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【第234回】 名物の羊肉にもトライ!
小旅行で訪れたい上海郊外の七宝
2016年8月31日
伝説の梵鐘が吊るされた七宝老街の鐘楼堂
伝説の梵鐘が吊るされた七宝老街の鐘楼堂
 先週末に上海の七宝老街に行きました。七宝は市中心部(人民広場)から西へ約17kmのところにある郊外の閔行区内の町。宋朝時代の面影を残す古い水郷の街並みで有名な観光スポットです。

 上海に10年以上住んでいながら、実は今回が初めての訪問。上海周辺の江蘇省や浙江省に散らばる朱家角、周荘、西塘、烏鎮など著名な水郷の町には数多く訪れたことがありますが、虹橋地区にある自宅から最も近い七宝は訪れたことがありませんでした。

 七宝の地名の由来は、名の通り、仏像や鐘、経本など仏教にまつわる7つの宝から名づけられたようです。そのうち、七宝老街の鐘楼堂に吊るされた梵鐘が有名でこのような伝説が言い伝えられています。

 “とある昔、1週間も続く大雨で辺り一帯が洪水に見舞われた七宝。すると、大きな鐘が流れ着いてきた。どこからともなく高僧が現れ、「3日間、この鐘を鳴らしてはいけない」と言い、立ち去った。当初は高僧の言われたとおりに鳴らさずに眺めていたが、「何を馬鹿な!」と好奇心に駆られたある僧侶がその鐘を鳴らしてみた。すると街中に響き渡る大きな音がしたかと思うと、その高僧がまた現れ、「この鐘の音は、金銀銅など五金で鋳造されており、遥か彼方まで響き渡るもの。私が行き着くところまでの範囲で平安を与えるものだったのだ。元々3日間で千里を越えようと思っておったが、結局20里で引き返すことになってしまった」と残念がった。一方、この言い伝えを契機に七宝が風水のパワースポットとなり、長く人々から信仰されるようになった。”

七宝の名物料理「白切羊肉」

七宝の名物料理「白切羊肉」

 七宝の名物料理は白切羊肉です。各種薬味とともに水から茹でた羊肉を醤油やゴマなどのソースにつけて食します。肉自体は冷めた状態で、切り身で出されます。しっかりとした歯ごたえの肉とコラーゲンが凝縮された皮のコリコリ感が絶妙な食感を演出します。「なぜ七宝で羊肉?」と思いましたが、古くは上海周辺で多くの羊が飼育されていたとのこと。北方の羊肉に比べて、あの独特の羊肉の臭みが少ないという触れ込みですが、苦手な人にとってはやはり鼻につくでしょう。

 地下鉄9号線も通っており、上海市内から最も近くて便利な郊外の“小旅行”スポットの一つでしょう。ぜひ機会があればふらっと七宝に立ち寄り、伝説の梵鐘と羊肉をトライしてみてはいかがでしょう。


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