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【第3回】 最大手ワトソンズにマツキヨやセガミが挑む

日系メーカーの存在感は?中国ドラッグストア市場

2012年1月10日更新

  ドラッグストアチェーン大手のマツモトキヨシが今春を目処に北京や上海でPB(プライベートブランド)商品をテスト販売的に供給するという報道を目にしました。中国からの観光客がこぞって銀座のマツモトキヨシで化粧品や日用品を購入していることを考えるといよいよかという感じです。日系のドラッグストアチェーンでは、セガミがすでに上海の繁華街に進出しています。徐家匯のショッピングモール、美羅城の地下1階にある店舗は地元の買物客で賑わっており、日本式のドラッグストアに対するニーズは根強いと思われます。

  日本の化粧品や日用品メーカーにとっては、ドラッグストアチェーンが中国で店舗展開をすればその分売場が増えるので大歓迎でしょう。しかしながら、中国では化粧品や健康食品を販売するための許認可取得に年単位の時間がかかってしまうことから、売場が増えたからと言って諸手をあげて喜ぶわけにはいかないかもしれません。

  さて、中国のドラッグストア市場の規模と成長スピードはどれくらいなのでしょうか。 

  日本のように厳密な「ドラッグストア市場」という分類がないため、正式な数字は存在しないのですが、2010年末の時点で1,200億人民元に到達した中国化粧品市場のうち、ドラッグストア系化粧品のカテゴリが年率15%~20%成長しているといわれています。特に中国のドラッグストア市場をけん引しているのは、業界最大手で香港系の「ワトソンズ(屈臣氏)」で、同社の売上は毎年30%以上成長しており、2011年には中国全土150都市に合計1,000店開設し、2016年までに3倍の3,000店にまで拡大する計画だそうです。

  ただ、気になることもあります。これほど中国全土をカバーする同社の売り場で、いざ日本の化粧品や日用品を探してみると少ないことです。日本の商品の人気がないからなのか、営業不足なのか、もしくは単に日本商品を販売できない構造的問題なのか・・・。

  ワトソンズは現在、次の3つの商品ラインに分けて品揃えしているそうです。それは、1)トップブランド、2)自社(PB)ブランド、3)無名ブランドの3つ。そのうち、1と2は売れ行きも好調で利益も十分確保できているようですが、3についてはほとんど売れないのが実情のようです。それでも、強力な販売力とルートを背景にした棚代や販促代をメーカーからしっかり受け取るので、業績全体にはそれほど大きな影響はないようです。もちろんこれら企業には中国に進出したての日本メーカーも含まれていることになるでしょう。

  これらの疑問や実態について、実際にワトソンズのバイヤーにインタビューし、様々な質問を投げかけました。その結果について、2月9日(木)に東京・六本木ヒルズで「化粧品、健康食品、日用品メーカーが熱い視線~中国最大手の香港系ドラッグストアチェーンを徹底分析!」と題した「チャイナ・マーケット・インサイト第2回」セミナーを開催します。興味のある方はぜひ下記アドレスより詳細をご覧下さい。

チャイナ・マーケット・インサイト 第2回
化粧品、健康食品、日用品メーカーが熱い視線
「中国最大手の香港系ドラッグストアチェーンを徹底分析!」
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=ECNews&Cmd=DataList&Action=Detail&ECid=38

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