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中国家事代行サービス業界 (5)
急成長を遂げる 中国の家事代行サービス市場
2020年4月2日
急成長を遂げる
中国の家事代行サービス市場

  中国の家事代行サービス業界は、市場の需要拡大とともに、政府のサポートの下、急成長を遂げつつある。

  国家発展改革委員会・社会発展司が公表したデータによると、2017年の全国の家事代行サービスの営業収入は4400億元に達し、前年比26%の伸びを記録。2015~17年の3年平均成長率も25.9%に達している。

  iiMedia Research(艾媒諮詢)の試算によると、2020年の中国の家事代行サービス市場の規模は8782億元に達すると予想されている。(図1:中国の家事代行サービス市場規模)

  中国商務部の統計によると、2017年の中国の家事代行サービス企業の数は約68万社。iiMedia Research(艾媒諮詢)の試算によれば、19年には74万社を超えると見込まれている。

  但し、ブランド化に成功した企業は1%にも満たない。零細企業が全体の78%を占め、その大多数は営業収入50万元以下にとどまっているもよう。

  また研修部門を持たず、古くからいるスタッフが新人を現場に連れて行き何度か実習させるのみの企業も多い。このため、サービスの質もまちまちだ。多くは仲介方式を採用し、スタッフとは労働契約を締結していない。就業者の合法的権益も保証されていないのが現実といえる。(図2:中国の家事代行サービス企業数)

専門性の高い人材が不足

  中国の商務部と国家発展改革委員会・社会発展司が公表したデータによると、2017年の中国家事代行サービス従事者は2800万人で、年平均成長率は9.7%に達しているもよう。しかし市場は依然として供給不足状態にあり、1700万人が不足しているという。

  中国のアイさんの88.6%が農村出身者で、年齢も高い傾向にある。若者の多くは給与水準やキャリアなどを考慮し、この業界で働きたがらないためだ。「80後(80年代生まれ)」世代の割合は20%にも満たない。教育水準も低く、高卒以上の割合は14.1%にとどまっている。また、流動性が高く、安定性も低い。教育水準の低さは、教育訓練の難しさの原因にもなっている。(図3:中国の家事代行サービス就業人口)

 iiMedia Research(艾媒諮詢)の調査によると、消費者の63.6%が、家事代行サービスを選択する際、サービスのクオリティを最も重視すると回答している。次いで重視されているのは、スタッフの業務経験度。費用水準がこれに続く。他の顧客の評価やスタッフの戸籍はあまり重視されていない。(図4:2018年 家事代行サービス利用者の意思決定要因)
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