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【第365回】 オークションは運試し?
取得困難な上海のナンバープレート
2019年4月17日
 上海のナンバープレート取得は「オークション」制になっています。参加資格は上海戸籍を有する中国人だけでなく、居住証+社会保険連続36カ月納付の外国人も含まれます。オークションはネット上で毎月開催され、都度約1万枚を発布。参加者は毎回20万人程度で倍率は20倍。“超”激戦状態となっています。

 取得は一人1枚のみ。一親等内での譲渡は可能ですが、対外売買は不可とされています。「オークション」といいながら、入札できる上限値が決められているため、やみくもに高値を提示しても受け入れてもらえません。

 具体的には、まず入札資格の登録を済ませ、パソコンやスマートフォン(スマホ)から公式の競売サイトへアクセスします。オークションは30分ごとの2部構成。1部では入札希望価格を自由に投稿させ、最高額からちょうど落札人数分目(例えば1万人目)の提示額が、2部からの入札開始額となります。

 2部では、その初値を起点に、参加者が100元、200元、300元の単位で、増(減)額できます。30分間の競り時間内に、入札価格を提出できるのは2回まで。基本多くの参加者が最初は様子見しながら、最後のタイムアップの瞬間に向けて入札を待ち構えます。

 終了間際には値動きがリアルタイムで動かなくなるほどサイトへのアクセスが集中するため、最後は“当てずっぽう”に。落札(予想)額を提示し、あとは運を天に任せるというのが実態。もはやオークションというよりは抽選に近く、中国人も「宝くじ」みたいなものと言っています。

 せっかく購入した車も、ナンバープレートが落札できないと「宝の持ち腐れ」。2年間落札できず、新車が車庫に眠って壊れた友人もいます。たとえ運良く落札できたとしても、驚くべきはその値段。2018年8月の上海ナンバーの落札価格は、なんと8万8365元(約150万円)。日本だと車が一台ゆうに買える値段です。 
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