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中長期計画に知っておくべき中国消費トレンド15選 (16)
中国消費の未来に自信示す メリハリのある「消費分級」に
2020年10月27日
中国消費の未来に自信示す
メリハリのある「消費分級」に

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「90後」「00後」世代の若い消費層が今後の消費トレンドを牽引
  2019年1月1日には、個人所得税の新政策が施行された。免除額が月3,500元から5,000元に引き上げられ、税率も軽減・簡素化された。高齢者ケア、賃貸住宅、子女教育など6つの項目で付加控除が導入され、多くの人がこの対象となった。

  国家税務総局の統計によると、2019年の第1~3四半期における個人所得税改正による減税総額は4,426億元に達している。1人あたり累計減税額は1,764元で、2.5億人の納税者が恩恵を受けた。減税されれば手元に残る収入が増える。消費に使われる予算も増えることが期待される。

  消費者は2020年の消費にも強い自信を示している。中国調査会社の知萌諮詢の「中国消費トレンド報告」によると、消費者の60.3%が中国のマクロ経済の行方に楽観的な期待を持っているもよう。また61.2%が2020年にはより良い生活が享受できると考えており、さらに57.4%が個人所得も増えると考えている。

  消費者の収入が増加し、経済を楽観視する一方、中国で「消費分級」と称される消費の“格付け”化も進んでいる。普段の生活で必要なモノはなるべく安くリーズナブルに済ませ、自分の好きなこだわりのあるモノは高額でも消費するという「メリハリ」をますます大事にしていきそうだ。

  モバイル時代の消費者は、多くの情報を有し、消費の際に考慮する要素も増えている。ブランドに惑わされにくくなり、実用性だけでなく、成分や産地などに注目する人も増えている。品質のアップグレードと同時に、コストパフォーマンスも重視。眼の肥えた消費者が増えている。

  知萌諮詢の統計によると、消費者の88.1%が、経済的に豊かになったとしても、お金は必要なところだけに使いたいと回答。製品をブランド、チャネル、価格、アフターサービスなど多角的に検討してから選択する人が今後も増えていくだろう。

  節約を好み、支出を制限する消費者も依然として存在する。しかし全体的に見れば、中国消費の増加トレンドは今後も継続するに違いない。

  地方市場で大きな消費力が生まれ、「90後(1990年代生まれ)」や「00後(2000年代生まれ)」世代の若い消費層が消費トレンドの牽引役になっていくと予想される。2020年も消費が中国経済成長の主役になると断言しても決して言い過ぎではないだろう。
(※新型肺炎が中国消費に与える影響の考察については、上記に含まれていません。)

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