠しいです。

 上海蟹に合わせるものとして、生姜入りの香醋(黒酢)のほかに欠かせないのが「黄酒」、日本で言う「紹興酒」でしょう。紹興酒は浙江省・紹興で盛んに作られているもち米ベースの醸造酒。若干シェリー酒にも似た味わいで、口に広がる香醋のような酸味と甘味が上海蟹の独特の生臭さを消し去るとともに絶妙なマリアージュを醸し出します。

 上海に住み始めた12年前に初めて食べたとき、正直上海蟹は好きではありませんでしたが、上司から「3年したらやみつきになる」と言われ、まさに今はその言葉通り。毎年秋になると、名産地の陽澄湖(江蘇省)で養殖する知り合いの生産者から直送してもらい、友人宅で蒸したての上海蟹に舌鼓を打っています。

 国慶節休暇には江西省まで車で旅しましたが、上海への帰路に紹興に立ち寄りました。紹興は戦前日本にも留学したことのある著名作家の魯迅の生まれ故郷。彼の生家が昔のまま残っており、その周りが魯迅を記念する博物区となっているとともに、中国共産主義の教育センターとしての役割も担っています。

 その傍にある「咸亨酒店」は、魯迅の有名な小説の舞台でもあり、ここで「孔乙己」という人物が茴香豆(そら豆)とともに紹興酒を嗜むというストーリーが有名です。彼はいつも酒代を“つけ”で払うのですが、最後に訪れた酒代「19銭」はいまだに“つけ”のまま。その貼り紙もちゃんと壁に貼ってあるところがまたお茶目な感じです。2度目の訪問だったのですが、今回は小説「孔乙己」(日本語翻訳版)を読んでから行ったこともあり(アマゾンのキンドルで無料ダウンロードできました)、より親しみを感じました。

 お店のカウンターで、茴香豆とともに「太雕王」という16年ものの紹興酒(250mlで34元)を頼みました。ここでは紹興酒のカメから細長いオタマですくい、大きめなお碗に入れて出されます。普段スーパーやレストランで購入する黄酒は薄い半透明の茶色をしていますが、ここでは香醋のように黒々、味わいも濃厚で芳醇。併設のレストランで注文した地元名物の臭豆腐や梅乾菜などの料理とも相性抜群です。早速お土産に数本購入しましたが、今年の秋はこの紹興酒とともに、上海蟹を楽しみたいと思います。 


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