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中国家事代行サービス業界 (1)
アプリで「アイさん」探し?! 日本式家事代行サービス「好慷在家(HOME KING)」が人気
2020年3月26日
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「好慷在家」のエレベーター広告
  中国では、中国語で「おばさん」の意味でもある「阿姨(アイ)」と呼ばれる家政婦(お手伝いさん)を雇い、掃除や料理、子供や老人の世話を任せる家庭が少なくない。パートタイマーもいるが、住み込みの家政婦を置くケースも多い。

  その多くは地方出身者で、生活のために大都市に出稼ぎに来た人々だ。学歴が低く、賃金も低いため、一般的な中国の中産階級家庭でも雇うことができる。この「アイさん文化」は中華圏独特の現象と言っても過言ではない。

  経済の発展と収入の増加、核家族の増加や人口の高齢化、更には1人っ子政策の緩和に伴い、中国国内では家事代行サービスに対するニーズが高まっている。

  これまで、アイさんを探す際には、友人知人からの紹介か仲介業者に頼るのが一般的だった。マンションの近くには、家政婦の仲介会社が必ずと言っていいほどあり、質素な事務所の中では暇そうなアイさんたちがおしゃべりしながら時間をつぶしている光景をよく目にする。そうした彼女らは「プロフェッショナル」な印象とは程遠かった。

  生活情報サービスの普及に伴い、ネットでのアイさん仲介サービスも増加した。良く知られているのは「58到家」、「e家潔」、「阿姨帮」などだ。これらのプラットフォームは情報提供と仲介がメイン。従来型の巷の仲介業者に比べて、情報がより広範囲かつオープンであるだけでなく、費用面でもより透明性が高いのが特徴だ。

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「好慷在家」は香港女優の朱茵をイメージキャラクターとして起用
  なかでも、最近注目を集めているのが「好慷在家(HOME KING)」というアプリだ。一線・二線級都市ではマンションのエレベーターやタクシーなどで広告を目にする機会も少なくない。家事代行サービス企業による自営型プラットフォームで、「日本式」のプロフェッショナルなサービスを謳っている。

  派遣されるスタッフは全員事前に研修を受けており、制服となっている清潔なエプロンを身に着け、掃除道具も持参する。決してプロフェッショナルとは言い難い一般的なアイさんのイメージとは、明らかに一線を画している。

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