中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


北京で感じた最新トレンドとカルチャー
商業面でも存在感、北京の底力
2014年5月21日
 IMG_3402_S.jpg
  会報誌最新号の巻頭特集で北京の消費現場を取り上げました。北京は中国の首都で政治や文化の発信地ではありますが、経済の中心地としては上海にその座を譲っているようなイメージがあるのも拭えないでしょう。中国内ではこの2大都市について、上海は「国際」的な大都市だが、北京は「中国(国内)」の大都市と言われることもあります。

  私も上海在住がもうすぐ10年を迎えますが、北京を訪れた回数は出張含め20回を少し超えた程度ではないかと思います。北京市内にもあまり馴染みがないだけでなく、最近はPM2.5など深刻な大気汚染のニュースなども影響してか、ついつい足が遠のいてしまいます。
  

  しかし、北京も2008年のオリンピックを機に街や市民のホスピタリティがガラッと変わったイメージがあります。地下鉄の乗車マナーもオリンピック後には格段と向上しましたし、タクシーの運転手も以前は独特の舌を巻く北京訛りの発音でまくしたてられていましたが、最近は丁寧な普通語(標準語)で話しかけてくれるようになりました。こうした変化も、中国の首都(代表)としての意識が強い北京市民が、オリンピックで訪れた外国からの観光客に「好」イメージを持ってもらおうと心がけた結果だと耳にしたこともあります。

  一方、商業(消費)の現場もそうした変化と歩を合わせるがごとくアップグレードしています。特に今回は12年以降に新しくオープンまたはリニューアルした商業施設を中心に視察を行いまいした。
  今回特に感じた印象としては、従来の高級ブランドを前面に押し出した「贅沢」や「セレブ」感満載の百貨店タイプから、「憩い」や「ゆとり」「体験」「レジャー」といったモールタイプの施設が増えている傾向があることです。特に都市化の広がりとともに居住地区が郊外にシフトしている状況を反映してか、周辺住民に「滞在」を促す開放的で大型のモールが増えていることが印象的でした。

  「経済」や「国際」などのキーワードでは上海に一歩譲ってはいても、「消費」や「商業」のトレンドやカルチャー面での最新情報の発信地としては、中国の首都としての底力を感じずにはいられませんでした。今後も引き続き、北京のこうした最新トレンド情報のアップデートが必要だと改めて感じた視察となりました。
このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop