中国マーケ成功の鍵は「網紅化」
網紅の代表格「喜茶(HEYTEA)」 |
ここ数年、中国の消費シーンにおいて、ネットで人気に火が付いたヒトやモノ、レストランなどを称する「網紅(ワンホン)」(※中国語で「網」はネット、「紅」は人気があるの意)の存在感が増している。
いわゆるインフルエンサーだけでなく、網紅と呼ばれる商品や店舗も増えている。「網紅」という枕詞がつくだけで人々から大きな注目を集め、行列や入荷待ちも日常茶飯事となっている。
チャットアプリの微信(ウィーチャット)の朋友圏(モーメンツ)には、網紅グッズや網紅店の投稿を頻繁に目にする。チャットグループで話題になることも多く、そうした情報メディア系の公式アカウント(公衆号)がフォローされることも少なくない。日本ではTikTok(ティックトック)で知られる「抖音(ドウイン)」や「快手」などのショート動画投稿アプリでも数多く登場する。
このようにスマートフォン(スマホ)上で短期間かつ集中的に関連の情報や動画が拡散される商品やブランドが「網紅」と定義できる。網紅店や網紅商品は、スマホが普及したモバイル通信時代において、リツイートやクチコミといったスピーディで広範囲に渡る爆発的な拡散力の産物といえるだろう。
いまだに行列が途切れない茶飲料チェーン「喜茶(HEYTEA)」や、芸能人にも人気のココアパウダーたっぷりのパン「臟臟包(ザンザンバオ)」、大人にも人気のキャラクター「ペッパピッグ(Peppa Pig)」の時計、都会のホワイトカラー層に人気の英系家電「ダイソン」、さらには若者向けに“イメチェン”に成功した中国白酒「江小白」などは、その一例といえるだろう。
販路から「網紅」覇権時代へ
変わる中国マーケ手法