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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第215号】~越境ECの新政策は減税?増税?~

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2016年4月13日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第215号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。
 先日、お昼に自宅近くでワンタンを食べました。一杯10~15元くらいの価格帯で、具も豚肉ベースでニラやシイタケ、エビなど各種揃っています。こじんまりとした店構えながらも昼時には多くの客で賑わい、店の前の歩道に置かれたテーブル席も一杯になるほどです。いつも傍を通るたびに気になっていたので、初トライしました。
 スープにワンタンがたくさん入って一杯10元です。最初はそのままの味で、半分ほど食べた後に辣油を加えて「紅油抄手」のようにして食べました。味は絶品、この値段でこの量ならば、今後はちょくちょく食べに来ようと思ったほどです。
 満足して幸せな気持ちのまま自宅に戻ったのですが、なぜかじわじわと口全体に痺れを感じ始めました。四川料理が大好きなので口や舌が“麻(痺れる)”になることはよくあるのですが、それとは異なる痺れです。ビリビリとした感覚で無性に喉が渇き、翌日まで尾を引きました。恐らく何らかの化学調味料によるものだとは思うのですが…。
 その日の体調も関係あったでしょうが、改めて中国での食生活について考えさせられた出来事でした。
 今週のコラムは先週に引き続き、越境ECの税変更についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第215号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第215回)
     ~越境ECの新政策は減税?増税?~
 2. 新着コンテンツ一覧
 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年3月号(vol.32)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/
     3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
         「Alipay a hit with Chinese tourists in Taiwan(「スマホ決済」屋台にも)」
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第215回)
 ~越境ECの新政策は減税?増税?~

 先週のメルマガで越境EC(ネット通販)の税金が4月8日から変わるとお伝えしましたが、その後、多くの読者の方からご質問を受けました。そこで、改めて整理してみたいと思います。多くのメディア等からの情報では、税金の計算方法は下記のように説明されています。

※例:化粧品の価格が1000元の場合(消費税30%)

【従前】
 1000元×50%(行郵税)=500元

【改正後】
▼越境ECプラットフォーム経由の場合
 1000元の化粧品であれば、増値税及び消費税は下記のとおり
 (1000×17%+1000×30%)×70%=329元
▼直送の場合
 1000元×60%(行郵税)=600元

 2000元を超えた場合には関税対象となるので、2000元プラス関税に増値税と消費税がかかることになります。

 一方、中国税法の規定に基づく消費税・増値税の計算式で計算すると下記のようになります。
【改正後】
▼越境ECプラットフォーム経由の場合
 1000元の化粧品であれば、消費税及び増値税は下記のとおり
 消費税 1000元÷(1-30%)×30%×70%=299.99元
 増値税 (1000元+428.57元)×17%×70%=169.99元
 ※428.57元は70%を乗ずる前の消費税額
 消費税+増値税=469.98元

 上記いずれが正しいのか、弊社でも現在政府当局と確認中ですが、今月8日から始まったばかりで混沌とした状況のなか実務的にどのように徴税されるのかしばらく様子見する必要がありそうです。いずれにせよ、今回の改正により越境ECでの税金が減税になったと見て取れるのですが、どうしてメディアをはじめ業界内外でこれほどの大騒ぎになっているのでしょうか。
 その背景の一番のポイントは、「税額50元までの免税措置が撤廃になったこと」です。例えば粉ミルクやおむつ、食品など、従前は10%の行郵税扱いとなっていました。税額50元までが免税だったので、これら商品に関しては総額500元までは何のお咎めもなく免税で海外から持ち込みまたは越境ECで購入できていたわけです。ここだけ見ると、本来無税だったのが、増値税17%の70%分、つまり11.9%分が今後は必ず上乗せされますので、その分値上げに繋がることは容易に想像できます。
 実際にこれらを取り締まる政府当局サイドでも、従前は抜き打ち検査で荷を開けたとしても結局は免税範囲内ということであれば税金を徴収できません。またそれを実証するために商品を一つずつ計算する手間を考えれば、膨大な作業量となります。よって、越境ECの荷物や空港の入国ゲートなどではほとんどがスルー状態で、本来当局が得られるべき税収分も一緒に無税のまま入国していたわけです。
 しかし、今回の改正により、明らかに度を超えた荷を持ち帰った旅行客などは、引き留めてスーツケースを開けさせられれば徴税対象になりうる可能性が増すことになります。実際、今年に入ってから空港での入国ゲートで荷物をX線に通させられるケースが増えているように思います。
 今回の改正が越境ECや日本での爆買いにどう影響を及ぼすのか。日本企業の今後の中国事業展開と合わせて注視したいと思います。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(13)」
 ~O2Oモデルは日系企業のチャンス
 2016年の消費予想に鑑みると、日本企業や日本製品には大きな可能性があると言えるだろう。O2Oモデルに関しては、現在市場に日本式サービスを売り物にした商品はほとんどない。引っ越しサービスや家事サービス、自動車の修理や中古車販売等はニッチな市場だ。女性の消費や健康意識の高まりといった風潮に関しても、日本が得意とする分野だ......
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(12)」
 ~奢侈品の価格差が縮小、消費は回復の期待
 2015年の中国奢侈品市場の総売上は1,130億元で、前年比2%減で、前年の1%減をさらに下回った。中国政府による反腐敗政策の影響が継続し、ビジネス上の贈答品消費は大幅に減少、なかでも男性用品市場の落ち込みが最も激しい。腕時計と男性用衣料の売上の減少幅はそれぞれ10%と12%で、贈答品消費の多い華北、東北地方の減少幅も大きい......
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(11)」
 ~一人っ子政策全面廃止によりベビー・マタニティ市場に機会到来
 昨年最も注目を集めた政策と言えば、一人っ子政策の廃止だ。第二子の出産が可能になることにより、新生児の数は毎年100~200万人増加することが予想されている。高齢化問題が緩和されるだけでなく、中国経済への刺激効果にも期待が集まっている......
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「中国消費市場:15年の総括と16年の動向予測(10)」
 ~実店舗は体験型・O2Oにシフト
 ネット通販の台頭に対抗するべく、実店舗では様々な方向転換の試みが行われている。ショッピングモールではレストラン、娯楽、キッズ関連の体験型施設が増加し、服や小物の販売店は減少する傾向にある。万達広場を例にとると、2014年から業種転換に着手しており、万達百貨は縮小や閉店、2階以上の専門店フロアについては、以前はショップ・レストラン・娯楽施設の比率が52:18:30であったのを、1:1:1に調整した......
(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年3月号(vol.32)発行

 会報誌2016年3月号(vol.32)では、巻頭特集に中国各地で人気の「書店」を取り上げました。人々の消費や興味が「モノ(商品)」から「コト(体験)」へと一気にシフトしている中国の消費現場において、その最も前線に立っているのが書店でしょう。といっても、一昔前の本を並べただけの古臭い書店ではありません。いま中国全土で流行っている書店は、シックで落ち着いた内装と照明のなか、台湾や香港含む外国からの書籍を数多く揃え、店内には喫茶店から雑貨、小物、文具の販売、さらには演奏会や朗読会などのイベントスペースや絵画教室などを備えた「複合型」書店です。中国では、経済成長とともに、ネットやスマートフォン(スマホ)が急速に普及したため、ニュースなど含む活字媒体はどちらかというと紙というよりはデジタル形式による読書習慣が根付いていると考えていました。しかし経済成長の減速や“低調”な社会情勢を背景に、アナログ的な“古き良き”ものに対する回帰現象が出てきているのかもしれません。
 こうした風潮の変化を早くから読み取り、かつ引率してきたのが台湾の「誠品書店」です。いま中国で勢いのある“個性派”書店チェーンの数々は、ほとんどが誠品をロールモデルとし、そこに中国や各都市ならではの独自色を加味しているといえます。こうしたトレンドの背景や書籍市場全体をデータや統計を使って網羅し、そのうえで、人気(話題)の注目書店チェーン6店、「南京先鋒書店」「西西佛書店」「方所」「上海鐘書閣」「猫的天空之城」を紹介しています。また15年11月末に江蘇省・蘇州で、満を持して本土初進出を果たした「誠品生活蘇州」についても、視察レポートとともにその人気や今後の可能性について追究しています。
 小売流通現場では、中国コンビニ最前線レポートとして重慶と成都の事情と日系の取り組みについて取り上げました。重慶のローソンを訪れた際に、入店してすぐに強烈な香りに遭遇しました。「コンビニ=おでん」の香りが既定値だったのですが、そこでは地元のソウルフードともいえる「酸辣粉(辛味春雨スープ)」と「雑醬面(担担麺のような汁なしの麺)」が売られていたのです。花椒(山椒の仲間)が醸し出す独特の香りが充満している店内を眺めながら、日系コンビニのローカル化への本気度に脱帽でした。重慶や成都には、ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートが出揃い、各店しのぎを削っていますが、地元のコンビニチェーンとのシビアな戦いにもさらされています。地元の競合が勢力を急拡大するなか、日系には勝算があるのか…。
 最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海と深圳で出くわした光景や出来事、4つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。
 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
vol.32(2016年3月号)  もくじ 
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【巻頭特集】中国最新マーケティング
『オンラインからオフラインへの回帰か!?
 「書籍+喫茶+雑貨」の複合型書店がトレンド』
 中国書籍市場の「いま」に迫る

【小売・流通現場】注目商業施設を徹底研究
『中国“コト(体験)”消費を引率』
 「文創」の旗手、台湾系「誠品生活蘇州」が大盛況

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『重慶&成都に打って出る日系コンビニの勝算は?』
 地場系コンビニチェーンの壁を打破できるか

【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『UFOキャッチャーで客の心もひと掴み!!』
『アイススケートが「コト」消費のシンボルに!!』
『アップルペイ中国参入で三国時代へ!!』
『天津でも日本のカレーライスが人気に!!』

【都市別調査】
重慶 vs 成都 編 ~その2
『商業施設比較 重百とイトーヨーカ堂』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第75回「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)

 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
 第75回は「花見にスマホは必須」(2016年4月1日付)。中国で最も美しいキャンパスの一つ武漢大学。1893年設立のこの大学のキャンパスは、湖北省の省都、武漢市の東湖湖畔に広がり、総数5万名を超える学生が在籍する。普段は静かな雰囲気だが、毎年3月になると中国全土から多くの人が押し寄せる。お目当ては「桜」だ。1972年の日中国交正常化を祝い、田中角栄首相が周恩来首相に贈呈した苗木の一部が植えられたもの。その後、武漢大学が増殖し、現在キャンパス内の桜は1000株を超える。満開を迎える3月中旬には毎年「桜花季(祭り)」が催され、入場料20元で部外者にも開放。昨年は入場者が1日に10万人を超すほどの大盛況だった。この桜鑑賞が今年から無料に変更され、平日は1万人、週末は2万人に入場者数が制限された。ネット経由での事前申し込みが必要となったのだが、その仕組みとは一体…。
 次回の掲載は4月15日を予定しています。

※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
(http://t21.nikkei.co.jp/)
  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk

※ダイジェスト版バックナンバーはこちら >>
http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/

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3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載

 2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。

「Alipay a hit with Chinese tourists in Taiwan(「スマホ決済」屋台にも)」
http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Alipay-a-hit-with-Chinese-tourists-in-Taiwan

※バックナンバーはこちら >>
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