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2024年5月22日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第621号】
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こんにちは!キャストグローバルの大亀です。
引っ越しの際に利用したディープ清掃。中国では「阿姨」(アイ)と呼ばれる家政婦の派遣がアプリから気楽に依頼できるのですが、提供されている豊富なサービスラインナップを見て改めて驚きました。
ネットスーパーの「盒馬」(フーマー)では、一般的なホーム清掃が3時間139元、ベテラン家政婦だと175元とお手頃です。先週お話したエアコンや冷蔵庫の洗浄、窓拭き、収納なども別途オーダーできます。
またクリーニングの受取・配達サービスもあります。スーツやコートなどからシューズ、ベッドシーツ、カーテン、カーペットまで、さらには高級ブランドバックなども、自宅まで引き取りに来てくれます。
特に驚いたのはペット関連。イヌやネコのシャワーから爪切り、歯磨き、トリミング、さらには餌やりや散歩などもメニューにあります。これなら休暇でしばらく留守にしても、安心して旅行に行けますね。
今週のコラムは、アニメグッズ(谷子)需要を牽引する「00後」世代についてです。では、中国消費洞察メルマガ第621号をお送りいたします。
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■ユーチューブ「中国消費洞察」チャンネル
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中国歴25年の日本人コンサルタントがお届けする中国消費・マーケティング情報です。中国の消費現場、トレンド、ネット・EC、小売・流通、消費者動向などを2分前後の動画で解説します。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第621回)
◆推し活グッズ「痛包」(痛バッグ)も人気に!
~アニメグッズ(谷子)需要を牽引する「00後」世代~
2. 新着コンテンツ一覧
3. 新着統計データ一覧
4. お知らせ
会報誌「中国消費洞察」2024年4月号(vol. 113)発行
(詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第621回)
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【第621回】 推し活グッズ「痛包」(痛バッグ)も人気に!
~アニメグッズ(谷子)需要を牽引する「00後」世代~
中国語で「谷子」と書いて、何のことかおわかりでしょうか?読み方は「guzi」。アニメや漫画、ゲーム関連の「グッズ」のことを指します。
中国でのマーケティング戦略で、ターゲット客を考察する際に無視できない存在となりつつある「圏層」。興味や趣味を同じくする若者たちが、リアル、ネット問わず繋がるグループ層のことです。
ここ1年ほど、谷子(グッズ)をコレクションする集まりの「谷圏」や、ドールコレクターの「娃圈」などが、SNSの小紅書(RED)でホットワードになっています。
これら新興圏層のコアユーザーは、2000年代生まれ(現在15〜24歳)の「00後」世代です。中国調査会社の芸恩(endata.com.cn)によると、谷圏や娃圈のフォロワーは、彼らが全体の7割以上を占めると試算しています。
これら圏層関連の消費も00後世代が牽引。2022年には、天猫・淘宝で00後世代による「谷圏」関連の平均消費額が、前年比20%増の1,700元に達しました。
近年は、コレクションしたグッズを見せびらかす「晒谷」が流行。コレクションを見せびらかす推し活グッズの「痛包」(痛バッグ)が人気となり、推しキャラの缶バッジなどのグッズをびっしり付けてアピールする若者も増えつつあります。
実際に、2022年には、天猫・淘宝で00後世代による痛包の取引高が、前年比156%も増えています。
一方で「娃圈」のほうは、00後世代にとって、人形を子供のように世話するなど癒しの場となっています。着せ替えなどが一種の「儀式」(セレモニー)にもなっているようです。
人形用の衣服人気も上昇。2022年に購入したことがあると答えた人は全体の24%を超え、消費額も前年比146%増。商品の平均単価も32%上昇しています。
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■新着コンテンツ一覧
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◆中国EC業界分析レポート(9)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい⑥~“ご当地生活”情報サービスの強化
ネット上のトラフィック増が頭打ちとなり、消費がオフラインに回帰する兆しも見えるなか、EC業界にも、日常的な「食べる・飲む・遊ぶ」ニーズの争奪戦が繰り広げられようとしている。翌日着から30分内配達へ、またライブコマースからデリバリーのライブ動画へと、中国で「本地生活」と呼ばれる“ご当地生活”関連コンテンツが、新たなトラフィックの獲得源となっている......
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◆中国EC業界分析レポート(8)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい⑤~人工知能(AI)による機能向上
チャットGPTの登場以降、ECプラットフォーム各社で人工知能(AI)を投入するシーンが増えている。大規模言語モデル(LLC)や、AI生成コンテンツ(AIGG)による運営効率改善など、AIはEC業界バリューチェーンの各所に浸透しつつある。コンテンツコマースの筆頭格である抖音(TikTok)と小紅書(RED)は、すでにコンテンツ制作面でのAI導入を進めている......
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◆中国EC業界分析レポート(7)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい④~プラットフォーム間の相互リンクが増加
ECプラットフォーム各社は、自社内で完結するクローズドシステムを向上させると同時に、これまで“ご法度”だった外部とのリンクを開放するなど、顧客獲得に繋げる動きが出始めている。天猫は、微信内にミニアプリ(小程序)の「天猫優品」を設置。ウィーチャット・ペイ(微信支付)で支払えるようにした......
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◆中国EC業界分析レポート(6)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい③~ECとコンテンツの両方を攻める
「貨架」(商品棚=商品一覧)をベースとした従来型ECとコンテンツコマース形態の境界は、ますます曖昧なものとなりつつある。従来型ECプラットフォームも、ショート動画などのコンテンツに注力。トラフィックを誘い込む受け皿として、コンテンツの規模やクオリティを向上させている......
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◆中国EC業界分析レポート(5)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい②~トラフィックが分散化
2023年には、トップ層のライバー(ライブ動画配信者)の影響力が相対的に減少し、ライブコマースのトラフィックは分散化の時代に突入。ミドル層やボトム層のライバーの影響力が高まった。また京東は、自社の調達担当社員「采銷員」によるライブや、お店や企業自ら配信する「店播」(または「自播」)、専門家インフルエンサー「垂類達人」などが異彩を放った......
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◆中国EC業界分析レポート(4)
~2023年の中国EC業界トレンド総ざらい①~プラットフォーム間で「内巻」が激化
中国で「理性消費」と呼ばれる節約志向の風潮が広まるなか、ECプラットフォーム各社は、消費を喚起しようと躍起になった。セールが頻発し、「百億補貼」と呼ばれる総額100億元相当の補助金で各店舗に値下げを促すプロモーションも常態化した。中小店舗への支援やトラフィックの優先誘導など様々な手法も駆使され、価格、コンテンツ、サービス、物流など各方面で「内巻」(ネイジュエン)と呼ばれる過度の競争状態となった......
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◆中国EC業界分析レポート(3)
~コンテンツコマース台頭で従来型ECが低迷 インスタント・リテールも急成長
ECプラットフォーム間の競合バランスにも目を向けてみよう。中国のECプラットフォームの形態は、従来型プラットフォームと新興プラットフォームの2つに大きく分けることができる。従来型とは、中国で「貨架電商」と呼ばれる、いわゆる一般的なECサイトのこと。「貨架」は商品棚の意味で、検索結果など商品の一覧が表示され、そこからほしい商品の詳細ページに飛んで購入するという慣れ親しんだECサイトだ......
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◆中国EC業界分析レポート(2)
~中国EC市場の概況と競合状況 ユーザー数は頭打ち、注目は下沈市場
中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、2023年6月時点における中国のECユーザー数は8億8,400万人で、ネットユーザー全体の82%に達している。ECユーザーの新たな増加には、限界が見えつつある。新規ユーザーを獲得したくとも、以前のように爆発的な増加は見込めず、ECプラットフォーム間で、ユーザーの争奪が競争の核心となっている......
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■新着統計データ一覧
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◆2023年中国居住者の1人当たり年間消費支出の内訳
◆中国居住者の1人当たり年間消費支出(2014年~2023年)
◆中国居住者の1人当たり年間可処分所得(2014年~2023年)
統計データ一覧はこちら >>
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2024年4月号(vol. 113)発行
会報誌2024年4月号(vol. 113)の巻頭特集では、新たな成長の牽引役として注目の「下沈市場」を取り上げました。
下沈市場とは、中国で都市の発展度合いに応じて「線級」単位でランク分けされた三線級以下の中小都市に加え、県・鎮、農村部などを含めた市場を指します。中国国土の約95%を占め、総人口14億人の約2/3、つまり約10億人が居住しています。
2024年の春節休暇期間、ミニブログの微博(ウェイボー)で、「県城経済」(県級都市経済)がキーワードランキングで上位に浮上したことで、下沈市場が再び高い注目を集めました。そのきっかけとなったのが、北京で働く若いユーザーが春節で地元に戻った際に、地方の消費力の上昇に驚いた投稿でした。
大都市で月収1万元を超える若者が、節約を強いられ、スーパーで夜7時以降に値引きされた食品を購入。一方、地方では月収数千元の若者は時間や金銭面の余裕に溢れ、大きな家に住み、高級車に乗り、消費に明け暮れています。
一着千元もするルルレモン(カナダ発の高級ヨガウェアブランド)の服を纏い、米ウォルマート系会員制スーパーのサムズ・クラブ(Sam's Club)で高額の輸入チェリーを満喫するなど、地方都市の豊かな消費生活は、都市生活者の驚きと羨望の的となりました。
ファストフード大手のケンタッキーフライドチキン(KFC)は、中国国内の店舗数が2023年末に1万店を突破。店舗は国内2,000都市以上に分布していますが、新規店舗の半分以上が三線級以下の中小都市でした。
2023年の新規店舗数が885店だったスターバックスは、新たに進出した都市数27都市のうち、74%が五線級の小都市。全国に3,000以上ある県級都市のうち、スターバックスが進出した都市数はすでに857に達しています。
米モルガンスタンレーは、2030年までに、中国の三線・四線級都市居住者の消費規模は45兆元に達すると試算。広大な下沈市場の消費潜在力に大きな期待を寄せています。
しかし中国は国土が広く、多くの人口を抱え、各地の発展度合いもバラバラ。消費構造も各地で異なり、消費者心理も大都市とは大きくかけ離れています。下沈市場での成功は、一筋縄ではいかないことも予想されます。
2021年10月号で特集した下沈市場。今号で改めてスポットライトを当て、その消費構造や消費者イメージ、具体的な消費傾向、下沈市場での事業戦略などについて、整理と分析を試みました。
次に、世界に先駆けて“離陸”する中国の「低空経済」を取り上げました。
低空経済とは、通常1,000メートル以下の低高度(実際のニーズによっては3,000メートルまで)の空域で、民生用の有人航空機と無人運転航空機を輸送手段として、ヒトやモノの輸送など各種シーンにおける低空域飛行活動によって、関連分野の融合的発展をもたらす総合的経済業態のことを指します。
中国政府もここ数年、低空経済の発展を促進する関連政策を相次いで打ち出しています。2021年には、「国家総合立体交通ネットワーク計画綱要」の中に低空飛行が組み込まれました。2023年12月には、中央経済工作会議が、低空経済を戦略的な新興産業の一つに掲げ、その発展を積極的に推進していくことを奨励しています。
2024年の「両会」、つまり全国人民代表大会(全人代)と全国政治協商会議(政協)でも、政府の活動報告で低空経済が初めて言及され、各界から注目を集めています。
中国政府・工業情報化省傘下の調査会社、賽迪顧問(CCIDコンサルティング)が公表した「中国低空経済発展研究報告」によると、2023年の中国低空経済の市場規模は5,059億5千万元に達しているようです。
政策の後押しや技術の発展、低空空域の開放及び応用シーンの多元化などにより、今後、急成長が予想される中国の低空経済。中国民航局は、中国の低空経済市場規模は、2025年には1兆5千億元、2035年には3兆5千億元に達すると見込んでいます。
なかでも特に注目されているのがドローン。すでに物流や救援救護など幅広い領域での活用が広がりつつあります。フードデリバリーの美団(メイトゥアン)やEC(電子商取引)の京東(JDドットコム)、宅配の順豊(SFエクスプレス)など大手各社が積極的に導入を進めています。
そこで今号では、今年、中国で最もホットな話題となっている低空経済について、産業構造から現状、具体的な応用領域、代表的企業、政策、今後の動向などを分析しました。
あの頃の中国ビジネス&生活(その18)は、スマホ決済の普及とともに市場を一気に拡大した中国フードデリバリー業界の黎明期についてです。
前号まで紹介してきたネットスーパーや無人コンビニなど、「新小売」と呼ばれる各種O2Oサービスが続々と誕生する前。ちょうどタクシー配車アプリによる“キャッシュバック合戦”が収束しはじめた2016年ごろにさかのぼります。
当時、中国のフードデリバリー市場は、大手3社が熾烈なキャンペーン合戦を繰り広げていました。
赤を代表するのがネット検索大手の百度(バイドゥ)傘下「百度外売」。青の「餓了麽」にはネット通販大手のアリババが、黄の「美団外売」にはSNS大手のテンセントがそれぞれバックで出資していました…。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2024年4月号(vol. 113) もくじ
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【巻頭特集】中国「下沈市場」分析レポート
中国消費の成長を牽引する「県域経済」とは?
中国「下沈市場」再発見!
【業界研究】中国「低空経済」分析レポート
ドローン配送がデリバリーを変える?
世界に先駆けて“離陸”する「低空経済」
【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑱
ホワイトカラー層の間で人気だった「百度外売」
3社がしのぎを削った中国「外売」(フードデリバリー)黎明期
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