さて、訪日の大きな目的とされるショッピング。中国人はいったい日本で何を買うのだろうか。インバウンド消費の情報があふれている今日、中国人の「爆買い」や購入品リストはほぼ知れ渡っているが、今一度整理してみよう。
中国人に人気のウォシュレット
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今回のインタビュー対象者の間では、やはりスキンケア用品と化粧品が「必売品」という意見が多かった。自分用に半年から1年分をまとめ買いするほか、友人へのお土産や代理購入目的とするケースも多い。このほか、iPadやデジタルカメラレンズ、炊飯器、美容マシン、ウォシュレット、ステンレスボトルなどが定番だ。子供用玩具、食品、おむつなども欠かせないだろう。これらは中国人の「爆買い」により売り切れが続出することもある。帰国前には空港でスナック菓子やチョコレートなどを買い込むとの答えもあった。
彼らは日本に行く前に買い物リストを用意するという。どこに行けば安く買えるのかなどという情報をすでにまとめており、日本に着いたらお店に直行、というスタイルが定着しつつある。買い物しすぎてスーツケースに入らないという贅沢な悩みも聞かれた。買い忘れて残念というものでは真っ先に炊飯器が挙がった。
日本で購入することが多い食品、化粧品、雑貨や小物などは比較的低価格だ。高いものと言えば、IT製品、小型家電、ブランド物、デザイナーズブランドのアパレル製品や腕時計などが挙がる。
スナック菓子やスキンケア用品、薬品は消耗品なので、いつかは食べ終わったり使い終わってしまう。そのため、まずは自身の旅行の際に大量に買い込むことがマスト。それに加え、友人の旅行の際に購入を頼んだり、海外通販サイトで買うこともあるという。
中国でそれらの日本製品が普通に買うことができれば便利この上ないが、インタビュー対象者はおしなべて否定的な意見が多かった。まずは各種税金が加わり、通販より高くなるのではという懸念がある。また、「中国で売られている」だけで偽物ではないかという疑念が生じ、本物かどうかの保証がないという意見も出た。中国のショッピング環境への信頼度がほとんどないという事実も浮き彫りになっている。(続)