会報誌2025年9月号(vol. 127)の巻頭特集では、中国の外食市場と日本食レストランのビジネスチャンスを取り上げました。
2024年も全体的に成長傾向を保った中国外食市場。国内の外食収入は前年比5.3%増の5兆6千億元を記録しました。
中国では消費のアップグレードや理性化トレンドを背景に、外食産業の成長モデルが単なる拡張路線から、消費者の体験や市場の変化への適合を重視する方向へと移行しています。
火鍋、軽食・ファストフード、茶飲料、コーヒー、ベーカリーなど、細分化したそれぞれの業態で新たな機会が次々と生み出される一方、市場全体としては、チェーン化、ライトミール化、「現炒現做」(注文を受けてから調理するスタイル)、他業態とのコラボ、シーン・マーケティングなどがトレンドとなっています。
日本食は、中国人に最も人気の高い外国料理の1つです。その人気の理由は、独特な食文化や繊細な調理法だけでなく、日中両国間の文化的な類似性や消費者の旅行体験にも深い関連性があるでしょう。
訪日観光客の増加や、日本のドラマ・ライフスタイルへの憧れは、特に若年消費者の間で、日本食に対する認知や人気を高める原動力となっています。
また日本食で重視される素材の持ち味を生かした精緻な調理法は、中国国内の消費者が求める高品質で健康的なライフスタイルとも親和性が高い。文化的共感やライフスタイルに対する共鳴は、中国の外食産業における日本料理の位置づけにも大きな影響を与えています。
そこで、今号では中国の外食市場の規模や発展トレンドを起点に、消費者ニーズや嗜好を分析し、中国における日本食レストランの発展状況についても整理しました。
日本の外食企業が中国市場で成功を収めるためのポイントを模索し、日本企業が中国の外食市場及び日本食市場の動向を把握する際の参考資料としても活用できるようレポートしています。
次に、中国アルコール飲料業界及び市場を分析しました。
コンビニの冷蔵ケースの前で、「00後」(2000年以降生まれ)世代の若者が、さまざまなフレーバーのカクテル飲料を熱心に選んでいる・・・。
都市部のホワイトカラーのデスクの引き出しには、330ml缶の低アルコール米酒がひそかに常備されている・・・。
SNS上では、ウイスキーにクコの実を加えて飲む「パンク養生」(※不健康な生活を送りながら、健康にも執着すること)コンテンツを多くの人がシェアしている・・・。
これらは、一見バラバラな日常のシーンですが、中国アルコール飲料市場の「今」をまさに映し出しています。
社交シーンや伝統的な儀式の場に欠かせない「お酒」。中国の若い新世代の間では、従来の接待や社交の場を盛り上げる“ツール”としての役割を超え、日々の生活において感情やライフスタイルを表現する“メディア”として認識されつつあるようです。
市場分析の際にも、以前の枠組みに固執することが難しくなり、チャネル戦略や商品に関するマーケティング手法も再編を迫られています。
販売チャネルではオンラインが初めて主流となり、低アルコール飲料が三桁成長の勢いで急拡大を続けています。
ほろ酔い気分を楽しむ「ひとり飲み」や「ホーム・バー」といった新たな消費シーンも流行し、アルコール飲料消費は集団から個人へ、儀式から日常へとシーンを移しつつあります。
こうした変化を前に、日本企業はどう向き合っていくべきか。新たな発展の大きなチャンスが広がる中国のアルコール飲料の市場や今後の動向について分析しました。
マーケティングコラムは、2025年上半期の中国消費市場を洞察しました。
2025年上半期、中国国内の消費市場は回復基調を維持し、同時に構造的には少なからぬ変化を示しました。
GDPは前年同期比で5.3%増、成長率は0.3ポイント上昇。GDPの成長に対する消費の貢献度は50%を超えており、消費は依然として経済成長の重要な牽引役を果たしています。
中国の消費市場は、全体として健康志向、スマート化、個性化がトレンドとなるなか、買い替え政策による後押しが今後も成長の牽引役になると予想されるが…。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2025年9月号(vol. 127) もくじ
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【巻頭特集】中国外食(日本食)市場分析レポート
コスパと現地化戦略で日系外食企業にも広がるチャンス
中国の巨大な外食市場をいかに攻略するか?
【業界研究】中国アルコール飲料市場分析レポート
若者が牽引する「お酒」の新しいニーズ&トレンド
自宅や仲間との“普段飲み”が浸透する中国「お酒」事情
【マーケティング・コラム】
2025年上半期の中国消費市場洞察
買換政策と需要回復のダブル効果で成長トレンドを維持