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【第108回】 台湾の消費パワーと中国人の存在感
台湾で見た日本人気と中国人へのおもてなし
2014年2月12日
中国本土からの観光客で賑わう台北101
中国本土からの観光客で賑わう台北101
 春節(旧正月)休暇に台湾・台北市に行ってきました。台湾訪問は3年ぶり。1998年から2004年までの6年半を過ごしたのでなじみ深い場所でもあるのですが、この3年間で桃園空港の第1ターミナルが改装され、また空港から市内までのバイパス道路や捷運(MRT:都市軌道交通+地下鉄)が整備され、町全体が一段とグレードアップしたような印象を受けました。

 台湾人の日本好きは有名ですが、街中には相変わらず日系飲食店やショップが至るところにあり、日本語の看板やポスターなどが自然と目につきます。

 今回特に驚いたのが、日本のラーメン店が数多く出店していることです。阪急やそごうなど日系の百貨店では三田製麺所やリンガーハットなどのチェーン店が軒を並べ、またMRT駅近くの路地裏などには個人オーナー系のラーメン店もたくさんあります。台北ラーメン戦争が繰り広げられているかの如くの激戦区となっています。

 春節期間ということもあり、お昼時には行列ができるほどの人気ぶり。家族連れから若者カップルまで幅広い客層が順番待ちをしていました。中国・上海ではようやく一風堂が日本の本格ラーメン店として存在感を出し始めた段階ですが、台北ではラーメンがすでに市民の食生活に入り込んでいます。

 とんかつも人気です。特に阪急百貨店の地下にある「杏子日式豚排店(和心とんかつ あんず)」は春節元日の夕食時に70分待ちの行列ができ、まるで遊園地にでも来ているような状況でした。セブンイレブンも北海道十勝産の生クリームを使ったソフトクリームを販売し、連日25℃を超えた春節期間中はどこも行列ができていました。

 一方、台湾一ののっぽビル「台北101」でも展望台に上るエレベーターの前で長蛇の列ができていましたが、こちらは中国本土(大陸)からの観光客です。地下にある高級スーパーも多くの買物客で賑わっていましたが、その3分の2以上が中国からの人でした。高級ブランドの紙袋を提げている人が多く、免税申請窓口にも行列ができていました。

 2013年のGDP成長率が前年比2.19%増と低成長時代を迎えている台湾。台北101の高級スーパーでは中国人観光客が青森産リンゴを勝手に触って店員と喧嘩になっている場面にも遭遇しましたが、彼らをもてなして景気浮揚につなげたいという台湾の強い気持ちもひしひしと感じた久々の訪問でした。


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