会報誌2025年12月号(vol.130)では、毎年恒例となる「中国消費トレンド番付」を発表しました。
今年の中国消費を下支えした2つのパワーを横綱に選びました。一つは、中国政府による消費刺激政策です。全国規模で体系的に実施された「以旧換新(買い替え)」政策は、自動車、家電、住宅など幅広い分野に波及し、消費を直接的に押し上げる役割を果たしました。
もう一つは、中国で「即時零售」と呼ばれるインスタント・リテールの定着です。フードデリバリー網を活用し、注文後1時間以内に商品が届くこの業態は、すでに一過性の流行を超え、小売流通のインフラとして人々の生活に深く組み込まれています。
こうした環境のもと、中国では今年も多様な消費トレンドが生まれました。経済的に自立した「中女(中年女性)」層は、質の高い生活の実現や自己投資に積極的に取り組む一方で、若年層はアニメやゲームなどの「谷子(グッズ)」を購入し、バーチャルなキャラクターへの感情を消費という形で表現しています。
消費者はコストパフォーマンスだけでなく、文化的背景や価値観も重視するようになり、「国貨崛起(メイド・イン・チャイナ)」への支持は一段と高まりました。
飲食分野では、食品の過度な工業化への反発から生まれた「反預製」志向が広がりました。また環境意識の高まりを背景に「二手経済(中古エコノミー)」も存在感を強めています。
さらにAI(人工知能)が生活の隅々にまで浸透するなか、企業のマーケティングも「消費者に選ばれる」だけでなく、「AIにどう評価され、どう推薦されるか」が問われる時代へと移行しました。
生成AI時代の新たなマーケティング手法として「GEO(生成エンジン最適化)」が注目を集めたことも、2025年を象徴する動きといえるでしょう。
自身の健康を主体的に管理する「新養生」や、競争や情報過多にさらされる都市生活から心身を解放したいという「身心曠野(身と心のリセット)」も、今年を特徴づける重要なキーワードです。
今号ではこうした一年間の動きを踏まえ、「2025年中国消費トレンド番付」としてランキング形式で整理し、それぞれのトレンドや背景について詳しく解説しています。
続いてトレンドウォッチでは、中国女性向け健康食品市場に注目しました。10兆元規模に拡大した「她経済(ウーマン・エコノミー)」の主役である中国女性は、健康管理をライフスタイルの中核に位置づけています。
女性向け健康食品市場は、従来の栄養補給を目的とした段階を超え、より多様なニーズとサイエンスに基づく配合を重視する新たな成長フェーズへと突入しました。
免疫サポートや体重管理といった全年齢層向けの需要に加え、更年期など特定のライフステージに焦点を当てたケア、「悦己(ユエジー)」と呼ばれる自分を悦ばせる価値観と結びついた内服美容やメンタルケア分野まで、カテゴリは高度に細分化しています。
成分イノベーションや健康食品のスナック食品化、感情価値を重視したマーケティング手法も、市場競争の構図を左右する重要な要素となっています。
今号では同市場の全体像を整理するとともに、女性の消費意識の変化と今後のビジネス機会について考察しました。
マーケティングコラムは、2025年の「双11(ダブルイレブン)」セールを総括。今年で17回目を迎えたダブルイレブンは、依然として中国消費の動向を映し出す重要な指標です。
復旦消費ビッグデータ実験室によれば、セール期間中のネット取引高は前年比約10%増の2兆4千億元。星図数据の推
計でも二桁成長が確認されました。
EC大手の京東集団(JDドットコム)では、注文ユーザー数・注文件数ともに大幅に増加し、ユーザーの拡大と消費の深化が同時に進んだ一年であったことがうかがえます。
フードデリバリー網を活用したECの進化とともに、今後の中国小売・ECの方向性について読み解きました。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2025年12月号(vol. 130) もくじ
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【巻頭特集】2025年中国消費トレンド番付
ありのままの“ホンモノ”を求める趨勢に
「2025年中国消費トレンド番付」発表
【トレンドウォッチ】中国女性向け健康食品分析レポート
「她経済」の拡大と健康意識の高まりで急成長
中国女性向け健康食品市場を大解剖
【マーケティングコラム】
フードデリバリーを使ったネット通販が拡大
2025年「双11」(ダブルイレブン)セール大総括