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中国「直播(ライブ配信)」市場調査分析レポート(1)
ライブコマース人気爆発で大盛況!!
2021年4月20日
ライブコマース人気爆発で大盛況!!

教育・娯楽分野にも広がる中国「直播」ビジネス

  携帯通信インフラの拡充とスマートフォン(スマホ)の普及により、スマホで気軽に撮影して動画を配信する新しい娯楽メディアが誕生した 。特に2015年ごろには、若くてキレイな女性がスマホ画面の前でダンスや歌、トークを披露して、視聴者から「紅包(投げ銭)」をもらうというビジネスモデルも登場した。

  こうした動画は、「短視頻(ショートビデオ)」と称される数十秒から数分の短い動画と、「直播(ライブ放送)」と称されるライブ中継動画とに区分されるが、2019年は特に後者の直播に大きな注目が集まった。

  直播は「ジーボー」と読み、日本でいうユーチューブのライブ配信やニコニコ生放送での生配信を指す。欧米などでは「ライブストーリーミング」と称され、ゲームやエンタメ性のあるコンテンツの配信が主流だ。

  中国でも元々は単にライブで動画を配信するだけだったが、ここにEコマースの機能を合体。あたかもスマホ版のテレビショッピングがごとく、「ライブ動画+EC」である「ライブコマース」の人気が一気に爆発した。

  2020年に入り、中国で感染拡大した新型コロナウイルスにより、多くの人たちは自宅待機を余儀なくされた。外でショッピングや食事ができなくなった消費者が、そうした欲求を満たすために向かった先がスマホだ。

  普段のネット通販だけでなく、日々の生鮮品の購入からオンライン授業や医療、テレワーク、ホームトレーニング、さらには飲み会やディスコ、旅行までもがスマホを介して行わざるをえなくなった。

  こうしたニーズの急増を背景に、ネット大手各社もライブ動画配信事業を積極化。ライブ配信者の数だけでなくユーザー数も大きく伸び続けている。新型コロナによる「ニューノーマル(新しい日常)」が叫ばれる中、ライブ動画配信(直播)市場はますます拡大していきそうだ。

  もはや中国でのマーケティング戦略で欠かすことのできない存在となった直播について、今号では、ライブコマースだけでなく教育やエンタメ分野での状況も含めて深掘りしていこう。
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