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【第271回】 ネットとの融合がキーワード?
アパレル「冬の時代」の各社の取り組み
2017年5月24日
今やどこも閑古鳥が鳴くアパレル各店
今やどこも閑古鳥が鳴くアパレル各店
 会報誌4月号の巻頭特集で中国アパレル業界を取り扱いました。景気減速やネット通販の台頭などを背景に、「冬の時代」を迎えているかに見える同業界。各地の百貨店やモールなど、以前は多くの客で賑わっていたアパレルフロアはいまやどこも閑古鳥が鳴いている状況です。特に数年前まで一世を風靡していたVERAMODAやONLYなどの女性ファッション、韓国系や類似の地場系などからかつての勢いを感じられません。

 一方、ZARAやH&M、ユニクロなどファストファッション系も気になります。各店舗を覗くと、以前のように客が殺到する光景はほぼなくなっていますが、実際の業績はどうなのでしょう。特にユニクロはアリババが主催する11月11日の「独身の日(双十一)」のセールでは爆発的な売上を記録するなど、着実に中国消費者からの支持を集めています。また、そのセールでオンラインとオフラインを融合したキャンペーンを実施して大成功を収めるなど、ネットとリアル両面での「勝ち組」になっているようです。

 ネットでの販売が欠かせなくなってきている中国市場において、アパレル主要各社がどのくらい重視し、取り組んでいるのかも興味深いです。例えば、リアルでは売れなくなってきたので、ネットメインにシフトしているのか、それともやはりリアルがメインでネットは補完的なのかなど。そうした中、ネット専門のアパレルブランドもかなり力をつけてきています。韓国系テイストのファッションブランド「韓都衣舎」などの動向チェックも欠かせないでしょう。

 ファッション以外にも昨今の健康ブームで人気が復活しているスポーツブランドにもスポットライトを当てながら、各地の商業施設でよく見かける日系のハニーズやマウジー、アパレル専門ではないですが、MUJI(無印良品)についてもカバーしています。

 大量生産・大量消費の時代が終焉し、個々のニーズに合ったファッションやデザインが求められ始めたアパレル業界。ある意味そうしたトレンドを先取りする役目を背負う宿命なのが同業界でもあります。その動向を追うことで、中国消費の今後の方向性が垣間見れるのではと思いながら、調査・編集しました。


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