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2023年11月8日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第594号】
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こんにちは!キャストグローバルの大亀です。
今年もこの季節がやってきました。11月11日(独身の日)、中国では「双11」と呼ばれているダブルイレブンです。年間最大のネットセールで、毎年、驚愕の取引額が話題となりますが、今年の業績はいかに…。
といいつつ、年々盛り下がりが否めないのも事実。正直、私自身、今年は何も買う予定がなく、初めて“収穫”なしの双11になりそうです。「満額200元で20元引き」などの割引は一年中やってますし、ビールや炭酸水もネットスーパーと値段はほぼ変わりません。
ただ街なかでは、天猫、淘宝、京東などのバス停広告が昨年よりも目立っている感じがします。これに加えて、今年は「抖音商城」(TikTokモール)の広告もよく見かけます。ライブコマースが絶好調の抖音ですが、最近はいわゆるフツーのEC、中国では「貨架電商」(商品棚EC)と呼ばれているネット通販も絶好調のようです。
コスメではアリババのGMV(流通取引額)を抜いたといったニュースも流れています。今年の双11はちょうど土曜日。娯楽代わりに、じっくりのんびりとライブコマースを見てみようと思います。もしかしたら衝動買いもあるかもしれません…。
今週のコラムは、会報誌10月号で特集した中国版TikTok・抖音(ドウイン)のEC(電子商取引)についてです。では、中国消費洞察メルマガ第594号をお送りいたします。
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中国歴25年の日本人コンサルタントがお届けする中国消費・マーケティング情報です。中国の消費現場、トレンド、ネット・EC、小売・流通、消費者動向などを5分前後の動画で解説します。中国での事業計画やマーケティング戦略にとって有益なインサイトとなるよう願っています。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第594回)
◆“フツー”のECサイトも好調な抖音商城(モール)
~抖音(TikTok)のコスメ取引額がアリババを抜いた!~
2. 新着コンテンツ一覧
3. 新着統計データ一覧
4. お知らせ
会報誌「中国消費洞察」2023年10月号(vol. 108)発行
(詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第594回)
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【第594回】“フツー”のECサイトも好調な抖音商城(モール)
~抖音(TikTok)のコスメ取引額がアリババを抜いた!~
会報誌10月号では、中国版TikTokである抖音(ドウイン)のEC(電子商取引)を特集しました。日本では、「ティックトックはECプラットフォーム」といわれても、ピンとこない人が多いのではないでしょうか?
しかし中国では、ライブコマースの主戦場として、れっきとしたECプラットフォームの1つとなっています。さらにコロナ禍の巣ごもり生活で、その勢いは一気に加速しました。
日本では依然として、中国ECといえば淘宝(タオバオ)と天猫(Tモール)を擁するアリババや京東(JDドットコム)をいかに活用するかから抜けきれない人も多いでしょう。中国で事業に携わっている人にとっては、いまやアリババよりもいかに抖音を攻略すべきかが議論の対象となっています。
これまで何度も、当会報誌でレポートしてきた抖音ですが、なぜ改めて取り上げるのか?それは最近、抖音がどうもライブコマースだけでなく、普通のECサイトとしても勢力を拡大している実態が垣間見られたからです。
スナックやチョコレートなど食品メーカーから委託されてライブコマースを運営代行する友人。双11(ダブルイレブン)を控え、最近どう?と聞いたところ、すごく忙しいと。通年だとスナックなどは双11ではなく、春節(旧正月)前の「年貨節」が繁忙期になるのだけど、今年は違うと。
その理由は、「抖音商城」と呼ばれるモール型のECが好調だからとのことでした。確かに最近、モール内のエレベーターやバス停の広告では、抖音商城とのコラボによる広告が目立つようになっています。これまでは天猫や京東が定番だった検索窓の表示も、抖音商城に切り替わった広告が増えています。
そうしたなか、抖音のコスメ全体のGMV(流通取引総額)が、アリババ(淘宝・天猫)を超えたというニュースを目にしました。抖音のGMVがアリババを上回ったブランド数も17社に達し、そのなかには珀莱雅(PROYA)や花西子(Florasis)などの中国国産ブランドのほか、ロレアル、SK-II、資生堂といった海外著名ブランドも含まれているとのこと。
コスメのEC市場を牛耳っていた天猫を脅かす存在になっていたとは…。中国ECの“地殻変動”が起こりうるかもしれません。改めて、日本企業も抖音に本腰を入れるべきという思いで、「抖音電商(TikTok EC)」の現状と動向をレポートしています。
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◆中国フレグランス市場分析レポート(8)
~イノベーションで香水の新たな価値を創出
アフターコロナの今、人々は「詩和遠方」(※理想のライフスタイルの意)を渇望。香水やフレグランスにも、癒し効果を強調した商品が増えている。旅行や異国の風景からインスピレーションを得た商品のほか、ボタニカル(植物)をコンセプトに生命力、健康、希望などを表現した商品などが一例といえる......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(7)
~各種チャネルで香水関連情報収集 ギフトとカスタマイズ需要増
中国人は、オンラインとオフライン双方で、香水関連の情報を収集している。穎通集団(Eternal)の「2022中国香水業界研究白書」によると、回答者の80%がネットで香水の情報を取得しているもよう。また、ネットで香水のサンプルを購入して、効果を試す人は全体の57%で、前年比11%増と伸びている。昨今、中国で広がる高級ブランドのサンプル品を購入する「小様経済」(サンプル・エコノミー)の影響は香水業界にも及んでいることが見て取れる......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(6)
~香りが与える精神的効用 ナチュラルな成分が人気に
香水を使用する理由に着目してみよう。多くは精神面のニーズで、「自分の趣味や好みの表現」と「快適で楽しい気分にしてくれる」が突出している。「香水を使うことで儀式感が高まる」や、「自分を大切にするため」と答えた人も比較的多くなっている。習慣や効能も、香水を使用する要因の1つだ。男性は特定の香りを使い続ける傾向があり、女性は香りをメイクやファッションとコーディネートすることを好むようだ......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(5)
~香りをまとうライフスタイル 1人1人異なる香りを追求
香水に関する幅広い知識を持つ人たちも増えつつある。コスメブランド管理会社の穎通集団(Eternal)が公表した「2022中国香水業界研究白書」によると、香りによってクラス感や雰囲気を表現し、ブランドの哲学にも注目する人と、香水の深い知識を持ち、新興ブランドや新しい体験に興味を持つ人が、前年比でそれぞれ7%と3%増えたという......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(4)
~中国国産香水ブランドの躍進 アリババでのシェア22%に
中国発の香水ブランドも存在感を示しつつある。企業情報サイトの企査査によると、2017年以降、中国のフレグランス関連の会社登記件数が大きく増加。現時点ですでに2,000社以上に達している。2021~2022年には、melt season、PLUS TWO(普拉斯兎)、Scentooze(三兎)などの中国国産ブランドが、ベンチャーキャピタルから資金を調達。なかでも2021年設立の高級香水ブランドの聞献(DOCUMENTS)は、A+シリーズで数千万元を調達した......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(3)
~高級ブランドが人気 ニッチなメゾン系も急成長
中国の香水市場は、海外の高級ブランドが高い人気を誇り、客単価も500~800元前後と比較的高めだ。ユーロモニターの統計データでも、中国の香水市場が高級品を中心に発展していることが読み取れる。2015年から2020年には、高級香水のシェアが香水市場全体の70%から91%に拡大。2021年にも成長率33%増を記録している......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(2)
~高級ブランド優勢ながら、国産ブランドも徐々に浮上 世界平均の約10倍のペースで急成長する中国香水市場
中国では近年、香水市場が急成長を続けている。英調査会社ユーロモニターによると、2016年から2021年の間、中国香水市場の年平均成長率(CAGR)は21.4%増で、世界平均の約10倍の水準に達している。2020年には世界的な新型コロナの流行もあり、香水市場の成長も10.6%増にとどまった。しかし、2021年には29.6%増と反動し、市場規模は140億9,000万元に達した......
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◆中国フレグランス市場分析レポート(1)
~“香り”で自己を表現する風潮広がる 「療癒経済」で急成長の中国フレグランス市場
中国では「療癒経済」(癒しエコノミー)が、新たな消費キーワードとして大きな注目を集めている。全球健康研究所が公表したレポート「世界健康経済:新型コロナを越えて」によると、世界の癒しエコノミーの市場規模は、毎年約10%増のペースで拡大を続けており、2025年には7兆元に達すると見込まれている。癒しエコノミーの範囲は非常に幅広い。精神的に心地よいと感じる体験(コト)のほか、リラックスして快適な気分になれる商品やサービスなど、すべてこの範疇に含まれると言っても過言ではない......
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◆中国コラボマーケティング分析(12)
~好利来(Holiland) 若者の好みに照準を合わせ、コラボを連発
2019年当初、若干古くさいイメージで経営困難に陥っていた老舗ベーカリーチェーンの好利来(Holiland)は、人気茶系ドリンクチェーンの喜茶(HEYTEA)とのコラボに着手した。それぞれの人気商品を組み合わせたコラボ商品が、消費者から大きな注目を集めた。その後も、食品・飲料メーカーやアニメIP、アート施設などとのコラボを継続的に実施し、見事、ブランドの若返りに成功した......
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■新着統計データ一覧
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◆中国のコーヒー消費量及び他国との比較(2022年)
◆中国インスタントコーヒー市場規模(2022年)
◆中国の家事代行サービス市場規模(2015~2022年)
◆中国の出生数推移(2012~2022年)
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2023年10月号(vol. 108)発行
会報誌2023年10月号(vol. 108)の巻頭特集では、淘宝(タオバオ)や天猫(Tモール)を擁するアリババ、京東(JDドットコム)など従来型ECプラットフォームの成長が鈍化するなか、「全域興趣電商」(全域インタレストコマース)をコンセプトに存在感を高めつつある抖音電商(TikTok EC)を取り上げました。
ショート動画アプリとして人気のTikTok。中国では抖音(ドウイン)と呼ばれていますが、実はここ2年ほど、EC(電子商取引)事業も急成長しています。
同社公式データによると、2022年のGMV(流通取引総額)は1兆4千万元。これは淘宝・天猫の8兆元、京東の3兆元、拼多多(ピンドゥオドゥオ)の3兆元に次ぐ取引規模で、さらに2023年上半期も前年同期比69%増で、依然として高い成長率を保っています。
主力は、KOL(キー・オピニオン・リーダー)によるライブコマースのほか、企業(ブランド)自らが配信する「自播」と呼ばれる自社ライブ。しかし最近は、中国で「貨架電商」(商品棚EC)と呼ばれる、商品一覧画面から注文する従来型のECによる取引額も急成長しています。
「全域興趣電商」(全域インタレストコマース)というコンセプトをモットーに、抖音電商(TikTok EC)はいまや、ライブコマースから一般的なECにまたがる総合ECプラットフォームとして進化しつつあるのです。
中国証券会社の首創証券によると、2023年5月に、抖音(TikTok)コスメ部門全体のGMVが初めて淘宝・天猫を超えただけでなく、抖音のGMVが淘宝・天猫を上回ったコスメブランドが17社に達したようです。そのなかには珀莱雅(PROYA)や花西子(Florasis)などの中国国産ブランドのほか、ロレアル、SK-II、資生堂といった海外著名ブランドも含まれています。
コスメは従来、淘宝・天猫が得意としてきたジャンルですが、2020年6月にEコマース部門を設置した抖音は、わずか3年で、淘宝・天猫を脅かす存在にまで成長しています。
そこで今号では、抖音電商(TikTok EC)が掲げる「全域興趣電商」(全域インタレストコマース)の戦略や特徴、店舗運営や広告ツール、同社独自の運営理論「FACT+S」、ユーザー像などから、全方位的にレポートしています。
次に消費者研究として、Z世代を取り上げました。中国では一般的に、1995年から2009年生まれ、つまり今年14歳から28歳の若年層を指すZ世代。人口的には全体で2億6千万人を超えています。
経済が急成長する社会環境で生まれ育ち、インターネットやデジタルデバイスに囲まれて成長した彼らは、前の世代とは大きく異なる価値観や消費観を有しています。昨今ではそうした彼らのことを、今後の中国消費を担う中心的存在として、多くの業界が熱い視線を注いでいます。
ここ数年、中国経済の成長鈍化や新型コロナウイルスの流行に伴い、社会構造が大きく変化すると同時に、ショート動画やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの影響力は、ますます強大化しています。
Z世代のライフスタイルも大きな影響を受けており、新たな環境に順応したさまざまな価値観が生まれています。
これまで当会報誌でも何度か取り上げてきたZ世代ですが、先行き不透明感が増す中国消費動向を洞察するうえで、やはり最も押さえておかなければならないターゲット層でもあります。今号では改めて、アフターコロナの中国Z世代にスポットライトを当て、彼らの価値観やライフスタイルの変化、またそこから生まれる消費トレンドについて分析しています。
あの頃の中国ビジネス&生活(その13)は、スタバを抜いて中国カフェチェーントップになったラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)についてです。
今年のヒット商品となった「醤香拿鉄」。高級白酒の茅台(マオタイ)とラッキンがコラボしたカフェラテで、9月4日の発売日には、ネットやSNS上で見事にバズりました。茅台のラベルデザインを模したカップホルダーとバックも注目を集めました。
香りは茅台をほのかに感じる程度でしたが、実際に口に含めるとあの茅台(白酒)の味わいが広がります。特に飲み込んだ後が、茅台とミルク、さらにはコーヒーが絡み合い、なんとも言えない香りが尾を引きました。
1日で542万杯、売上1億元以上で、一商品あたりの単日の新記録を更新。SNS上では、スマホオーダーでの「備注」(要望)欄に「茅台多めで」や「何も要らないから茅台のみ入れて」といったジョークも…。今年のコラボマーケティングを代表する成功例になりました。
2020年に売上水増しなどの不正会計が発覚し、米ナスダック市場から上場廃止に追い込まれたラッキン。新経営陣のもと、債務処理とともに積極的な出店攻勢で、見事に復活を遂げています。2022年末時点で、中国での店舗数は8,214店となり、米スターバックスコーヒーの6,090店をおさえて堂々の1位となっています。
“泣く子も黙る”といっていいほど、中国カフェ市場を牛耳っていたスタバの牙城を切り崩したラッキン。同社が初めて登場した2018年ごろの体験を振り返りました…。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2023年10月号(vol. 108) もくじ
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【巻頭特集】抖音電商(TikTok EC)分析レポート
抖音(TikTok)はライブコマースだけじゃない!
ECサイト連動の「全域インタレストコマース」に迫る
【消費者研究】Z世代再考察レポート
自身の価値観やニーズに理性的に向き合う・・・
アフターコロナの中国Z世代消費トレンド研究
【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑬
スタバを抜いて中国カフェチェーントップに!
「新小売」カフェを普及させたラッキンコーヒー
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