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中国ウィンタースポーツ市場&産業の発展状況 (6)
成長するスキー用品市場 スノーボードの売上1.5万枚超
2020年1月17日
成長するスキー用品市場
スノーボードの売上1.5万枚超

中国スキー協会及び中商産業研究院の統計によると、2017年の中国スキー産業の市場規模は約136.5億元。 うち、スキーウェアが約23.7億元、スキー板などのギアが約14.3億元、スキー場収入は96.8億元となっている。全体規模はここ数年20%以上の伸びを保っている。(図5:2012-2018中国スキー産業規模)
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  スキー用品の販売状況を見てみよう。

  「中国スキー産業白書(2018)」の統計データによると、2018 年のスノーボードの売上は3万8000枚、前年比25%の成長を記録。スノーボード用ブーツは5万足売れている。

  スキー板の売上は1万5000セット前後で、前年比若干の伸びを記録。オンライン(ネット)での売上の伸びがオフラインを上回り、ネットが市場の三分の一以上を占めた。

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中国国内最大規模のスキー用品チェーン店「冷山」
  2014年設立の「冷山」は、現在中国国内最大規模のスキー用品チェーン店だ。 北京、崇礼(河北省張家口市)、東北三省(黒竜江・吉林・遼寧省)のスキー場エリアのほか、上海などの新興市場に29店舗を展開している。

  店舗の内訳は、市内とスキー場がそれぞれ半数を占める。天猫(Tモール)や淘宝(タオバオ)などの電子商取引(EC)プラットフォームのほか、自営アプリ「GOSKI APP」でも販売している。

  2017-18年冬季に、「冷山」は4000セット以上のスキー板・ビンディング、5000足以上のスノーブーツ、1万件以上のスキーウェアを販売。顧客数も3万人を超えた。

  天猫(Tモール)が公表した「2018天猫冬季氷雪消費トレンド報告」によると、2018年の冬季には毎月平均1200万人が天猫で「スキー」というキーワードを検索。冬季商品の客単価は27%上昇し、スキーウェアの売上は前年比90%の成長を遂げた。

  18年の「双11(11月11日の「独身の日」ネットセール日)」では、単価5000元のバートンのスノーボードを1000枚以上売り上げた。

  ウインタースポーツの主力消費層は、18~24歳の「95後(1995〜99年生まれ)」の若年消費者層だ。 スキー、冬釣り、冬季旅行は新たな人気レジャーとして彼らからの高い支持を得ている。

  スキー消費金額の地区別トップ5は江蘇省、広東省、浙江省、上海市、北京市の順となっている。トップ4が南部の都市であることは注目に値するが、なかでも広東省はスキー関連消費及び冬季旅行の2項目で共にトップとなった。

  冬季旅行は「消費昇級(アップグレード)」トレンドの影響もあり多様化が進んでいる。アリババ傘下の旅行代理店「飛猪旅游」の統計データによると、スキー、雪そり、氷祭り、オーロラ、流氷などのキーワードの検索回数は年々上昇し、冬季ツアー参加者の数も前年比48%増を記録。ロシア、フィンランド、アイスランド、日本などの高緯度エリアへの冬季ツアーも高い人気を集めているもようだ。

  業界関係者によれば、スキー用品市場の見通しは今後も明るい。中国の中産階級(中間層)は2022年には3億人に達すると見込まれる。その10%がスキーをすれば、3000万人のスキー消費者が生まれる。一人当たりの消費を2500元/人/年として試算すると、750億元規模の消費が期待できるとしている。

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