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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第111号】~ネット2強がタクシー配車でバトル~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2014年3月5日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第111号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。
 先週あるクライアントの調査で、上海近郊の日系食品メーカーを訪問しました。その工場は上海浦東空港近くの工業団地にあり、周りは上海ながら畑が一面に広がる農村地帯でした。
 主な商品は、水煮して真空パックにしたタケノコやレンコンで、最近日本では珍しいわらびやぜんざい、ふきのとうなども。近隣の浙江省や江蘇省の農家から買い取って商品化しているとのことですが、そのパッケージもよく見てみると見慣れたロゴが…。それは最近日本で販売が絶好調と言われているセブンプレミアムでした。
 帰国した際によく利用するコンビニのPB商品ですが、こんな遠くで作られているのかと驚き、改めて日中両国間の近さと経済の結びつきの強さを実感しました。
 今週のコラムは最近利用が急増しているタクシー配車アプリについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第111号をお送りいたします。

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2006年より中国の市場、業界、企業、消費者調査を行っています。特に企業調査では内部関係者にアプローチし、工商資料だけでは見えない精度の高い情報を収集し分析しています。
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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第111回)
     ~ネット2強がタクシー配車でバトル~
 2. 新着コンテンツ一覧
 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2014年1・2月号(vol.11)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「「馬」2人、ネット業界レース」(2014年2月21日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第111回)
 ~ネット2強がタクシー配車でバトル~

 最近上海では朝夕の通勤ラッシュ時に、「空車」ランプが点灯しているタクシーが道端で手を挙げている客の目の前を無情にも通り過ぎる光景をよく目にします。怪訝そうな顔つきで怒りをあらわにする外国人もいるほど。これは、スマホのタクシー配車アプリが関係しています。「素通りタクシー」はすでにアプリ経由で予約済みだったということです。
 そのタクシー配車アプリですが、現在中国全土で「嘀嘀打車」と「快的打車」の2社がガチンコの勢力争いを繰り広げています。前者はインスタントメッセンジャーの「QQ」やスマホのチャットアプリの「微信(WeChat)」で有名な騰訊(テンセント)が、後者はネット通販の「淘宝」や「天猫」で有名な阿里巴巴(アリババ)がそれぞれ出資しています。
 中国ネット界の巨頭である両社がそれぞれのアプリ利用者増を目論み、広告宣伝やプロモーションに多くの資本を投下しています。その一つが、スマホ経由で決済(タクシー代支払い)すればキャッシュバックするというもの。嘀嘀打車がまず、「微信支付」で支払った場合は10元返金というサービスを打ち出しました。その後、快的打車が自身のグループ傘下にある「支付宝」で決済すれば11元返金と対抗。嘀嘀打車も負けじと12元を返金する策に乗り出すなど、競争はヒートアップするばかりです。優遇を受けるのはタクシー運転手も同じ。アプリ経由で客を乗せた場合、1日10回を限度に1乗客当たり10元のリベートが支払われます。
 これらのアプリは、タクシーを呼ぶ際に別途0~20元のチップを支払うかどうかを選ばせる仕組みになっており、通勤ラッシュや雨など天候が悪い日には特にチップが弾むそう。運転手にとってはリベートやチップが臨時収入となり、毎月2000~3000元の収入増になった人もいるということです。
 私もタクシー代10元をキャッシュバックしてほしいと思い、早速、微信支付で銀行カードを登録しようとしました。しかしながら、今のところ中国人の身分証明証番号が必須。外国人は使えないようです。最近、運転手からは「微信支付で支払うよね?」とよく聞かれますが、「現金で」と答えた瞬間にあからさまに不満そうな顔をされるケースもあります。
 また、アプリで予約した際に自分の居場所はGPSで運転手に伝わるのですが、正確な位置を伝えるには必ず双方が電話で確認しなくてはならないため、赴任したばかりのクライアントは結局使えないと嘆いていました。こうした外国人やスマホを使いこなせない高齢者がタクシーを利用できない状況を問題視した上海市政府は、3月1日より午前7時半~9時半と午後4時半~6時半の通勤ラッシュ時はアプリ利用を禁止しました。
 「上に政策あれば、下に対策あり」の中国で、今後どのような展開を見せるのか。この上下のガチンコ勝負も注意深くウォッチしていきたいと思います。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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「ナイキの戦略から見る中国スポーツ用品市場(1)」
 ~スポーツの認識向上が急務、カジュアルブランドからの脱却を
 2008年の北京五輪を契機にスポーツブームが到来し、スポーツ用品市場も一つのピークを迎えたが、楽観的な見通しが災いして過剰生産や在庫の山を築くという結果になった。同市場はここ数年、伸び悩みと衰退が続いており、ナイキやアディダスといった国際大手もその例外ではない。もっとも、市民のスポーツへの認識は徐々に高まっており、スポーツブランドが活躍する余地はこれから増えてくるかもしれない。……
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「政府系の華潤集団、顧客ニーズを重視して躍進(5)」
 ~PBのさらなる発展がカギ
 同社はPB(プライベートブランド)戦略も積極的に推し進めている。PB製品は製造や流通コストが抑えられるため、一般的にナショナルブランド(メーカー品)より価格が10~20%低く、利益は10%ほど高い。ただ、中国では浸透が遅れており、聯華超市やウォルマート、カルフールなどもPB事業で苦戦中と伝えられている。大量の製品を傘下チェーンで一斉に売り出すというのがPB戦略の要の一つだが、広大な中国市場ではなかなか機能していないのが現状のようだ。……
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「キーワードで読み解く2014年の中国消費トレンド(10)」
 ~中国で進むレジャー消費の勃興
 中国の旅行市場が拡大中だ。94年から11年にかけて旅行産業規模(収入ベース)は年平均16.6%成長してきた。WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)によると、中国の旅行消費額は99年の5843億元から13年は2兆5605億元まで拡大したもようだ。単純な訪問旅行から、レジャー型あるいはレクリエーション型が主流となりつつある。……
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「政府系の華潤集団、顧客ニーズを重視して躍進(4)」
 ~マルチブランドとM&A戦略
 華潤万家の親会社の華潤創業は3大事業戦略として、(1)M&Aによる店舗拡大、(2)海外企業とのパートナーシップ、(3)市場ニーズに応じた経営(サービスの多角化と品質重視)、を掲げている。華潤万家もこの方針に従って事業を進めてきた。……
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2014年1・2月号(vol.11)発行

 会報誌2014年1・2月号(vol.11)では、力強い成長が続く中国消費市場をキーワードで区切りながら、それぞれの現象や動向を分析及びレポートしています。日中間の政治問題やGDPなどの数字では計り知れない消費現場の実態や変化についてまとめています。シャドーバンキング、倹約令、PM2.5を伴う大気汚染、食への不信感、ネット通販、ソーシャルメディア、商業施設の挑戦、90后など、いずれも中国消費現場の「いま」を客観的かつ多角的に掘り下げました。また巨大市場を目の前に「地産地消」が迫られる日系製造業がいかに販売を伸ばしていくか。欧米や香港、ローカル系企業がどのように情報を収集し、分析及び活用しているかについてヒアリング調査を行いました。そのうえで、これまでの実績案件を例にしながら、日系企業の情報力向上のノウハウと「地産地消」戦略を紹介しています。
 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
2014年1・2月号(vol.11)  もくじ
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【巻頭特集】 中国最新市場動向
  『オリジナルとカスタマイズを重視、環境と子供向け製品にも注目』 
   キーワードで読む得2014年の中国消費トレンド

【第2特集】 中国ビジネス最前線
  『「地産地消」時代をいかに戦うか』
   精度の高い「情報収集」+「データ分析」=「情報力」が鍵に

【第3特集】 チャイナ・リサーチ 業界&企業分析
  『マルチブランドとM&A戦略を貫く中国小売業界の雄』
   政府系の華潤集団、顧客ニーズを重視して躍進

【マーケティング】 中国最新マーケティング
  『模倣品も登場、過熱する紙おむつ市場』
   右肩上がりの中国紙おむつ市場

【インタビュー】  中国ビジネス最前線 ~現地企業のキーパーソンに聞く~ 
  『スポーツの認識向上が急務、カジュアルブランドからの脱却を』 
   ナイキの戦略から見る中国スポーツ用品市場の現状と展望

【都市別調査】 都市別マーケティングレポート 
  南京編 『「消費型」スタイル貫く南京の若者世代』
  福州編 『歴史ある古都、華僑の故郷「東街口」が商圏の中心』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
※会報誌は毎月20日発行です。

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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第21回「「馬」2人、ネット業界レース」(2014年2月21日付)

 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
 第21回は「「馬」2人、ネット業界レース」(2014年2月21日付)。今年のえとは「午(馬)」。その馬にちなんででもないでしょうが、最近ネット業界では二人の「馬」が話題を呼んでいます。1人目は馬雲(ジャック・マー)氏。電子商取引最大手のアリババグループの創業者で元CEO。もう1人は馬化騰氏。IM(インスタントメッセンジャー)の「QQ」やスマホのチャットアプリ「微信」で有名なテンセントの創業者兼CEOです。かつてはプライベートで食事に行く仲だったこの二人ですが、現在は各々得意分野のネット通販やチャットアプリだけでなく、タクシー配車、オンラインゲーム、物流などでも活発な投資合戦で「ガチンコ」勝負しています。この二人の「馬」の勝負の行く末はいかに…。
 次回の掲載は3月7日を予定しています。

※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
(http://t21.nikkei.co.jp/)
  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk

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