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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第64回】 ECにおける経営性ICPと非経営性ICP
ネット販売でICPライセンスの認可は必要?
2013年3月27日
 先日クライアントとの会議で、ICPとECの関係について依然として明確になっていない印象を受けましたので、改めて簡単におさらいしたいと思います。ICPはインターネット・コンテンツ・プロバイダーの略称で、インターネット上で何らかの情報を発信する個人や会社、組織はいずれもこのICPに属するわけですが、その際に有償で、つまり、発信する情報(コンテンツやサービス、機能など含む)に対して何らかの費用を徴収する場合は「経営性」ICPということで、省級の商務主管部門に認可を申請しライセンスを取得する必要があります。

 この代表的な例としては、楽天のようにネット上で仮想型のショッピングモールを運営する場合で、出店者からテナント料やシステム利用料などを徴収するため、これが有償の情報(サービス)だということで中国では必ず経営性ICPのライセンスを取得する必要が出てきます。

 一方、会社や商品、業務内容、所在地などを掲載するホームページをネット上で掲載することは多々あると思いますが、この場合はそれら情報そのものから何ら対価を得ていませんので、「非経営性」ICPということで認可申請は不要となり、単に省級の通信管理局のウェブサイトで届出申請をすれば10から20日後に受理番号が配布されます。

 そこでECですが、ECはネット上で商品の情報を発信したうえで注文を受け、費用を徴収するので経営性ICPなのでは、しかしその費用はあくまでも商品の代価であり情報やサービスに対しては費用を徴収していないので非経営性ICPだろうと混同してしまいますが、結論からいうと非経営性ICPとなります。

 よって、ユニクロをはじめ多くの日本企業が中国でもECサイトを立ち上げてネット販売していますが、いずれもICPライセンスの認可取得したわけではなく、単に小売企業としてネット販売もしているという位置づけになります。

 今回のクライアントが志向している事業モデルですが、ネット上で商品売買のプラットフォームを提供し、そこで売り手と買い手がシステム使用料を支払ったうえで情報を検索し、売買が成立した暁にはその手数料を支払うというスキームなので、紛れもない経営性ICPモデルとなります。現在、法律上はこうした経営性ICP企業を設立するための要件として外資は50%までしか認められていませんが、実際には内資(中国資本)100%の会社しか認可が下りないと言われています。

 そうすると、結局この事業を推し進めていくには、すでに経営性ICPライセンスを保有している内資企業と提携するか、新たに中国国籍の方にお願いして会社を作るかしかなくなるわけですが、いずれにしても当事者間で各種リスクが存在します。

 しかし一方で、このスキームをEC化してしまう、つまり、商社的に売り手と買い手の間に仲介し商品売買の商流に乗っかって利ざやを抜くというモデルにしてしまえば、単純なECになるので経営性ICP云々と苦慮しなくて済むようになります。もちろんその場合、今度は債権回収のリスクが出てきますし、そもそも何ら真新しくもないビジネスモデルとなり優位性も失われてしまうでしょう。

 ただこれまでこのような相談を何度か受けてきましたが、個人的にはできるだけ当事者を少なくし、スキームもよりシンプルにかつコントローラブルにし、もっと事業そのものに傾倒したほうがいいと思うようになりました。

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