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【第420回】 テレワークでもアリババが圧倒的存在感!!
3億人が使うテレワークアプリ「釘釘(ディンディン)」
2020年5月20日
 日本では東京など首都圏で、まだ緊急事態宣言が続いています。自粛生活を強いられ、自宅でテレワークされている方も少なくないでしょう。ちなみに、テレワークの「テレ」は「tele=離れた所」という意味なんですね。てっきり通信関連の意味かと思っていました。

 中国でも春節(旧正月)休暇明け後に、多くの企業がテレワークを導入しました。2020年2月3日~16日の2週間に、中国全土で1,800万社以上、3億人がテレワークを利用したというデータもあります。中国の就業人口7.8億人(2018年)の約4割に達します。

 このテレワーク分野で圧倒的な存在感を示しているのがアリババ系「釘釘(ディンディン)」。2014年に無料でサービス提供をスタート。20年3月末時点でユーザー数が3億人を突破。企業・組織ユーザー数は1,500万社に達したようです。

 釘釘アプリの主な機能は、人事管理、コミュニケーション、グループウェア、業務管理、オンライン学習の5つ。従業員の健康管理から電話・ウェブ会議、スケジュール・プロジェクト管理、顧客管理などが含まれます。釘釘はオープンソースなので、多くのアドオンツールが続々と追加されています。

 コロナ前にも、釘釘を導入していた日本企業がありました。従業員からの休暇申請や決裁、営業報告、会議の議事録などがすべてスマホで完結するとのことで、こうした企業の内部情報がビッグデータとして吸い上げられのはどうかと思いながらも、便利さの前では抵抗できないと話していました。

 コロナ禍には、急増した各種ニーズにも即時に対応。わずか40時間で従業員向けの健康確認機能を追加。ウェブ会議は、参加時のパスワード機能を付加。ホワイトボードを使ったプレゼン機能もあり、シェア画面上で、その上に文字や図が書き込めるようにもなっています。

 参加可能人数も増やし、302人まで無料で参加が可能に。会議の録画もでき、後で会議を見直したり、資料として保存しておくこともできます。釘釘アプリ上で開催された会議の数は、1日あたり2,000万回を突破し、1億人以上が参加。現在も増加傾向にあるとのことです。
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