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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第320回】 日本の曲を中国人が大合唱
中国でいま話題の映画「後来的我們」
2018年5月9日
かつての台湾のアイドル・劉若英(レネ・リウ)監督処女作の映画「後来的我們」
かつての台湾のアイドル・劉若英(レネ・リウ)監督処女作の映画「後来的我們」
 先週末に、いま中国で話題の映画「後来的我們」を観に行きました。この映画、何が話題かというと、ストーリーや出演している俳優ではなく、監督が「劉若英(レネ・リウ)」であること。台湾出身の歌手兼女優で、1990年代にアイドルとして大人気に。愛くるしい笑顔と優しい歌声が、台湾だけでなく中国じゅうのファンを虜にしました。

 劉若英で思い出すのは、2010年の上海万博の頃。当時、シャープの液晶テレビのイメージキャラクターに起用され、街頭からテレビ、エレベーターなど、町の至るところで、彼女の広告を目にしました。実際に売上も絶好調だったようで、急成長する経済と日に日に目まぐるしく変化する社会や価値観など、当時の街全体の高揚感を思い出しました。

 映画も北京を舞台に、主人公がちょうど07年の春節に田舎の実家に帰るシーンから始まります。まさに北京オリンピックを控え、経済が急発展している最中。田舎から「チャイニーズドリーム」を夢見て、貧しいながら奮闘するカップルの愛と現実、そして別れと再会など約10年間が描かれています。

 この映画で特に印象深かったのが、男性主人公の父親。妻を出産後に先立たれ、男手一つで飲食店を切り盛りしながら、息子を大学まで通わせました。1年に一度、春節のみ帰省する息子を温かく迎えながら、女性主人公も家族同様にもてなします。最後にほとんど視力を失った目で、必死に書き残した女性主人公への手紙は、まさに感動でした。内容についてはあえてここで言及しませんが、とにかく、“物理的”でなく“精神的”な「家」が大切であることを教えてくれます。

 最後に、映画のエンドロールで、劉若英の代表曲「後来」の映像が流れます。彼女のコンサートで、大観衆が大合唱しているシーンなのですが、これがまた感動します。この「後来」、実は沖縄の女性二人組グループであるKiroroの「未来へ」の中国語バージョン。年頃の中国人であれば、この曲を知らない人はいないくらい有名です。中国語の歌詞ではありながら、日本の曲を観客全員が熱唱している光景は、何とも表現できない感慨深さがありました。

 07年以降の自分とついついオーバーラップさせながら見入ってしまう「後来的我們」。日本で上映されるか分かりませんが、機会があればぜひとも観ていただければと思います。
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