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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第226号】~“体験館”が小売流通の新たなトレンドになるか~

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2016年7月6日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第226号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。
 先週は4ヶ月ぶりの東京出張でした。大体1〜2ヶ月に一度のペースで行っているのですが、ビザの更新や国内出張などが重なり、タイミングを逸していました。
 久々の東京の印象ですが、以前と比べて中国人観光客の数が減ったような気がします。行き帰りのフライトも空席が目につくほどで、あれほど満席で熱気ムンムンだった昨年と比べると明らかにトーンダウンしているようです。銀座のラオックス前も何度か通りましたが、店先に溢れていた中国人の団体も、スーツケースをゴロゴロと引く姿も結局目にしませんでした。通りを歩いていても以前ほど中国語の会話が聞こえてきません。
 中国経済減速の影響もあるでしょうが、一番はやはり昨今の円高・人民元安基調のせいでしょう。1元=20円から15円台になったわけですから、足が遠のくのも致し方ないのかもしれません。
 虹橋空港では、出口で手荷物のX線の全件チェックが行われていました。免税超過分を現金で支払う客の姿もあり…。爆買いブームの賑わいが遠い昔だったような気がし、どこか寂しい気持ちになりました。
 今週のコラムは会報誌6月号の巻頭特集に取り上げた「ブランド体験館」についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第226号をお送りいたします。
 
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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第226回)
     ~“体験館”が小売流通の新たなトレンドになるか~
 2. 新着コンテンツ一覧
 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年6月号(vol.35)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「コト消費に徹した店作り」(2016年7月1日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/
     3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
         「Captain America adorns dumplings in China's new era(老舗ブランドの危機感)」
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/
 
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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第226回)
 ~“体験館”が小売流通の新たなトレンドになるか~

 会報誌6月号の巻頭特集では「体験館」を取り扱いました。“体験”といってもスキューバーダイビングや山登りなどアウトドアやスポーツではありません。あくまでも展示された商品を見て触り試用できる場で、テレビやスマートフォン(スマホ)などのIT系から、エアコンや冷蔵庫など白物家電に至る「ブランド体験館」のことです。
 春先に、家電系のクライアントから、中国での販売をいかに伸ばすかについての依頼を受けました。その一環で、天津、杭州、武漢、成都での消費者インタビューを通じて、現地の消費者がどこで何を購入しているのか、どのような商品を求めているのかなどの調査を実施しました。
 当初の予想通り、小物を中心にネットでの購入が増えつつあることが明らかになりました。しかし意外だったのが、テレビなどの大型商品に関しては、実店舗に足を運んで販売スタッフからの説明を参考に複数のブランドを比較検討するという声が多かったこと。特にそこで多くの参加者から聞かれた声は、量販店よりは各ブランドが運営する「体験館」の方がいいということです。
 早速、杭州でネットテレビのLetv(楽視)の体験館を目にし、覗いてみました。一見、無造作に置かれたテレビの数々でしたが、丁寧で熱心なスタッフからの説明とともに、実際に画質や音質を体験。正直、画質の品質やレベルの違いはほとんど分かりませんでしたが、それほど執拗に売りつけようとしない居心地のいい雰囲気や、家族経営が垣間見えるオーナーの対応などから、「ここで買ってもいいかな?」という気持ちにさせられるから不思議です。
 子供の頃、「松下電器」や「サンヨー」などの看板を掲げる個人経営の家電ショップが実家の近所に数多くあったことを覚えています。家中の家電製品のほとんどをそのお店で揃えていましたが、その後、値段やアフターサービスの充実度から量販店へと徐々にシフトしていきました。今はそこにネット通販という強力な販売チャネルが浮上してきているわけですが、日本ではまだ量販店が主流でしょう。
 一方、中国では量販店からスタートし、ネット通販へと一部シフトしていく中、日本とは逆に「体験館=近所のショップ」へと回帰しているのかもしれません。もしくは、量販店やネットでは味わえない地域に密着した店員との交流や体験などを求める新たな消費行動の現れなのかもしれません。体験館への流れが、日本的には「回帰」かもしれませんが、もしかしたら体験をキーワードにO2Oを巧みに取り込んだ小売流通モデルとして、世界の先を行くトレンドなのかもしれないとも考え、レポートにまとめました。

文責:コンサルタント 大亀浩介
 
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「大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (15)」
 ~次世代の中国消費は大悦城が引率か?
 2008年に筆者が初めて西単大悦城を訪れた際、当時どこにも若者をターゲットにしたショッピングセンターは皆無であった。一歩店内に足を踏み入れると、そこはブランド構成から空間設計、演出に至るまで、若者、ファッション、流行、楽しさといったコンセプトが満ち溢れていたことを今でも鮮明に記憶している......
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2016年6月号(vol.35)発行
 
 会報誌2016年6月号(vol.35)では、巻頭特集に家電やIT系メーカーが運営する「ブランド体験館」を取り上げました。現在の中国市場を描写する重要なキーワードの一つに「体験型マーケティング」があげられるでしょう。ネットショッピングの普及により大きな打撃を被る従来型の実店舗。その実店舗がネットショップ等の構築に努める一方で、商品の展示と販売を主体にした従来型の店舗から、「体験」をメインに捉えた新しい施設へと転換を図っています。「アップルストア」を典型例とするこの「体験型」店舗では、消費者が実際に商品を手に触れ、その機能や良さを「体験」することができます。また体験を通じて商品に対する理解が深まる他、ブランドの好感度アップも期待できるといった利点があります。家電量販チェーンの国美と蘇寧、スマートフォン(スマホ)の小米、エアコンの格力(GREE)、パナソニックの事例を紹介しながら、今こうして中国の新たな小売流通モデルの一つとして普及しつつある「体験館」の現状と実態を探りました。
 次に企業研究として、ネット動画サイトからテレビ、スマホ、自動車と業態を拡大し注目を集める「Letv(楽視)」をピックアップしました。今年4月14日に開催した「414ハードウェア無料デー」キャンペーンで、Letvはネット動画視聴会員と液晶テレビのセット販売を実施。つまり、入会料のみ支払えば、それとほぼ同額のハードウェア製品が無料で贈呈されるというもの。当日の総売上は23.6億元を突破(うち会員費のみで20.2億元)、テレビの販売台数は54.9万台、スマホも58.2万個となりました。また、Letvの液晶テレビ「超級電視」の4月の販売台数が計71万台で全体の19%を占め、売上トップに躍り出ました。中国のテレビ業界全体が不況にあえぐ中、3年に満たない短期間で目を見張る躍進を遂げ、家電業界全体を揺るがしたLetv。ハードではなくソフト販売をメインとし、ハードはあくまでもそのサブ的役割として「赤字」でもいいから“配る”という販売・囲い込み戦略は、既存のメーカーのビジネスモデルを根底から覆すものでしょう。そうした視点から、彼らの成功の秘訣や戦略について分析しました。
 中国統計データでは、ネット通販の普及により苦戦が続く外資系スーパーの動向をレポートしています。経済成長とともに急拡大してきた店舗網ですが、若者を中心にスーパー離れが深刻化する中、不採算店舗の閉鎖が相次いでいます。12年には外資系の大手スーパーチェーンが26店舗を、13年には31店、14年には上半期だけで118店を閉店しました。一方で、こうした3年の調整期間を経て、15年から外資系スーパーを中心に潜在的市場を求めた新規の開店が目立つようになってきました。その背景には、コンビニなどの小型店舗への転換やオンラインとオフラインを結び付けたO2O等の導入があげられます。15年の各外資系スーパーの出店・閉店動向やその経営状況から、中国における今後の潜在市場がどこにあるのかを読み解きました。
 中国コンビニ最前線レポートでは、世界ナンバーワンの密集度を誇る台湾のコンビニ事情を紹介しています。人口約2300万の台湾。コンビニ店舗数が15年に1万店を超え、一人当たりのコンビニ店舗数が日本を抜き世界一となりました。最大手はセブン―イレブン(統一超商)で、台湾全土で5032店舗(16年1月時点)を展開。市場シェアは約5割で、即席麺や飲料など地場系食品メーカー大手の「統一」グループが運営しています。2番手はファミリーマート(全家便利商店)で3000店弱。ハイ・ライフ(萊爾富便利商店)が約1280店、OKマート(OK便利商店)が約880店と続きます。15年の売上高が2892億台湾元に達し、今年は百貨店の売上に追いつく勢いで成長を続ける台湾のコンビニの状況をレポートしています。
 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.35(2016年6月号)  もくじ
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【巻頭特集】
『近所の「体験館」が次の小売現場の新トレンド』
 “体験”をキーワードにネットからリアルへの回帰進む

【企業研究】中国ビジネス最前線
『テレビ業界の風雲児「Letv(楽視)」が大躍進』
 テレビ“ばらまき”でユーザーを囲む「生態」戦略を具現化

【中国統計データ】
『2015年の中国外資系スーパー総合評価』
 三線・四線級都市と新業態が成長トレンド

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『世界ナンバーワンの密集度でも成長続く台湾コンビニの今』
 コンビニが百貨店の売上に迫る台湾

【都市別調査】武漢 vs 長沙 編 〜その1
『華中2大経済都市 経済の武漢、消費の長沙』
 
※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
 
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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第81回「コト消費に徹した店作り」(2016年7月1日付)
 
 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。
 第81回は「コト消費に徹した店作り」(2016年7月1日付)。ディズニーランド開園で沸く上海。「コト」消費の象徴として、隣接する「ディズニータウン」とともに中国消費を引っ張る先導役として期待されている。一方、ディズニー開園の4カ月前のバレンタインデー前夜、市中心の人民広場から北に約1キロメートルの住宅街に巨大な観覧車が現れた。上海大悦城(JOY CITY)屋上の「Sky Ring」だ。中国初のショッピングモール併設の観覧車は、直径56メートル、地上からの高さは最大106メートルを誇る。30のゴンドラがあり、約12分で1周する。空中で食事も楽しめ、アフタヌーンティーは2周、ディナーは7周滞在できる。これ以外に「コト」中心の店作りに徹し、今年の年間来客数500万人の目標を達成できる見込みの上海大悦城。どんな仕掛けで“上海っ子”を魅了しているのか・・・。
 次回の掲載は7月15日を予定しています。
 
※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
http://t21.nikkei.co.jp/
  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk
 
※ダイジェスト版バックナンバーはこちら >>
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3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
 
 2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。
 
「Captain America adorns dumplings in China's new era(老舗ブランドの危機感)」
http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Captain-America-adorns-dumplings-in-China-s-new-era
 
※バックナンバーはこちら >>
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