中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
月刊会報誌『中国消費洞察』

2023年4月号 (vol. 103)

月刊会報誌『中国消費洞察』2023年4月号 (vol. 103)
 会報誌2023年4月号(vol. 103)の巻頭特集では、中国で「她経済」と呼ばれるウィメンズ・エコノミーを取り上げました。

 中国消費を語るうえで、女性をクローズアップするケースのほうが圧倒的に多いでしょう。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏も、2015年にアリババ集団が主催した女性起業家大会で「女性が消費の主力だ。女性を取り込めば、消費を取り込んだも同然だ」と発言しましたが、消費のターゲットは常に女性が中心でした。

 そうしたなか、Z世代など若者が消費の主力層として浮上するにつれ、中国人男性にもスポットライトが当たるようになりました。中国で「他経済」と称されるメンズ・エコノミーです。中国語で彼という意味の「他」をあえて強調した他経済が急成長するなか、新たな“ブルーオーシャン”として、当会報誌2021年6月号でも特集を組みました。

 一方で、中国で新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策が大幅に緩和され、中国の経済や消費は新たな転換点を迎えている2023年。アフターコロナの経済復興プロセスにおいて、改めて女性が消費回復の大きな鍵を握っているともいえるでしょう。

 中国で女性の経済・社会的地位や教育水準が向上するのに伴い、消費においても存在感が日に日に高まっています。また家庭においては母であり、妻であり、そして娘でもある彼女たちは、日常の消費に大きな発言権を持っています。

 消費欲が旺盛で、新しいモノ・コトに対して興味津々、また情報収集力にも長けた彼女たちは、ネット上で繰り広げられる各種情報のシェアやインタラクション(交流)においても主導権を握っています。

 そこで今号では、改めて、中国で「彼女」を意味するおんなへんの「她経済」を取り上げ、中国人女性を取り巻く環境と消費行動の移り変わり、オンライン消費の特徴、主な消費ジャンル(コスメ・スキンケア、ファッション、食品・飲食、文化・娯楽、ベビー・マタニティ、ペット、ライフスタイル)、消費トレンドを読み解く6つのキーワードなど、中国で事業を展開する日本企業のマーケティング視点から、インサイトとなるポイントについて、調査・分析しました。

 次に業界研究として、コロナで変わる中国食品・飲料業界の事業環境に迫りました。中国人の所得水準向上に伴い、消費全体がアップグレード傾向にあるなか、食品や飲料の支出も増加しています。一方で、新型コロナの流行以降、中国人は食品の品質や健康面によりこだわるようになり、商品の選択眼もよりシビアなものになりつつあります。

 また中国でネット通販が主流となるなか、食品・飲料の購入に関しても、オンラインチャネルの重要性がますます増しています。英調査会社のユーロモニターによると、2021年に、中国食品・健康業界のオンライン消費規模は6億346万元に達し、2017年から2021年の年間平均成長率は16.5%となったようです。

 世界的に見ても、オンラインでの小売業態が最も発達した国といえる中国では、食品販売のオンラインシェアも、世界水準を大きく上回っています。また中国で近年普及するライブ動画やショート動画などを活用したEC(電子商取引)も、食品・飲料業界のマーケティングモデルに大きな変化を及ぼしています。

 そこで今号では、中国の食品・飲料市場にスポットライトを当て、その発展状況のほか、中国食品・飲料業界の新しいトレンド10選ということで、①ライトミール、②養生、③ “ナマケモノ”生活、④ライフスタイル、⑤ミニマリズム、⑥生鮮、⑦地域主義、⑧商品超えた価値追求、⑨グルメ主義、⑩飲料の面から、消費トレンドや人気ジャンル、消費者層などについて詳細に分析しました。

 また食品・飲料販売で存在感高めるショート動画の「抖音(TikTok)」にフォーカスし、ショート動画やライブ動画を巧みに活用している食品・飲料メーカー(ブランド)も紹介しながら、TikTokの活用法などについてもレポートしています。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その8)は、スーパー業にコト(体験)を持ち込んだ盒馬(フーマー)について。現在の中国ネットスーパー市場を盛り上げた最大の功労者は、いわずもがな、フーマーでしょう。

 店舗を倉庫としても活用し、「店舗から半径3キロメートル以内であれば、30分以内でお届け、それも無料で!」という謳い文句で、センセーショナルな登場となりました。

 しかし、届けてもらえるから便利だということで、上海っ子もすぐに飛びついたわけではありません。当時はまだスーパーに買物に行くのが当たり前でしたし、フルーツなど、特に自分の目で確かめて買いたいという根強いニーズもありました。

 こうした課題を打破するために、まずは客にお店に来てもらい、食品の鮮度や種類の豊富さ、そしてベルトコベアを見てもらうために取り組んだ仕掛け…。それがグローサラントでした。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2023年4月号(vol. 103)  もくじ
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【巻頭特集】中国ウィメンズ市場調査分析レポート
アフターコロナの中国消費支える女性パワー
中国「她経済」(ウィメンズ・エコノミー)を大解剖

【業界研究】中国食品・飲料業界調査分析レポート
コロナで変わる中国食品・飲料業界の事業環境
食品・飲料業界も抖音(TikTok)の活用が必須に!

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑧
まずはグローサラントで店舗に客を呼び込む!
スーパー業にコト(体験)を持ち込んだ盒馬(フーマー)


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・2023年中国消費動向分析
・中国4大ECプラットフォーム分析
・ネットスーパー普及の4つの背景
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