会報誌2026年4月号(vol.133)の巻頭特集では、中国で急速に存在感を高めている「AI+消費財」市場を取り上げました。
近年、中国では生成AIの進化を背景に、AIを単なるスマホやパソコン内の機能としてではなく、実際に“モノ”へ組み込む動きが加速しています。ウェアラブル機器、AI玩具、映像機器、家電製品など、日常生活のさまざまな場面でAI搭載製品が広がり始めています。
特に注目されるのが、中国業界内で2026年が「AIハードウェア化元年」と位置づけられている点です。政策支援や技術進化を背景に、AIが自ら判断し、ユーザーへアドバイスやサポートを提供する製品群が急速に増加しています。AIは画面の中の存在から、生活空間に入り込み、実際に触れて使う存在へと進化しつつあるのです。
中国版TikTokの抖音(ドウイン)では、AIロボット関連動画の累計再生回数が21億回を超えるなど、消費者の関心も急速に高まっています。単なる話題消費の段階を超え、どの製品が便利か、自分に合っているかを比較・検討するフェーズへ移行している点も特徴です。
今号では、「AI+消費財」市場の全体像を整理したうえで、ウェアラブル機器、玩具、映像機器、家電など各分野の最新動向や主要企業の戦略を分析しました。中国で進む「AI+」の実態を理解し、日本企業が今後の事業機会を考えるうえでの参考となれば幸いです。
トレンドウォッチでは、中国で急拡大する「二手経済」(中古エコノミー)を特集しました。中古品市場はすでに年間約1兆7千億元規模へ成長し、スマホや家電からベビーカーまで、日常生活の幅広い領域へ浸透しています。
背景には、若年層を中心とした価値観の変化に加え、環境意識の高まり、政策支援、そしてAI技術を活用した取引の効率化があります。写真を撮るだけで商品説明や参考価格を自動生成する機能や、AIによる価格算定・レコメンド機能などが普及し、中古取引の利便性と信頼性が大きく向上しています。
また中国の中古市場では、単なる「節約志向」だけではなく、「合理的に選ぶ」という新しい消費観が広がっている点も特徴です。特に若年層を中心に、中古品を“妥協”ではなく、コストパフォーマンスや環境配慮、自分らしい消費スタイルを体現する選択肢として積極的に受け入れる動きが目立っています。
さらに閑魚(シエンユー)や転転(ジュアンジュアン)、愛回収(アイホイショウ)など主要プラットフォーム各社も、それぞれ異なる強みを打ち出しながら市場拡大をけん引しています。個人間取引を軸に巨大なユーザー基盤を持つ企業から、検品・保証サービスを強化する企業まで、競争環境も急速に高度化しています。
今号では市場規模や成長要因、ユーザー属性、主要プラットフォームの競争戦略などを整理し、中国中古品市場の全体像を多角的に分析しました。
マーケティングコラムでは、美団閃購(メイトゥアン・シャンゴウ)を事例に、中国で急成長する「即時零售」(インスタント・リテール)を取り上げました。
従来型の家電販売が成長鈍化に直面するなか、注文から30分〜1時間程度で商品を届ける即時配送サービスが、新たな販売チャネルとして存在感を強めています。特に若年層を中心に、「必要な時にすぐ欲しい」というニーズが拡大し、デジタル家電市場にも大きな変化をもたらしています。
今号では美団閃購のデータをもとに、家電・デジタル製品市場における5つの主要消費シーンを分析し、中国インスタント・リテール市場の最新動向と今後の可能性を考察しました。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2026年4月号(vol.133) もくじ
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【巻頭特集】中国「AI+消費財」市場分析レポート
AIが“モノ”として生活に入り込む時代へ
中国「AI+消費財」市場の全体像
【トレンドウォッチ】中国中古品市場分析レポート
閑魚が市場を牽引、日常に浸透する中古消費
中国で急拡大する「二手経済」(中古エコノミー)
【マーケティングコラム】
「美団閃購」に見る5つの主要消費シーン分析
家電・デジタル製品市場を牽引するインスタント・リテール