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「現金お断り」も“当たり前”の中国キャッシュレス社会 (1)
スマホ決済普及率世界一の中国 携帯ユーザーの7〜8割が利用
2020年1月28日
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中国ではモバイル決済が日常生活に広く浸透している
  中国では、モバイル決済が生活のあらゆるシーンに浸透している。外食やスーパーでの買物から、バスや地下鉄などの公共交通機関、病院、光熱費などの公共料金、航空券もスマートフォン(スマホ)で決済できる。

  小売店やレストランで支払いをする際には、店員に「微信(ウィーチャット)にしますか?それとも支付宝(アリペイ)?」と聞かれる。 コンビニでちょっとした買物に現金を出そうものなら、ため息をつかれてしまう。

  財布を持たず、スマホだけを手に出かける生活は、若年消費者を中心にすっかり定着している。

スマホ決済普及率世界一の中国
携帯ユーザーの7〜8割が利用

  プライスウォーターハウスクーパースが公表した「2019年世界消費者意識調査(Global Consumer Insight Survey 2019)」によると、中国の人口の86%がすでにモバイル決済を利用。モバイル決済の普及率は世界平均の3倍前後に達し、世界トップ水準だという。

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スーパーでウィーチャットペイを利用してセルフ会計する消費者の様子
中国インターネット情報センター(CNNIC)が公表した第43次「中国インターネット発展状況統計報告」によると、18年12月末時点の中国の携帯電話ネットユーザー規模は8.14億人。 そのうちモバイル決済のユーザー規模は5.83億人で、17年末に比べて10.7%上回り、携帯電話ネットユーザーの71.4%に達しているもよう。

  市場調査会社のイプソスは、17年より四半期ごとに「中国第三者モバイル決済ユーザー研究報告」を公表している。

  この最新版である19年第1四半期の報告によると、中国政府・工信部の公表データを元にした19年2月時点における中国の携帯電話ネットユーザー数は12.7億人(※1人が複数の携帯電話を使用している可能性あり)。ここから試算すると、19年第1四半期時点におけるモバイル決済ユーザー規模は10.1億人(※1人が複数のアカウントを持っている可能性あり)に達するという。18年末の9.9億人に比べると、約2%成長したことになる。

  16~59歳の消費者に限定すると、モバイル決済ユーザーは約8.1億人となり、全体の80.2%を占める。因みに18年12月末には8億人だった。

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