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【第474回】 バドワイザーがフルーツビールを新発売!!
若者のビール消費、女性が男性を抜く??
2021年6月16日
 先日訪れたアリババ系スーパーの盒馬(フーマー)の「X会員店」。いわゆるコストコやサムズクラブといった会員制倉庫型の店舗形態です。第1号店は、上海浦東新区の北側、森蘭緑地近くにある「森蘭商都」モールの地下1階で、2020年10月にオープンしました。

 盒馬は御存知の通り、スマホアプリから注文してデリバリーしてもらえるネットスーパーで、上海などでは、スマホからの注文が7~8割とも言われています。そうした中、清明節の連休期間だったこともあるのか、店内には多くの客で賑わっていました。

 トイレットペーパーなどの日用品からスナックや生鮮食品、さらにはワインや白酒なども種類が豊富で、かつ割安となっています。自宅が半径20キロメートル以内であれば、翌日以降にデリバリーしてもらえるのですが、そうではない客が安さを求めて来店しているのでしょう。

 私の足は自ずとワインやビールなどの販売エリアに向いてしまうのですが、そこで興味深い販促の特設ブースを発見。濃いピンク色がベースで、一見カクテル系?とも思いがちなイメージなのですが、実際にはバドワイザーが新発売したフルーツ系ビール「ME3」です。

 試飲してみると、パッションフルーツの味と香りが口中に広がります。正直これビール?と思うほど、ビールの味は感じず、アルコール度数も2.8%のみ。最近流行りのフレーバー付きの炭酸飲料と言われても疑わないような味わいでした。

 これも、酒類市場で女性消費者の存在感の高まりを反映しての新商品なのでしょう。実際に、中国大手経済情報メディア・第一財経傘下のCBNData(第一財経商業データセンター)も、酒類の消費ビッグデータから、「90後」と「95後」世代の男女の割合は、ほぼ五分五分となり、「90後」世代では女性消費者の割合が男性を上回っているともレポートしています。

 これまで一貫して男性を主要ターゲットと捉えてきたビール業界ですが、女性消費者も無視できなくなりつつあります。ある調査で、ヒアリング対象となった女性消費者の44.7%が、最近ビールを飲んだと回答。なかでも「90後」世代の女性の割合が高かったようです。

 ちなみに中国では華南地区の女性がビールを飲む割合が44.5%で最も高く、2位の東北地区を7.5ポイント上回っているもよう。喉を癒やすために、キンキンに冷えたビールを求める女性が増えつつあるのでしょう。
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