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【第369回】 新エネ車ではPHVが著しい伸び
上海で増える「緑(グリーン)」ナンバー
2019年5月22日
 上海市政府は2013年から、新エネルギー車には無償でナンバープレート配布を開始。対象となるのは電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)で、ハイブリッド車は対象外とされました。申請資格は個人の信用情報が確認される以外は一般のガソリン車と同じ。外国人も要件を満たせば可能です。

 これまで何度もオークションの落札を失敗した人、一枚8万元以上もするナンバープレートに躊躇する人、そしてシェアライド従事者などが、この政策を利用するために新エネ車を購入。特に18年に入ると、新エネ車専用の緑色をベースとしたナンバープレート(一般ガソリン車は青色)を上海の街角で多く目にするようになりました。

 実際に、私も上海ナンバーが無償で手に入るなら新エネ車に買い換えようかと検討しました。しかし、まず今借りているマンションに専用の車庫がない(つまり、充電設備が設置できない)こと。また、市内のみならまだしも、遠出する際に充電はどうすべきか。上海は充電ステーションの数も多く充実しているようですが、他都市の状況や地方に行くとどうなるのかなど色々と不安になり、一旦保留としています。

 こうした状況から、万一の燃料不足を考慮し、中国ではEVよりもガソリンとの併用が可能なPHVを選ぶ傾向にあるのではと推測しています。実際に、18年の新エネ車の販売台数125.6万台のうち、EVが前年比50.8%増の98.4万台、PHVが前年比118%増の27.1万台と、台数こそEVが勝っていますが、増加率はPHVが圧倒しています。

 上海の新エネ車専用ナンバーで、「沪A」の後に「D」と続けばEV、「F」がPHVの意味なのですが、明らかに街角では「F」のほうが増えている気がします。恐らくEVのほうは、カーシェアリングやシェアライドなどの業務ユースで大量に購入されているのかもしれません。

 このように上海の街角で存在感を増しつつある“緑(グリーン)”ナンバーの新エネ車。その中でも実際にPHVを購入した人はなぜPHVを選び、どのように充電などをしているのでしょう。(次号に続く) 
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