会報誌2025年7&8月合併号(vol. 126)の巻頭特集では、GEO(生成エンジン最適化)を取り上げました。
いま、マーケティングの常識が大きく揺らいでいます。生成AIが日常に浸透するにつれ、人々の購買行動や意思決定のプロセスは劇的に変化しつつあります。
検索エンジンやSNSが情報収集の入口だった時代は終わりつつあり、チャットGPTやディープシークのような生成AIツールが、新たな“ゲートウェイ”となっているのです。
ガートナーの調査によれば、回答者の半数以上が商品情報のリサーチにAIを利用していると回答。なかでも中国市場の変化は目覚ましく、マッキンゼーの調査ではAIツール受容度が欧米を大きく上回っています。
一方で、AIによるレコメンドの約6割にブランド名が表示されないという調査結果もあり、企業にとって新たな課題を突きつけています。特に中国市場ではAIレコメンドによるコンバージョン(購買転換)率がヒトによるものよりも2.8倍に達し、パーソナライズされた提案が消費者を動かしています。
これに対し、ロレアルはAIが読み取りやすい情報設計を進め、ナイキは消費者行動のリアルタイム追跡を開始。P&Gは「AIによるレコメンドの割合」をKPIに設定するなど、AI時代のマーケティングへと舵を切っています。
コスメの完美日記(パーフェクト・ダイアリー)など中国新興ブランドも、AI露出の強化に乗り出し、急成長を遂げています。
これからの勝負は「消費者の心」をいかに掴むかだけでなく、「AIのアルゴリズムにいかに選ばれるか」がポイントになっています。
今号では企業が直面するAI時代の新たなマーケティング戦略を徹底分析し、生成AIの攻略法を指南。SEOからGEOへ…移りゆくマーケティングの最前線をレポートしています。
次に、中国のデザイントイ(潮玩)ブランド「POP MART」(泡泡瑪特・ポップマート)を分析しました。
いまや世界中で旋風を巻き起こしているPOP MART。人気キャラクター「ラブブ(Labubu)」の最新バージョン3.0が2025年4月に発売されるや否や、ロンドン、ロサンゼルス、東京、ミラノなど20都市以上でファンが長蛇の列を作りました。
わずか99元(約2,000円)のフィギュアが、転売市場では数十倍の価格で取引されるほどの熱狂ぶりです。TikTokでは関連動画が初週で60億回再生を突破し、その勢いはまさに社会現象といえるでしょう。
世界的なスターたちもこのブームを後押ししています。リアーナやベッカム、BLACKPINKのリサがSNSでコレクションを披露すると、その影響は瞬く間に広がりました。
タイでは売上が259%増加。ルーヴル美術館にまで専用展示が設けられるなど、アートとトイの境界を超えた文化的な広がりを見せています。米シカゴの店舗では、アップルの新製品発売時を思わせる行列も出現しました。
こうした成功は、偶然ではありません。北京・三里屯の小さな店舗から始まったPOP MARTは、十数年にわたりIP(知的財産)の育成とブランド戦略を積み重ね、時価総額2,600億香港ドルを超える巨大企業へと成長しました。
その核にあるのが、消費者の感情に訴える「情緒(エモ)消費」という新しい価値観です。単なる玩具販売ではなく、ファンの心をつかみ、コミュニティを育むビジネスモデルを築き上げてきたのです。
そこで今号では、POP MARTがどのようにして世界的トイカルチャーを再構築したのか、ブランド展開やグローバル戦略を紐解きます。ラブブ現象の裏にある消費者心理とビジネスロジックにも迫りました。
マーケティングコラムは、中国ハイエンド消費層の海外旅行ニュートレンドについて。
中国の海外旅行市場では、いま高級志向や若年化、そして体験型旅行の台頭が鮮明になっています。なかでも注目されるのが「ハイエンド海外旅行者」と呼ばれる層で、年間の海外旅行関連支出が30万元(約600万円)を超える、上位30%の富裕層を指します。
旅行予約大手シートリップ(携程)のプラチナやブラックダイヤモンド会員が典型例で、1人あたり年間6万~50万元(約120万~1,000万円)を消費しています。主な居住地は北京や上海といった一線級都市に加え、杭州や成都など新一線級都市にも広がりを見せています。
こうした層は、単なる物見遊山ではなく、ラグジュアリー体験や自己表現を重視する傾向が強く、世界の旅行市場において存在感を増しています…。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2025年7&8月合併号(vol. 126) もくじ
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【巻頭特集】AIマーケティング分析レポート
AI(人工知能)がもたらすマーケティング大革命
勝負はSEOからGEO(生成エンジン最適化)へ
【企業研究】POP MART(ポップマート)分析レポート
ラブブ(Labubu)が世界中で大ヒット!
エモ消費ブームでトイ業界を再構築する「POP MART」
【マーケティング・コラム】
高級志向、若年化、体験型が台頭
中国ハイエンド消費層の海外旅行ニュートレンド