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一般家庭に普及進む、中国スマートホーム (8)
小米「生態系」 資本参加で提携関係を強化 (1)
2019年5月13日
小米「生態系」
資本参加で提携関係を強化

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  スマートフォン(スマホ)メーカーの小米(シャオミ)は、2014年にIoT分野で戦略的に展開すると発表。17年末には、世界最大規模のスマートIoTプラットフォームに成長。接続機器台数は8500万台超、一日のアクティブ機器台数は1000万台超、接続機器800種、提携パートナー企業400社となっている。

  16年には、新たなブランド「米家」で、スマートホーム関連の製品販売をスタートした。

  シャオミは、スマホ市場での高いシェアをベースに、スマホをスマートホームの中核と捉え、各種のハード製品を接続している。

  17年第4四半期のシャオミ製スマホの出荷台数は2810万台で、前年比96.9%の伸びを記録。アップル、サムスン、ファーウェイに次ぐ世界第4位のシェアとなっている。

  同社の生態系(エコシステム)構築の特徴は、多くのスマートハードウェアのスタートアップ企業に出資している点だ。この「小米(シャオミ)生態系」を通して、傘下の各企業にサプライチェーン管理、品質管理、販売チャネル、アフターサービスなど全方位的にサポート。シャオミが打ち出すスマートホームのブランディングは、同業界でも群を抜く存在感を示すに至っている。

  「シャオミ生態系」傘下の各社は、シャオミ同様にハードウェア製品の粗利率を5%以下に調整している。こうすることで価格面での競争力を保つだけでなく、品質やデザイン面で一定のレベルをキープするのが目的だ。

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「小米生態系」傘下の純米科技の人気商品「IH炊飯器」
  純米科技のIH炊飯器を例にとろう。IH炊飯器の開発者である日本人技術者の内藤毅氏を招聘。電子製造技術と従来型の炊飯器製造技術を統合し、1.2倍の気圧とIHの電磁加熱技術を製品に応用した。

  デザインは敢えてシンプルなものを採用。スマホと接続し、米のパッケージに掲載されたバーコードを読み込むと、品種が識別され、クラウドから海抜や米の品種を考慮した炊飯方法を選択する仕組みになっている(現在中国全土2450種の米に応じたソリューションを準備済み)。

  スマホのアプリから、米の炊き具合いの固さまで選択できる。この炊飯器の価格は、実際には3000元以上の価値があると想定されるが、わずか999元と手頃な価格帯で、優れたコストパフォーマンスも売りにしている。

  現在、シャオミが投資している生態系企業は100社を超える。アメリカで上場した華米科技(huami)と雲米(VIOMI)科技もこれに含まれる。
(表2:スマートハードウェア製品を生産するシャオミ生態系企業例)
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