会報誌2026年5月号(vol.134)の巻頭特集では、中国のショート動画プラットフォーム「快手」(クアイショウ)を取り上げました。
中国のショート動画市場といえば、抖音(ドウイン・TikTok)や小紅書(RED)を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし快手は、それらとは異なる独自のポジションを築いています。最大の特徴は、中国の「下沈市場」と呼ばれる三線級以下の地方都市、県、郷・鎮、農村部などに深く浸透している点です。
2026年3月時点で、快手の月間アクティブユーザー数は7億人を超えています。プラットフォーム上では、ユーザー同士が「老鉄」(ラオティエ、気心の知れた仲間の意)と呼び合い、ライブ配信やショート動画を通じて長期的な信頼関係を築いています。この信頼関係を基盤とした「信頼経済」は、年間流通取引総額(GMV)約1兆6,000億元規模の巨大なEC市場を生み出しています。
快手ユーザーの多くは、派手なブランドイメージよりも、誠実さや実用性、コストパフォーマンスを重視する傾向があります。また下沈市場では依然として消費のアップグレードが進んでおり、日本企業にとっても大きなビジネスチャンスが存在しています。
今号では、快手の発展の歩みやユーザー特性、商業エコシステムを整理するとともに、日本企業が中国下沈市場へアプローチする際の可能性や活用方法について分析しました。
業界研究では、中国の自動運転産業を特集しました。
自動運転は単なる技術革新にとどまらず、人やモノの移動コストを引き下げ、物流やモビリティサービスのあり方そのものを変えつつあります。特に中国では、百度(バイドゥ)のApollo、小馬智行(Pony.ai)、文遠知行(WeRide)などを中心に、自動運転タクシー(ロボタクシー)の商業運行が急速に拡大しています。
また無人配送車や自動運転トラックの活用も進み、物流分野における人手不足対策や効率化にも大きな役割を果たしています。さらに鉱山や港湾、工業団地などの限定エリアでは、すでに大規模な無人運行ネットワークが構築されつつあります。
中国政府は制度整備や実証環境の整備を積極的に進めており、自動運転の商業化において世界をリードする存在となっています。一方、日本でも高度自動運転の実証や制度整備が進みつつあり、中国市場の動向は今後のモビリティ産業を考える上で重要な参考事例となっています。
今号では、中国自動運転市場の現状や政策動向、ロボタクシーや無人物流の最新事例を整理し、中国がどのように世界最大級の自動運転ネットワークを構築しているのかを分析しました。
マーケティングコラムでは、中国ペット市場の最新動向を取り上げました。
近年、中国ではペットを単なる飼育対象ではなく、家族の一員として捉える「ペットの家族化」が進んでいます。こうした価値観の変化を背景に、ペット市場は安定した成長を続けており、2028年には市場規模が4,000億元を突破する見通しです。
なかでも市場成長を牽引しているのが「猫経済」(ネコノミクス)です。都市部の住環境やライフスタイルとの相性の良さからネコの飼育数は大幅に増加し、関連商品の市場も急速に拡大しています。ペットフードや用品だけでなく、医療、保険、高齢ペット向けサービス、人とペットが共に暮らす住環境づくりなど、新たな需要も生まれています。
今号では、中国ペット市場の成長要因や消費者動向を整理するとともに、「猫経済」を中心とした最新トレンドや今後の市場機会について考察しました。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2026年5月号(vol.134) もくじ
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【巻頭特集】中国ショート動画「快手」分析レポート
7億人の「老鉄」が支える地方のライブコマース消費
中国「下沈市場」攻略の切り札「快手」(クアイショウ)
【業界研究】中国自動運転業界分析レポート
実証実験から本格的な事業化・普及段階へ
ロボタクシーが成長を牽引!中国「自動運転」産業
【マーケティングコラム】中国ペット市場の現状と発展動向
「猫経済」(ネコノミクス)が成長を牽引
ペットの“家族化”で拡大続く中国ペット市場