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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第354回】 コスパ重視の中国人消費者が増加中
「ポスト爆買い」の戦略思考
2019年1月30日
訪日中国人旅行客一人当たりの消費額が18年はオーストラリアに抜かれ首位陥落
訪日中国人旅行客一人当たりの消費額が18年はオーストラリアに抜かれ首位陥落
 いよいよ来週は春節(旧正月)。中国は2月2日と3日の土日を振替出勤日とし、4日の除夕(大晦日)から10日までの7日間が大型連休となります。

 春節といえば、日本側で大きな期待が寄せられているのが“爆買い”ならぬインバウンド消費でしょう。今年も多くの中国人が日本行きの観光ビザを申請しているようで、デパートや免税店などは手ぐすねを引いて待っているのではないでしょうか。

 ただこの「爆買い」も、最近は様子が変わってきているようです。2012年末の第二次安倍政権発足を期に始まった「アベノミクス」。デフレ脱却を目標に大胆な金融緩和により「円安」が進みました。また、14年10月には食品や薬品、化粧品など消耗品の多くが免税対象に追加。当時まだ12年の反日デモ騒動からの後遺症が色濃く残っていた日中関係でしたが、多くの中国人観光客が押し寄せました。

 15年の流行語大賞にまでなった「爆買い」。東京・銀座の道端では大きなスーツケースをゴロゴロ引きながら、ユニクロやラオックスで炊飯器や温水洗浄便座などを大量に購入する中国人観光客の姿を多く目にしました。しかし最近は、ほとんどこうした光景はほぼ見かけなくなりました。中国語の会話は到るところで耳に入るにもかかわらずです。

 先日東京で聞いた話ですが、最近は、中国人客はお店に来てはくれるが、ほとんど何も買わなくなったと百貨店業界の方が嘆いているとか。おそらく時計や宝飾品などの高額商品のことだとは思うのですが、とにかく財布の紐がきつくなったと実感しているようです。

 実際に観光庁の調べによると、18年の訪日海外旅行者の1人当たりの消費額で、オーストラリアが中国を抜いてトップになったとのこと。もちろん全体では中国が34.1%で圧倒的に首位なのですが、それでもこの事実は注目に値します。

 円高基調やリピーター増などの理由もあるでしょう。一方、中国で昨年から蔓延る「消費降級」という風潮。消費をダウングレードさせるという意味ですが、より理性的にブランドではなくコストパフォーマンスを追求する中国人消費者が増えつつあります。もちろん、日本企業はこの点に一日の長がありますが、そのうち中国国内でもコスパに勝るとも劣らない商品が出現するかも知れません。

 19年1月1日には電子商取引法も施行され、越境ECにも何らかの影響が出てきそうです。中国人旅行者は今後ますます増えていきそうですが、「爆買い」なき後のインバウンド消費の取り込みには、彼らのニーズや変化により立脚した中長期的な戦略が求められているとも言えるでしょう。 
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