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“意外”な発展ぶりのウルムチ消費現場 (1)
「一帯一路」の中継都市として注目
2019年7月15日
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古くから外国との貿易の重要な拠点だったウルムチ
  中国の「一帯一路」建設が推進されるのに伴い、ユーラシア大陸の中心に位置する新疆ウイグル自治区の発展の機運が高まっている。新疆ウイグルは今、経済発展の真っ只中にある。

  新疆ウイグル自治区は中国で最大の面積を誇る 。その総面積は163万平方キロメートルで、中国全土の六分の一を占める。人口は2444万人に過ぎないが、豊富な資源、特にエネルギー資源を持つ。「一帯一路」建設が始まり、海外との貿易でも注目を集めている。

  烏魯木斉(ウルムチ)市は、新疆ウイグル自治区の首府(省都)。古くから、外国との貿易の重要な拠点として、周辺に大きな影響力を持っていた。

  総面積は約14万2000平方キロメートル。2017年末の総人口は約222万人。17年のGDPは2743.82億人民元で、中国の26省都のうち21位。ランキングでは下の方だが、内モンゴル自治区のフフホトを上回り、成長率も全国平均より高い8.1%を記録している。

  2018年第1~3四半期のGDPは2198億元で、17年同期の1893億元よりも約16%上回っている。18年全体のGDPは3000億元を突破すると見込まれている。
ウルムチは石油化学、冶金、紡績、機械製造、ハイテク、建材、医薬、食品、軽工業、電子情報の10大産業が発展、なかでも石油化学と冶金は業界のトップレベルを誇る。

  市全体のGDPに占める第二次産業の割合は38.8%に達し、日系ではトヨタや積水化学が進出。米コカ・コーラ、ヒューレット・パッカード、独フォルクスワーゲン、シーメンス、ルフトハンザ航空、仏アルカテル、ヴェオリア(Veoria)、エア・リキード、韓国のSK、韓華、大宇、デンマークのカールスバーグ、LM、香港のケリーロジスティクス、台湾の康師傅(カンシーフ)や統一など、世界及び中国の著名企業の多くがウルムチに支社を置いている。

物流と貿易のハブ(中継地)
二線級都市にランクアップ

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2017年に二線級都市に昇格したウルムチ
  新疆ウイグル自治区は8カ国と陸路で接し、17の国境一類口岸(出入国検査場)と10の二類口岸がある。

  なかでも首府のウルムチは新疆ウイグル最大の商品集積地 で、中央アジアへの重要な中継地でもある。200ヵ所近い商品取引市場があり、年間取引額が1億元を超える市場も32ヵ所を数える。10億元を超える市場は10ヵ所あり、中国西部地区の対外開放最前線都市となっている。

  ウルムチは新疆ウイグルの交通のハブ機能も果たしており、ウルムチ 東駅、南駅、西駅、北駅という4つの鉄道駅に加え、技術開発区には高速鉄道の駅もある。甘粛省の蘭州とウルムチを結ぶ蘭新高鉄は2014年に正式に開通。

  20年には、ウルムチから江蘇省・連雲港まで全長3361キロメートルを結ぶ高速鉄道も全面開通予定だ。これは中国で最も横に長い高速鉄道路線で、中国では「陸橋通道」と称されている。

  新一線城市研究所が発表する「都市商業魅力ランキング」は、中国の都市のランク付けで最も定評のある指標だ。都市の商業資源集積度や、ハブ性、住民のアクティブ度、ライフスタイルの多様性、未来可塑性という5つの指標に基づいてランク付けを実施している。

  2017年、ウルムチはこのランキングで二線級都市に昇格した。 ちなみに新疆ウイグル内の他都市は全て五線級都市に属している。

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