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親日マーケットでも日系うかうかできず
台湾で見た中国企業の存在感
2019年2月20日
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  春節期間中に訪れた台湾・台北で町中を歩いていると、改めて「日本」によく出くわします。地下鉄(MRT)の駅構内では、日本の化粧品や家電、さらには日本各地の観光などの広告が所狭しと並んでいます。岩手や鳥取など、正直私も知らなかったような観光スポットを紹介しており、改めて日本観光に「コト」を求める台湾人旅行者のニーズの多様さに驚きでした。

  ドラッグストアでは化粧品や日用品だけでなく、市販薬や健康食品が何種類も並べられ、品揃えはほぼ日本と変わらないくらいの充実さ。飲食店も豊富で、有名なチェーン店だけでなく、老舗の海鮮丼やうなぎ屋などもあり、和服で出迎えてくれる店員などまるで日本にいるかのようでした。

  デパートも三越にそごう、高島屋、阪神(現在は統一)、そしてオープンしたばかりのアトレ、さらには郊外には三井アウトレットと日本の主力小売店のオンパレードですが、最近台北で人気を集めているあるショップが注目です。それは「小米之家」。中国国産スマートフォン(スマホ)メーカーの小米(シャオミ)ショップです。

  2018年9月に台北信義区の「華納威秀」にオープン。映画館のほかに百貨店やモールが集まり、台湾一のファッショントレンド発信地ともいえる立地です。中国内にはすでに520店舗以上もあり、これまでいろんな都市で訪れたことがありますが、いつも多くの客で賑わっています。台北信義店も春節期間中ということもあり、肩が擦り合うほどの客の入りでした。

  スマホだけでなく液晶テレビから掃除ロボットなど生活家電、IoT(モノのインターネット)家電、モバイルバッテリーやイヤホンなどのアクセサリ類、スーツケースなど各種商品を陳列。カウンターには行列も出来ており、見物客だけでなく売れ行きも好調のよう。台湾の友人の間でも「シャオミ、いいよ!」と好反応です。

  一方、台湾の鴻海(ホンハイ)が買収したシャープ。家電量販店では以前よりも増して目立った陳列がされていましたが、シャオミのように興味津々で見ている客はそれほど多くありません。これまで日本の家電や生活雑貨などが支持されてきた台湾。シャオミのほかに、華為(ファーウェイ)やOPPO(オッポ)も攻勢を強めているようで、日本企業も現状に甘んじてうかうかとしていられないと強く感じました。 

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