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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第348回】 新小売を推進するアリババの狙いとは
クチコミとデリバリーで変わる中国消費
2018年12月12日
「双12」キャンペーンのエレベーター広告
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 先週のメルマガでお伝えしたアリババの新会社「阿里本地生活服務公司」。クチコミアプリの「口碑(コウベイ)」と、今年4月に買収したネット出前(フードデリバリー)の「餓了麼」の両社を統合。消費者を「お店へ」と誘導する口碑と、「お店から」お届けする餓了麼を合体させたアリババの狙いとは。

 すでに4月の餓了麼買収以降、ユーザーアカウントだけでなく、支払いや紅包(ホンバオ=お年玉)、クーポン券などマーケティング機能を統合。餓了麼傘下の配送プラットフォーム「蜂鳥配送」も、口碑が推し進めるオムニチャネル概念「新小売」業務に組み込まれ、口碑の出前サービスはすでに餓了麼に移行済みです。実際に餓了麼のオーダーの1/3が、支付宝(アリペイ)、手淘(淘宝アプリ)、口碑からとなっているもよう。

 両社の統合により、676都市で350万の店舗をカバーしています。餓了麼の配送スタッフ66.7万人、口碑ユーザー1.68億人、そして口碑アプリによる注文システムを導入している飲食店も30万超。さらに両社共同で金融サービスを提供、店舗への貸付総額は400億元に達しているとのこと。

 今回の統合は一方で、ライバルである「美団」への宣戦布告ともいえるでしょう。同じくクチコミアプリ「大衆点評」と出前アプリ「美団外売」を擁する美団。同社のカバー範囲は全国2500の市県に及び、18年第1四半期のネット出前シェアでも54%と、35%の餓了麼を上回っています。

 今年の「双12」イベントでは「口碑+餓了麼」を大々的にアピール。今年5回目となる双12ですが、2014〜15年はスマホ決済「支付宝」を普及。16〜17年はクチコミアプリ「口碑」と支付宝を融合。そして18年はさらにネット出前の「餓了麼」を組み込むことで、半径3キロメートル内の生活圏、つまりアリババがいう「本地生活」内のサービスをワンストップで提供します。

 口碑を使ってお店を探し、お店ではアプリを使って注文。自宅では餓了麼で出前を注文。もちろん、淘宝網(タオバオ)や天猫(Tモール)でネット通販を楽しみ、生鮮品も盒馬鮮生や大潤発など傘下のスーパーで買います。さらにはコーヒーも8月に戦略提携を発表したスターバックスから宅配してもらう。これら全てがスマホのアプリと決済とで「データ化」することで、8億人に上る中国の都市住民の「都市生活」を再定義、より良く、便利にさせたいとしています。

 今回の新会社にはソフトバンクも投資しているとか。改めて同社の手広さに脱帽です。
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