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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【緊急企画】新型コロナ特集~新型コロナでガラッと変わる中国消費 (16)
「巣ごもり・お宅」消費伸長 新型コロナ後見据えた戦略を
2020年5月7日
「巣ごもり・お宅」消費伸長
新型コロナ後見据えた戦略を

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「無接触」型配達サービスの加速でスマートロッカーも再注目
  消費の面から見ると、需要は消失したのではなく、延期されただけと見るのが妥当だろう。今回の新型コロナウイルスが収束すれば、需要も自然と回復に向かうと予想されている。

  一部の消費は形を変え、オフラインからオンラインへの移行も継続するだろう。オンライン教育や、テレワーク、自宅でのトレーニングなどはその一例だ。

  経営状況が疑問視されていた生鮮EC(ネットスーパー)業界は、奪い合うほどの好景気を迎えている。ライブコマースは自宅から出られないストレスが功を奏した業界ともいえる。

  「オタク(宅)」経済は、以前のように家にこもったオタクがドラマを見たり、買物に興じたりするだけのものではなくなった。多くの人々が生活全般や娯楽のみならず、仕事までも自宅で行うようになったためだ。

  オタク経済に関する産業チェーンの川上から川下に至る連動は、様々な新規ビジネスも生み出した。Eコマースが消費の主要チャネルになったことも、「オタク経済」の発展に大きく寄与したといえるだろう。

  「民以食為天(民は食を以て天と為す)」。ウイルス回避のため、伝統市場(いちば)やスーパーに行くことを控えた消費者は、ネット上で生鮮食品を奪い合った。春節期間中、生鮮EC(ネットスーパー)の取引は350%増と急増。生鮮ECは「オタク経済」を代表する業態となった。

  爆発的な人気となった生鮮EC各社は、深刻な労働力不足に陥った。これを救ったのが、営業停止により大量の遊休労働者を抱えたレストラン業界だった。通常時なら不可能だったであろう「スタッフシェア」も、このような危機下に生み出された人材管理のニューモデルといえる。

  今回のコロナウイルス危機は、ネット出前の「無接触」型配達サービスも加速させた。ロッカー、ドローン、スマート配送ロボットなどが大きな注目を集めた。

  自炊をする機会が増え、料理(自炊)に目覚めた人も多かった。料理教室や小型調理家電の人気が高まった。ウイルスが終息して通常の生活に戻っても自炊を継続し、長期的に趣味として楽しむ人も増えそうだ。

  忙しいサラリーマンやオタク生活になれた若者にとって、準備の手間が省ける調理済み食品(デリカ・惣菜)は、今後も人気を集めるだろう。レストランチェーンや生鮮ECも簡単に調理できるデリカをさらに増やしていくだろう。

  学校再開の遅れは、オンライン教育サービスの未曾有の好機となった。ほぼ全てのオンライン教育会社が、無料レッスンなどの広告宣伝に注力している。また教育関連プラットフォームや電子機器の売上も大きく上昇した。

  ネット医療の普及も目覚ましい。2月3日に、中国政府の国家衛生健康委員会が「情報化による新型コロナウイルス肺炎防止業務強化に関する通知」を公布。ネットでの問い合わせ対応や慢性疾患の再診、薬の配送サービスなどにより、外来診療のプレッシャーを緩和し、院内感染のリスクを下げることを奨励した。これを受け、遠隔診療も一般的なものになっていくだろう。

  就業再開の遅れにより、企業は在宅勤務(テレワーク)を導入せざるをえない状況に追い込まれた。アリババ系のスマホグループウェア「釘釘(ディンディン)」や微信(ウィーチャット)など「雲会議(クラウド会議)」サービスを提供するテレワーク関連のアプリ各社にとって、絶好のビジネスチャンスが巡っている。

  テレビショッピングのスマホ版であるライブコマースも爆発的な人気を集めた。

  ライブコマースは2016年に初めて導入され、2018年11月11日の双11(独身の日)セールで大きな注目を集めた。2019年も引き続き急成長したが、今回のコロナウイルス危機により、予想をはるかに上回る業績をあげた。

  料理、メイク、農業、トレーニング、不動産、自動車など、ライブコマースが各種業界で幅広く導入されたことで、 「巣ごもり消費」(※中国では「ナマケモノ消費」)がさらに広く浸透した。

  中国で事業を展開する企業にとって、今回のウイルス蔓延を機に中国人の消費習慣がガラッと変わったことを肝に命じて、今後の戦略を練り直す必要に迫られた。

  今回の新型コロナウイルス危機は、いつかは収束するだろう。消費者の生活が一刻も早く通常に戻り、消費に活力が戻ることを願ってやまない。

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