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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第214号】~越境ネット通販で変わる税金~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2016年4月6日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第214号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。
 先週末は清明節休暇で中国は三連休でした。清明節とは、旧暦の春分からちょうど15日目にあたる日で、家族揃って先祖の墓参り(掃墓)に行くのが習わし。日本でも春分と秋分を中日に前後各3日間(計7日間)を「彼岸」といって同様に墓参りをしますね。
 その清明節休暇に入る数日前、午前中のクライアントとの会議を終えて帰社する途中、道端の数百メートルに及ぶ長い行列に遭遇しました。場所は外灘と人民広場の間に広がる古い建物が並ぶ界隈で、レストランの入店待ちにしては列が長すぎです。
 上海ではあまり街中で行列を目にしないので、興味津々にその行列の先頭までたどり着くと、そこは「杏花楼」という月餅が有名な老舗レストラン。「青団」というあんこ入りの草団子を販売していました。日本ではお彼岸に「おはぎ(ぼたもち)」を食べますが、上海では清明節にこの青団を食べるのが習わしだそうです。
 今年は新商品の鹹蛋黄肉松(塩卵黄と豚肉そぼろ)が人気沸騰。6個入り一箱48元で1人5箱までの限定販売にもかかわらず、3時間待ちの行列ができるほどの大盛況。清明節が終わっても販売する予定なのに、別にいま並んでまで買わなくても…と思いながら、6月にオープンする上海ディズニーランドの光景が目に浮かび、先が思いやられました。
 今週のコラムは4月8日から変わる越境ECの税制についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第214号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第214回)
     ~越境ネット通販で変わる税金~
 2. 新着コンテンツ一覧
 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年3月号(vol.32)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/
     3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
         「Luxury market still alive in China(高級品、個人用途攻略を)」
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第214回)
 ~越境ネット通販で変わる税金~

 4月8日からいよいよ越境ネット通販の税制が変わります。これまで業界内で様々な噂が流れ、いくつかの憶測も呼びましたが、ついに3月24日に中国財政部から公式発表されました。
 これまで個人用途を目的とした越境での持ち込み及びネット取引については、一般の物品貿易で課される増値税と関税(プラス一部ぜいたく品対象の消費税)に替わり、「行郵税」という特別の関税が課されていました。粉ミルクや食品が10%、アパレル製品は20%、ゴルフ用具や高級腕時計は30%、たばこ、酒、化粧品は50%という税率で、課税総額が50元を超えない場合は免税扱いとなっていました。
 それが今回の改正により、税額50元以下の免税枠が排除され、一回の購入が2000元以下、または年間の購入が2万元以下の場合において、1)越境ネット通販(プラットフォーム経由)については、基本的に行郵税ではなく、増値税と消費税(一部ぜいたく品について)の70%分で課税(関税は当面0%)、2)直送の場合は行郵税を適用するが、税率は商品に応じて15%、30%、60%の3段階に変更、となりました。また、購入上限を超えた場合には、一般貿易同様の税金が課されます。
 例えば、これまでベビー用品やアパレル品だとそれぞれ行郵税が10%と20%で税額50元以下の場合は免税対象となっていました。それが、それぞれ上記の購入上限を超えていない状況下では70%分が課税されるので、いずれも増値税17%×70%の11.9%となります。一方、消費税が加算される化粧品では、改正後は消費税30%の70%=21%が増値税とともに加算され、全体で32.9%の税率となります。以前の総額50元以下の免税対象を考えれば、大幅な増税に見えますが、一方でその対象額を超えていれば以前の行郵税50%からの減税となります。
 このように法制上は若干減税感を打ち出しているような内容となっていますが、実際のユーザーの購入額を考えれば増税となるのは必至で、業界では今後どのような影響が出るか固唾を呑んで見守っている状況です。ただ実際には、プラットフォーム型の場合、税関とシステムが直接繋がっているため行郵税の徴収も滞りなく行われていましたが、越境取引の8割から9割を占めるといわれる個人間の直送によるものは、行郵税もほぼ徴収されることなくスルーされていたのが現状です。今回の税制変更により、当局の対応がどのように変化するか、取り締まりが厳しくなるのか……。ここが結局は最大のポイントなのではと見ています。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(9)」
 ~ネット通販の普及による実店舗の危機
 ネット通販の急速な発展の影で、実店舗の売上は大きく打撃を受けている。百貨店の例を挙げると、中国市場参入から久しく、中国における外資系百貨店第一号でもあったマレーシア系「百盛(Parkson)」グループは衰退の一途を辿った一例だろう。2010年以前、百盛は中国国内でトップの売上を誇る外資系百貨店であり、ブランド進出の際のファーストチョイスであった。しかし2012年以降、北京東四環店や天津店を含む8店が閉店に追い込まれ、売上も3年連続で減少を続けている......
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(8)」
 ~輸入食品及び生鮮食品がネットショッピングの新しい人気分野に
 ネット上で販売される食品の中でも特に成長の可能性を秘めているのは輸入食品と生鮮食品だろう。ネット上で野菜や果物、海産物や肉類を購入する人は増加の一途を辿っている。コストパフォーマンス、利便性、及び品物の豊富さが消費者をネット購入に走らせる三大要因だ。現在生鮮食品の売上はオンライン全体の約1%に過ぎないが、過去3年間で多くのネット通販企業の主要業務の1つになりつつあり、売上も大きく伸び続けている……
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(7)」
 ~越境ECで日本製品は大人気
 天猫国際のランキングによると、海外通販の人気国はアメリカ、日本、韓国、ドイツ、オーストラリアの順であった。星図数据の統計でもアメリカが最も人気の輸入先で、全体の2割を占めた。次いで日本、ドイツ、韓国がそれぞれ10%を超えた。日本製品の人気は高く、円安の影響を受けて日本旅行に出かける人の数が増えた結果、商品に関する情報もより充実且つ多元化しつつある......
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(6)」
 ~越境ネット通販の飛躍的成長
 中国政府による政策の下、越境ネット通販がネット小売市場の新たな成長ポイントとなるだろう。商務部のデータによると、2015年の越境ネット通販は3割増加した。現在国内の越境ネット通販プラットフォーム企業は5,000社を超え、20万社以上の企業が出店している……
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年3月号(vol.32)発行

 会報誌2016年3月号(vol.32)では、巻頭特集に中国各地で人気の「書店」を取り上げました。人々の消費や興味が「モノ(商品)」から「コト(体験)」へと一気にシフトしている中国の消費現場において、その最も前線に立っているのが書店でしょう。といっても、一昔前の本を並べただけの古臭い書店ではありません。いま中国全土で流行っている書店は、シックで落ち着いた内装と照明のなか、台湾や香港含む外国からの書籍を数多く揃え、店内には喫茶店から雑貨、小物、文具の販売、さらには演奏会や朗読会などのイベントスペースや絵画教室などを備えた「複合型」書店です。中国では、経済成長とともに、ネットやスマートフォン(スマホ)が急速に普及したため、ニュースなど含む活字媒体はどちらかというと紙というよりはデジタル形式による読書習慣が根付いていると考えていました。しかし経済成長の減速や“低調”な社会情勢を背景に、アナログ的な“古き良き”ものに対する回帰現象が出てきているのかもしれません。
 こうした風潮の変化を早くから読み取り、かつ引率してきたのが台湾の「誠品書店」です。いま中国で勢いのある“個性派”書店チェーンの数々は、ほとんどが誠品をロールモデルとし、そこに中国や各都市ならではの独自色を加味しているといえます。こうしたトレンドの背景や書籍市場全体をデータや統計を使って網羅し、そのうえで、人気(話題)の注目書店チェーン6店、「南京先鋒書店」「西西佛書店」「方所」「上海鐘書閣」「猫的天空之城」を紹介しています。また15年11月末に江蘇省・蘇州で、満を持して本土初進出を果たした「誠品生活蘇州」についても、視察レポートとともにその人気や今後の可能性について追究しています。
 小売流通現場では、中国コンビニ最前線レポートとして重慶と成都の事情と日系の取り組みについて取り上げました。重慶のローソンを訪れた際に、入店してすぐに強烈な香りに遭遇しました。「コンビニ=おでん」の香りが既定値だったのですが、そこでは地元のソウルフードともいえる「酸辣粉(辛味春雨スープ)」と「雑醬面(担担麺のような汁なしの麺)」が売られていたのです。花椒(山椒の仲間)が醸し出す独特の香りが充満している店内を眺めながら、日系コンビニのローカル化への本気度に脱帽でした。重慶や成都には、ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートが出揃い、各店しのぎを削っていますが、地元のコンビニチェーンとのシビアな戦いにもさらされています。地元の競合が勢力を急拡大するなか、日系には勝算があるのか…。
 最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海と深圳で出くわした光景や出来事、4つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。
 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
vol.32(2016年3月号)  もくじ 
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【巻頭特集】中国最新マーケティング
『オンラインからオフラインへの回帰か!?
 「書籍+喫茶+雑貨」の複合型書店がトレンド』
 中国書籍市場の「いま」に迫る

【小売・流通現場】注目商業施設を徹底研究
『中国“コト(体験)”消費を引率』
 「文創」の旗手、台湾系「誠品生活蘇州」が大盛況

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『重慶&成都に打って出る日系コンビニの勝算は?』
 地場系コンビニチェーンの壁を打破できるか

【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『UFOキャッチャーで客の心もひと掴み!!』
『アイススケートが「コト」消費のシンボルに!!』
『アップルペイ中国参入で三国時代へ!!』
『天津でも日本のカレーライスが人気に!!』

【都市別調査】
重慶 vs 成都 編 ~その2
『商業施設比較 重百とイトーヨーカ堂』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第75回「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)

 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
 第75回は「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)。中国で最も美しいキャンパスの一つ武漢大学。1893年設立のこの大学のキャンパスは、湖北省の省都、武漢市の東湖湖畔に広がり、総数5万名を超える学生が在籍する。普段は静かな雰囲気だが、毎年3月になると中国全土から多くの人が押し寄せる。お目当ては「桜」だ。1972年の日中国交正常化を祝い、田中角栄首相が周恩来首相に贈呈した苗木の一部が植えられたもの。その後、武漢大学が増殖し、現在キャンパス内の桜は1000株を超える。満開を迎える3月中旬には毎年「桜花季(祭り)」が催され、入場料20元で部外者にも開放。昨年は入場者が1日に10万人を超すほどの大盛況だった。この桜鑑賞が今年から無料に変更され、平日は1万人、週末は2万人に入場者数が制限された。ネット経由での事前申し込みが必要となったのだが、その仕組みとは一体…。
 次回の掲載は4月15日を予定しています。

※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
(http://t21.nikkei.co.jp/)
  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk

※ダイジェスト版バックナンバーはこちら >>
http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/

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3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載

 2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。

「Luxury market still alive in China(高級品、個人用途攻略を)」
http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Luxury-market-still-alive-in-China

※バックナンバーはこちら >>
http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

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