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2016年人気スマホアプリ〜ランキング&トレンド分析 (5)
騰訊の独壇場、版権問題は解決困難か
2017年8月15日

【ミュージックアプリ】
騰訊の独壇場、版権問題は解決困難か

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騰訊傘下の「QQ音楽」は主なミュージックアプリの一つ

  2016年12月時点、インターネットのミュージックアプリのユーザー規模は5.03億人、前年同期比で176万人増加し、ネットユーザーの68.8%に達している。なかでもスマホのミュージックアプリユーザーは4.68億人、前年比で5,152万人増加し、スマホネットユーザーの67.3%に達した。

  16年のミュージックアプリランキングのトップ3「酷狗音楽」、「QQ音楽」、「酷我音楽」は全て騰訊傘下のアプリ。 騰訊はこのジャンルで圧倒的優位を誇っている。

  4位の「網易雲音楽」も緩やかながらユーザー数を増やしており、最近、上海広播電視台、上海文化広播影視集団、芒果文創投資基金から7.5億元の融資を受けている。また湖南広電の音楽バラエティ番組「2017快楽男声」、「我想和你唱」と提携、多くの新規ユーザー獲得に繋がることが期待されている。

  酷狗音楽、酷我音楽、網易雲音楽は、イヤホンや音響機器などハード領域にも参入、製品の自社開発または投資を行うなど、より多元的な発展を目指している。また、ミュージックアプリにとって版権は避けることのできない課題であるが、目下全ての版権を買い取るほど実力のある企業は存在していない。(表5「ミュージックアプリ:週間アクティブユーザー浸透率ランキング」)
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【音声リスニングアプリ】
良質なコンテンツの有料化がトレンドに

  中国では、動画視聴の有料化が一般的になりつつあり、消費者の受容度も高まっている。こうした動画視聴の有料モデルの普及に伴い、ラジオや朗読など異なる類型のインターネットコンテンツにも生き残りや発展の好機が訪れている。

  音声リスニングアプリのトップを走るのは「喜馬拉雅FM」。UGC(ユーザー原作のコンテンツ)モデルを採用、20を越えるジャンル、大量のリスニングコンテンツを擁し、最も活発で製作者も多いプラットフォームだ。現在、ユーザー数は2.8億人を超える。

  2016年6月6日には著名司会者の馬東と人気ネットトーク番組「奇葩説」で活躍する“達人”による有 料リスニング講座「好好説話」の運営をスタート。わずか1日で年会費198元の講座2万5731セットを販売、その金額は500万元を突破した。16年12月3日には850人のインテリ系「網紅(ネットアイドル)」を結集した教養コースも発売、24時間で5,000万元を売り上げた。

  良質なコンテンツの有料モデルは今後、大きなトレンドとなることが予想される。人々のコンテンツに対する意識が高まるにつれ、趣味や教育系のサービスプログラムの大幅な増加も見込まれる。良質なコンテンツに出費を厭わないユーザーは今後も増え続けるだろう。(表6「音声リスニングアプリ:週間アクティブユーザー浸透率ランキング」)
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