中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!

【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第224号】~「コト」消費はこれからの太原~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティングEC会員コース
http://www.cast-marketing.com/
===============================
2016年6月22日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第224号】
===============================

 こんにちは。キャストの大亀です。
 先週16日に上海ディズニーランドが無事開園しました。日本でも各メディアが大々的に報道したようですね。スマホの微信上でも情報が出回っていますが、どうも今回の開園では中国人客のマナーの悪さにスポットライトが当たりすぎているようです。
 園内の草むらで用を足す子供の姿。夜のパレードが終了した後に通路に散乱するゴミの数々。日本では考えられない光景ではありますが、こうした情報が微信で出回り、東京や香港などとの比較の上で、もっと良くしていこうという声が圧倒的多数を占めていることを考えれば、今後徐々に改善されていくのではと楽観的に見ています。
 まずは上海にディズニーランドができたことそのものに、大きな意味があるのではないでしょうか。中国の消費が「モノ」から「コト」にちょうど変遷していくタイミングの中、ディズニーランドがどのような役割を担い、新たな需要を喚起していくのか。そうした観点からも、上海ディズニーランドの存在意義について語られてもいいのかもしれません。
 ディズニー社は上海市政府に対して「ディズニーランドには青空が似合う」と大気改善を要求したとか。一昨日は、梅雨空模様の合間から透き通った青空が見えました。これを機に上海で“ディズニーブルー”が続いてほしいですね。
 今週のコラムは太原の商圏についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第224号をお送りいたします。

◆◇競合他社のベンチマーク調査のご案内◇◆
================================================================
最近弊社では競合社のベンチマーク調査の依頼が増えております。中国での更なる業務拡大を行ううえで、競合他社の組織や運営体制、戦略、KPIなどを調査・分析しています。
<<お気軽にお問い合わせください!!>> http://www.cast-marketing.com/inquiry/
================================================================

【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第224回)
     ~「コト」消費はこれからの太原~
 2. 新着コンテンツ一覧
 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年5月号(vol.34)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「老舗ブランドの危機感」(2016年6月17日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/
     3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
         「Experiences, not brands, seen drawing Asians to Japan(小道ぶらぶら発見探し)」
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
コラム
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第224回)
 ~「コト」消費はこれからの太原~

山西省の省都・太原。人口431.87万人(2015年末時点)を擁し、GDPは2015年に2735.34億元でした。中国経済の成長とともに増大する石炭需要を背景に、多くの富裕層が誕生。これを狙い、欧米系の高級ブランドが大挙して進出しましたが、深刻な大気汚染による石炭需要減退や政府のぜいたく禁止令などによる影響から、ルイ・ヴィトンが撤退するなど高額消費現場の状況は芳しくありません。
 こうした資源景気を背景にした「モノ」を主体とする消費現場は深刻な状況だろうとある程度予測していました。それよりも、昨今の中国の「コト」消費へのトレンドシフトがどれほどまで太原の消費現場に反映されているのかについて興味がありました。結論から言うと、太原ではまだまだ旧態依然の「モノ」を主体とした消費現場がほとんどで、「コト」を意識した店づくりに取り組んでいる商業施設には巡り合えませんでした。
 商圏としては新旧で大きく2つに分かれます。「旧」の方は、解放路を中心とした柳巷商業街周辺。地場系の華宇購物中心や茂業百貨、銅鑼湾国際購物中心、貴都世紀広場などの商業施設があります。ところが、現在解放路が地下鉄工事のために封鎖されており、客の流れが途切れ、「テナント募集」の張り紙が貼られた物件が目立っています。一方、昔ながらの明、清朝時代の建物を摸して再現された太原食品街には、レストランや軽食(小吃)、小物や土産物などを扱う店が軒を並べ、多くの客で賑わっています。若干距離があるのですが、北4kmのところにある万達広場も施設単体で一つの商圏になっています。
 ここから南に6.5km下がったところにある新商圏には、王府井百貨を中心に、百盛(パークソン)、茂業天地、天美新天地、北美新天地などがあります。特に北美新天地には、ZARA、H&M、無印良品などのテナントを誘致して若者客を意識した内装や店づくりがされており、万達広場と並びワンランク上の商業施設と言えるレベルです。その他の施設はひと昔前の百貨店やフロア構成から変わっていないと言わざるをえません。
 ただ、太原の消費現場で一つ注目に値する点はコンビニです。市内至る所で「唐久」「金虎」などの地場系のコンビニ店を目にします。データ上でも一人当たりのコンビニ店舗数が上海よりも多いとも言われるほど、とにかく目立ちます。もう一つ気づいたことは、どのスーパーでも客より店員の数の方が多いくらいで、商品を物色しているとすぐに店員が近寄り話しかけてきます。最初は戸惑いましたが、彼(彼女)らの接客態度は丁寧で、もしかしたら地元ではこうした店員との交流も喜ばれているのかもしれません。
 昔の良さを残しながら、まだ新しい消費スタイルの導入にまではたどり着けていない太原。「コト」消費が叫ばれるにはもう少し時間がかかりそうです。

文責:コンサルタント 大亀浩介

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

★Facebookのアカウントをお持ちでしたら、ぜひ「いいね!」をお願いします★
================================================================
キャスト中国マーケティング・ECサイトの公式Facebookページ
■□■大亀浩介の『チャイナ・マーケット・インサイト』■□■
http://www.facebook.com/chinamarketinsight/
<<中国各地の素顔を、写真とミニレポートでリアルタイムにお伝えします>>
================================================================

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
新着コンテンツ一覧
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

※下記コンテンツの全文を閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要です(一部お試し閲覧除外記事あり)。「フル/法令/Q&A会員」のログインIDとパスワードではログインできません。(お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/

「大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (10)」
 ~若者に人気のキャラクター展で集客アップ
 大悦城では各種のテーマ展が頻繁に開催されている。主に18~35歳の主要ターゲット層が好むものを基準に、最新の映画、流行、話題を題材に選定する。例えば14年には台湾の人気絵本作家である几米の「世界的角落」、「トランスフォーマー」、「ハローキティ80日間世界一周」、「テディベア111周年記念」展など......
(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1646

「大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (9)」
 ~観覧車のゴンドラでロマンチックなディナーを
 上海大悦城2期の最大の呼び物は屋上の観覧車「Sky Ring」だ。ランドマークとしての価値が高く、簡単には真似ができないのも特徴で、普通のショッピングセンターでは設置の条件が整わないばかりか、コストもかかりすぎる。「Sky Ring」の計画時、消費者に観覧車に対する愛着を持ってもらうため、「ロマンチック」「愛」がコンセプトに選ばれた......
(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1645

「大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (8)」
 ~成都人の好みやライフスタイルに特に着目した成都大悦城(悦街)
 成都大悦城では成都人の好みやライフスタイルに特に着目し、24時間営業のテーマストリート--「悦街」をオープンした。悦街の総建築面積は2万㎡余り、音楽、グルメ、美酒、アート、ナイトライフ、各種ライブイベント等様々な業態を集結させ、成都の新しい人気ナイトスポットとなっている......
(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1644

「大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (7)」
 ~空間デザインを重視した北京朝陽大悦城(悦界)
 「悦界」は朝陽大悦城北側5、6階部分の屋上駐車場スペースを改造、総面積1万㎡、賃貸面積約5,500㎡。5階はクリエイティブ系ショップ、6階はテーマ型レストランで構成されている。今回の改装で朝陽大悦城が最も重視したのは空間デザインだ......
(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1643

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
お知らせ
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年5月号(vol.34)発行

 会報誌2016年5月号(vol.34)では、巻頭特集に中国発の“100円ショップ”ともいえる「メイソウ」を取り上げました。2013年11月に中国1号店をオープンしてから現在までわずか2年余りで、世界中に1400店舗を構えるほど急成長。進出先は香港、マカオ、シンガポール、クアラルンプール、ドバイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ等。中国国内でもすでに1100店を超え、売上も50億人民元を突破しています。ネット通販が猛威を奮い、百貨店やスーパーなど実店舗が軒並み不振のなか、その風潮に逆らうかのごとく好調を維持するメイソウ。同社の成功の秘訣について、商品及び価格戦略、調達管理、コンセプト、立地、フランチャイズ制度、コミュニケーション手法などの多角的な視点から分析しています。
 次に企業研究として、中国飲用水市場のトップブランド「農夫山泉」をピックアップしました。15年の飲料市場全体の約半分を占める飲用水。販売量は8400万トンで1344億元の売上を誇る同市場に、500社超のメーカーがひしめく中、農夫山泉をはじめとする怡宝、康師傅、娃哈哈など主要メーカーが62%を占めているのが現状です。赤いキャップのプラスチックボトルでお馴染みの農夫山泉ですが、高級ミネラルウォーター分野では輸入ブランドの後塵を拝しています。年率50%前後の成長を見せる同セグメントに少しでも食い込むべくとった戦略は“三本の矢”。つまり三つの異なるターゲット客層に対して別々の商品と価格帯を用意し、それぞれ異なる販売戦略をとるというもの。その詳細について、詳しく分析・解説しています。
 現地視察レポートは、安徽省の省都・合肥です。沿岸部と内陸部の主要都市のちょうど狭間に位置し、中国急成長の流れに取り残された「空白の地」。内陸主要都市の武漢や長沙、鄭州などと比べても、面積、人口、GDPなど大きく見劣りしますが、成長は目覚しいスピードを維持しています。15年のGDP成長率は、全国平均を3.6%上回り、中部の省都の中では第1位になりました。GDPランキングでも10年の第38位から15年には第31位へ上昇、省都のみでは第12位で、その成長速度も12年連続で10%を上回っています。こうした成長を背景に地下鉄など急ピッチで進むインフラ整備とともに急拡大したのが商業エリア。人口一人当たりの小売面積ではすでに上海を越えているとも言われる合肥ですが、その実態と今後の動向について現地から視察レポートしています。
 小売流通現場では、中国コンビニ最前線レポートとして、山東省最大の経済都市・青島のコンビニ事情を紹介しています。青島といえば、日本ではイオンの活躍が度々メディアで報道されていますが、コンビニ業界でもそのブランド力を活用した「迷你島(ミニストップ)」が存在感を増しています。09年に初出店してから16年3月時点で約60店舗まで拡大。地元消費者からの支持も多く集めていますが、10数のブランドが600店舗近くのコンビニが展開されている青島での競争は緒に就いたばかり。熾烈な競争が予想される青島のコンビニの状況をレポートしています。
 最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海や天津で出くわした光景や出来事、6つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。
 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

------------------------------
ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.34(2016年5月号)  もくじ
-------------------------------

【巻頭特集】
『中国発の100円ショップ「名創優品(メイソウ)』
 高品質低価格でネットショップに対応し大ブレイク

【企業研究】中国ビジネス最前線
『「農夫山泉」、高級飲用水市場を“三本の矢”で攻略』
 斬新なドキュメンタリー広告で人々の心と“喉”を鷲掴み

【現地視察レポート】安徽省・合肥
『合肥の商業発展 現状と問題点』
 商業エリアの拡張とショッピングモールの乱立

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『青島がコンビニ出店激戦区に』
 ミニストップが先行しセブンが追い掛ける

【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『いよいよ開園、空港がディズニー一色に!!』
『粽子(ちまき)にもディズニー効果か??』
『不二家が中国人気番組の冠スポンサーに!!』
『京東到家がモールに出店、ネットとリアルが共存?? 』
『熊本熊(くまモン)を通して復興支援!!』
『コナン展で垣間見た“鳥取”の存在感…』

【都市別調査】
重慶 vs 成都 編 ~その4
『鉄壁の食文化、重慶・進化続く“トレンディ成都”』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

---------------------------------------------------------

2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第80回「老舗ブランドの危機感」(2016年6月17日付)

 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
 第80回は「老舗ブランドの危機感」(2016年6月17日付)。旧暦の5月5日は「端午節」で、今年は6月9日だった。中国では祝日となるこの日の定番といえば、ドラゴンボートレースとともに「粽子(ちまき)」を食べることだ。中国では豚肉や栗などが入った塩っぱい味付けが主流である。中国で最も有名なちまきブランドは、浙江省の嘉興を拠点とする「五芳齋」。1921年創業の「老字号(老舗)」企業、軽食として親しまれる中華ファストフードの先駆者的存在だ。一方で、顧客層の高齢化と共に多様化する食習慣。特に若者や子供世代の間で、伝統的で“古臭い”イメージもある「ちまき」離れが進む中、同社がとった販売戦略とは…。
 次回の掲載は7月1日を予定しています。

※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
http://t21.nikkei.co.jp/
  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk

※ダイジェスト版バックナンバーはこちら >>
http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/

---------------------------------------------------------

3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載

 2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。

「Experiences, not brands, seen drawing Asians to Japan(小道ぶらぶら発見探し)」
http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Experiences-not-brands-seen-drawing-Asians-to-Japan

※バックナンバーはこちら >>
http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

────────────────────────────
【中国マーケティング・EC会員コース クイックリンク】
────────────────────────────
■サービス詳細 >> http://www.cast-marketing.com/service/
■お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/
■お問い合わせ >> http://www.cast-marketing.com/inquiry/
■メルマガ配信登録 >> http://www.cast-marketing.com/mailmagazine/


pageTop